蝿を箸で捉えたのは宮本武蔵ではなく宇野金太郎


 皆さん、こんにちは。剣道経験ゼロ、木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 さて。本日のnoteを読む前に、まずは


 昨日のnoteを読んで頂きたい。
 昨晩の更新が遅れて、本日2回目の更新、と言うのも理由の1つですが、それだけではありません。
 実は、昨日の記事が、本日の序章となっているからなのです。

 まあ、話の流れとしましては、「タマネギの中に爪楊枝が入ってた」って事件でワタクシがクレーマー扱いされた話なのですが、この話をしたら、


 (╹◡╹) タマネギの中に爪楊枝を
 入れた手口について詳しく!


 とか言われちゃったので、不本意ながら、ワタクシはクレーマーなどではなく、


 (´・Д・)」 達人


 である事を明かさねばなりません。
 そう。ワタクシはこのnoteでも度々言っているように、格闘技好き。一応、観戦するだけでなく、色々とやっていた経験もあります。
 そんなワタクシが、格闘技・武術の道を選ばなかったのは、ワタクシが、


 (´・Д・)」 達人


 だったからなのです。
 タマネギに混入されていた爪楊枝で口内を怪我しなかったのも、ワタクシが、


 (´・Д・)」 達人


 だったため、事故を免れたのです。
 しかし、こんなことで自分が、


 (´・Д・)」 達人


 である事を明かすのは、実にナンセンス。しかし、クレーマーを疑われた以上、仕方ありません。ワタクシが如何に、


 (´・Д・)」 達人


 であるかを、皆さんに明かす時が来てしまったようです。

 そう。それは20年ぐらい前の話。
 ワタクシは、当時住んでいた家の近所にある、なか卯で食事を取ろうとしていました。
 流石に20年前の事なので何を注文したかは覚えていませんが、おそらく明け方の朝定食を注文したのだと思います。真相はわかりませんが、味噌汁が付いていた事だけは確定している。

 そしておそらく、季節は夏だ。

 ワタクシは運ばれてきた食事を前に、割り箸(当時。現在はケナフ)を手に取り、早速飯にありつこうとしていた、その時である。


 コバエが、ワタクシの眼前を通り過ぎていったのだ。


 そしてコバエの事だ。通り過ぎるだけでは飽き足らぬと、戻っては去り、視界にチョロチョロと映る。


 おいおい。コイツは俺の飯だぜ?


 お前さんに飯を奢ってやれるほど、俺は裕福じゃないんでなァ、、、。


 ワタクシは、箸を持った右手で、コバエを追い払おうとする、、、が、食事の匂いに反応しているのか、すぐさま戻ってくる。
 コバエ1匹をそれほど気にするような細い神経はしていないが、気分が良いものではない。
 何とかして追い払いたいものである。しかし、店員や他の客の手前もあるから、一人でパントマイムを演じるのも如何なものだろう。
 おそらく、他の客にコバエは見えない。一人で必死に戦えば、ジェリー・ルイスのようなコントになってしまう。
 小さく。そう。小さく動くのだ。
 小さく早く強く
、と鴨川会長も言っていた。
 目立たず、小さく、素早く、確実にコバエを仕留める方法。うむ。

 宮本武蔵だ。


 そう。この店が宮本むなしでない事が悔やまれる。宮本武蔵を語る上で、絶対に欠かせないエピソードがある。飯にたかるハエを、箸で掴んだと言う伝説である。

 ※ この伝説は、実際には幕末に活躍した岩国出身の剣客、宇野金太郎のものである。


 ふん。ふふん。
 やれる。やれるさ。

 俺はぐずりと鼻を鳴らし、持っている箸でコバエに狙いをつけた。
 宮本武蔵に出来たことを、俺が再現出来ない道理はない。いや、宮本武蔵がハエなら、俺はコバエを箸で掴んでやるとも。
 やれるさ。いや、やる。

 ワタクシは心を無にし、コバエの軌道を読む。
 不規則だが、いや、不規則ではあるが、全てが不規則な訳ではない。逆に言えば、奴は真っ直ぐに飛べない。必ず弧を描く。
 捉える。その軌道を。


 ワタクシは箸で空中を斬った。



 だが、駄目だ。


 奴は宙空を悠々と飛んでいる。
 うむ。そう簡単ではあるまい。だが、今の一撃で1つだけわかった事がある。

 ワタクシは剣道を習った事がない。中国拳法を習っていた当時、いくつかの武器には触らせてもらったが、基本的に武器を主軸に習った事がないのである。
 だから、わかっている事が1つ。
 下手に武器を持っても駄目。慣れた徒手空拳の方が強い。慣れない武器で戸惑いながら戦うよりも、慣れた素手の方が戦い方はわかる。同じだ。これも同じだ。

 ワタクシは箸を置き、

 その右手で、デコピンを構えた。


 そう。デコピン。かのチャモアンを範馬勇次郎が屠った脅威の技。
 親指で中指をホールドし、力を込め、一気に解放する。


 やれる。この技ならッ!!!


 ワタクシは呼吸を整え、狙いを定め、軌道とタイミングを読み、



 デコピンを放った。



 手応えは、



 あった。




 ワタクシの中指の爪が、コバエを確実に捉えた。




 🦟 ペシっ




 ワタクシの爪先は、コバエを吹き飛ばし、そして、コバエは、





 味噌汁に落ちた。





 (´°Д°)」 エエエエエエエエ!?





 (´・Д・)」 まさか偶然でも何でも、当たると思わんやん? 嘘だろオイ。



 (´・Д・)」



 (´・Д・)」 、、、。



 (´・Д・)」




 (´・Д・)」 あっ、店員さん、スミマセ〜ン。

 味噌汁にコバエが入ってたんですケドぉ。




 てへ。(´・∀・)」 交換してもらっちゃった。




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 なお、この先には真相に迫るお話が書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。