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機微だンゴ


 皆さん、こんにちは。キビキビ働けない木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 キビと言えば、サトウキビ。漢字では黍とか書きますけど、うるし(漆)って読まれたりするし、そもそも読みにくいのでカタカナが妥当かと思います。

 また、キビと言えばきび団子もありますね。
 ややこしいですが、一般的に知られる「きびだんご」は、現在の岡山である吉備国(きびのくに)のキビが名前の由来であり、植物のキビは主原料ではない。
 まあ、かつての吉備団子にはキビがまぶしてあったとする説もあったりして、難しいところではあるが、現在の吉備団子の主原料は求肥である。ぎゅーひー。

 あと、キビと言えばキビキビ働け!とか、キビキビ動かんかい!のキビですが、今ひとつキビってのがなんかわかりません。
 似たような所では「キリキリ働け!」「キリキリ動かんかい!」という「キリ」もありますが、こちらは「キリッとしている」のキリだと思えば、何となくわかるんですが、キビって何なんだろう?

 そして、これが本日の本題。


 (´・Д・)」機微。


 きび。容易には感じられない微細な事柄を意味します。あるいは、些事と言っても差し支えはありません。取るに足らない些細な事と言う意味では同じ。ですが、些事と機微の大きな差は、

 感じ取れなくても、
 大局に影響しないのが些事。


 感じ取れると有利に、
 感じ取れないと不利に
 働いちゃうのが機微。


 こう言えばご理解いただけるでしょうか。
 そう。些末な出来事、と捨て置いても問題ないのが些事で、取るに足らぬと捨て置いた事が、後になって自分を追い詰めたり、小さな問題だが捨て置けぬ、と取り組んだ事が後に自分を助けたりする。コレが機微。

 まあ、何と言うか、最近ワタクシは思うんですよ。


 (´・Д・)」近頃の人って、
 機微を感じ取る能力が
 低くなってるんじゃね?


 いや、ワタクシゃ「近頃の〜」とか言うのは嫌いなんで、あんまり使いたくなかったんですが、割と本気で、この機微を感じ取る能力の不足を感じている。
 無論、本来の機微とは「容易に感じ取る事ができない」ので、そもそも感じ取る人が少ないのは当然なんだけれども、そうじゃなくて、


 (´・Д・)」相手が
 ムカついてんのを
 わからずに喋ってる。


 って人が増えてるように感じる。いや、別に若い人に限らず、全般的に。
 いや、ぶっちゃけ、機微とかそんなレベルじゃなく、相手が今どんな感情でいるかを読み取れない人が多い。わかりやすく言えば、今、相手の表情が全然笑ってないよね!? とかそーゆーレベル。
 何だったら、さっきアナタ怒鳴られてましたよね、って直後に「あの人、声が大きいよね」とか言っちゃう感じ。いや、怒鳴られてたんだよ、アンタが。

 機微とか言うまでもなく、そーゆー他人の感情を読み取れない人が増えてる気がするんですよ。ええ。


 で。これの原因が何かを考えてみたんですが、大きく影響してそうなのはメディアと、ネットなんじゃないかと思うに至った訳です。

 ひとつめのネットは単純に「相手と顔を付き合わせて喋る機会が減ってる」って事ではないかと。
 要するにDMだのLINEだのZOOMだのってコミュニケーションツールが普及した事で、相手の声のトーンや表情、身振り手振りから感情を読み取る機会が減り、使わない能力が低下しているのではないか、と言う事だ。

 実際ワタクシはほぼ毎日、生配信を行ってネット通話をしたりもするが、やはりネット通話だと0.1秒ぐらいのタイムラグが存在するので、直接会話とは「間」が違う。
 また、全身が見えていたりする訳でもないから、今からこの人が喋るぞ、というタイミングが読みづらく、喋り出しが被りやすい。コレがなかなかに厄介である。

 で。通話ならまだしも、文字媒体ともなれば、尚の事だ。
 特に、メールやLINEのように「相手がいつ見るかわからない」はずの媒体に対し、「返事がない!」とキレたり、それを「既読無視」したり、「未読状態で読む方法」が流布したり、既読無視にキレたりするのは、まさに相手の状況を察する能力の低下なのではないかと思ったりもする。

 例えば、そこそこ英語が喋れる人が、しばらく英会話に接していないと、その能力が低下する。運動だってそうだ。運動不足な人間が急に動けるはずもない。
 コレと同じように、相手の表情や声、身振り手振りなどの「情報」を読み取る機会に不足すると、当然ながらその能力は低下するのではなかろうか。
 年齢にかかわらず、全体的にそうなっているなら、こう言った要因が影響していると考えられるだろう。

 また、これも無関係だとは思っていないのがコロナ禍である。
 コロナ禍で人と会う機会が減った、と言うことは、対話の機会が減ったと言うことと同じだ。
 そして、会えない期間で、本来ならば手を出さなかったであろう老年層までがLINEのような通話ツールに触れた、と言うような可能性も考えられる。
 別の観点からは「マスクの着用」で、表情を読み取る能力が低下した、という説もあった。(逆にマスク着用下で表情を読み取る能力が向上した説もあるのだが)

 まあ、要するにネットの普及が機微を読み取る能力の低下を招いた、という可能性である。

 もうひとつは「メディア」ではなかろうか。
 こう言うとマスメディア(マスコミ)だと思う人はいるだろうが、そうではなく、漫画や映画やドラマ、アニメ、ラノベを含む小説などの作品群(メディア)がコレを助長している気がしている。

 かつて、昭和の時代には「勧善懲悪」で「熱血」な物語としての「ドラマ」が流行した。
 これには功罪があり、倫理観を育てたり、高度経済成長を促した事は間違いない一方、正義中毒者を生み出し、悪い意味での根性論強要者を粗製乱造した。
 これは平成において揺り戻しがあり、やはり、良くも悪くも「冷めた価値観」を生み出したりもした訳だ。
 で。平成中後期から令和にかけて、


 (´・Д・)」わかりやすさが
 重視されすぎたと思う。


 「痛い‼︎ いや、これは……かなり痛い‼︎」と何から何までモノローグで語っちゃう漫画とか。
 いや、ブッ飛ばされてる時点で威力は察するし、苦悶の表情やら耐えてる体勢で痛みは察せるよね、と。
 他にも、ありがちなツンデレ物のラブコメとか、


 (´・Д・)」 わかるやろ。


 と。照れ隠しで言ってるかどうか、神視点(読者視点)じゃなくてもわかるやろ、と。
 と言うか、実際の人間がそんな態度を取ってたら「痛い人」扱いされますよ。炭治郎なら「痛い‼︎ いや、これは……かなり痛い‼︎」って思ってくれますよ。

 もうね、そこまで露骨にしないとドラマツルギーを感じられないってのは、感受性やリテラシーが不足してるって思うんですよね。
 登場人物が全員、わかりやすいキャラ分け、色分けされて、わかりやすさが最優先されてるのよ。
 クールなキャラは美形だし、眼鏡の委員長は真面目だし、氷の能力使いは氷室って名前で白髪だし、幼馴染は主人公の事が大好きだし。
 こんなのばっかりに慣らされてたら、


 (´・Д・)」そりゃ、
 機微も読めなくなるよ。


 って思うんですよね。実際の人間ってのは、漫画のキャラクタみたいに極端でも、首尾一貫してもいない。
 使われるのは同じ言葉でも、平気だったり傷ついたりする。言う人が違うだけで、聞くタイミングが違うだけで。あなた自身がそうであるように、四六時中、決めた・決められたキャラクターを演じ続けられはしないのだ。

 特にオタクってのは自分や相手の「キャラクタ」を決めつけがち。
 お前はそれぐらい単純かも知れんが、相手はお前ほど単純じゃねえんだぞ、と。
 生きた人間より、わかりやすい作品ばっかりに浸ってるから機微が読めないんだぞ、と言いたい。

 ん? ああ。そうだな。確かにワタクシは「萌え漫画」みたいな作品を好まない。だから、そーゆー作品の世界に入り浸っている人間ってのを低く見ている傾向はあるかも知れない。
 だからオタクは機微が読み取れない、と言いたい、、、


 (´・Д・)」ように
 見えるかも知れないが、


 (´・皿・)」違う。


 (´°皿°)」全然違う。



 ワタクシが言いたいのは、機微が読み取れない奴ほど、


 「こんなに露骨に表現してくれてるんですよ!」
 「この部分で、こーゆー事を言ってるんですね!」
 「監督はこのメタファーとしてコレを見せてる訳で」
 「コレなんかもう、視聴者に対する挑戦ですよ!
  わかる奴はいるのか!? って言うね」



 (´・Д・)」したり顔で、
 わかった風な解説をする
 岡田斗司夫みたいな人間に
 ノセられちゃうから、
 気をつけようね、って事だ。


 (´・Д・)」機微が読めない人間は、機微が読めたように見える人間(実際に読めてるかどうかは関係ない)の言葉に騙され(ノセられ)やすいから、マジで気をつけてもらいたい。


 ※ この記事はすべて無料で読めますが、この記事でワタクシが本当に言いたい事は投げ銭(¥100)をよこせ!です。それ以上でもそれ以下でもありません。
 なお、この先にはワタクシの岡田斗司夫評が書かれています。

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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。