「空気読め」は感性じゃない


 皆さん、こんにちは。空気のような木賃ふくよし(芸名)です。
 はい。1995年ごろからインターネットが普及し始め、誰しもが当然のようにネットを扱うようになったのはだいたい2000年ぐらいだろうか。
 ネットの普及に直接関係あるのかどうかはわかりませんが、その頃から世の中で常識のようにまかり通るようになった言葉があるように思います。
 それが、

 「空気読め」

 ってヤツです。
 割と便利なので、ワタクシもついぞ、この言葉を使ってしまいますが、この「空気読め」って言葉には、いささか疑問を感じます。
 空気。雰囲気。英語で言うとアトモスフィア。
 これ、多くの人が勘違いしていると思うのですが、「空気を読む」のは、

 「感性」の仕事じゃないんですよ。


 そもそもね、その「空気」を読めてない言動をしてしまう人間に、「空気読め」ってのは、


 鉄棒が出来ない人間に
 鉄棒なんて簡単だろ?
 くるんって回るだけだろ?
 なんで出来ないの?


 って言ってるようなモンです。
 「ボールが来たら、こう打ちます」って長嶋監督か? 「ガッと来たところを、こう、ガーンと」って前田日明か? 言っておくが長嶋監督は努力家だし、前田日明も分析型だぞ。

 要するに空気読めってのは、説明の放棄であり、空気が読めない人間を追い詰めているだけに過ぎない。
 だからワタクシはここで強く主張する。


 「空気を読む」のは「感性」の仕事じゃない。


 いいですか。ワタクシはマナーと呼ばれる礼儀の存在が、大概好きじゃない。しかし、このマナーから学べる事は大きい。
 わかりやすく言おう。いわゆる上座の存在だ。もっとわかりやすく言おう。お誕生日席だ。

 あれは、今日の主役が誰なのかを、馬鹿にでもわかるように簡単に説明してくれているのだ。礼儀が重宝されるのは、押し並べて失礼がないようにする教育なのである。

 これでおわかりいただけただろうか。

 空気の正体は、「感性」などではない。「理性」のお仕事である。
 条件付けの蓄積で作られたフローチャートをこなす事が、「空気を読む」ことに他ならない。


 今、この集団の人数は何人だ?
 男女比率は何:何だ?
 初対面の人間は何人いる?
 どーゆー集まりだ?
 親しい人間は何人いる?
 今日の主役は誰だ?
 集団におけるヒエラルキーは?


 これらは「感性」で行われない。全て事実に基づく。「空気なんか読めないから、わからない」ではない。数えろ。
 今、6人いる。女性が3人だ。初対面は男1、女2だ。
 友達がお互いの友達を連れて来た「飲み会」だ。合コンとまではいかないが、ノリはそれに近い。
 親しいのは男友達の1人だけ。主役は、女性の1人。「誕生日が近いのに、彼氏もいない」って話が初っ端に出ただろう?
 序列は、立案者の男、誕生日の女が上。で、女、女、友人、そして最後に、お前の順番だ。

 ここに感性は必要ない。必要ないんだ。「空気が読めない」と投げ出さず、論理的に考えろ。
 面白い会話なんか出来ないから無理?

 だったらテキトーに相槌だけ打ってろ。


 むしろ、その方が重宝される。
 安心しろ。誰も「空気が読めない」お前さんに面白いトークなんか期待してねえよ。

 無理して早口で吃りながらオタ知識を披露してくれなんて頼んじゃいねえよ。むしろ、披露すんな。お前のターンじゃねえんだよ。
 「空気が読めない」からってオドオドすんな。キョドキョドしてるから駄目なんだよ。どっしり構えて、にこやかに相槌だけ打て。
 物静かで知的な人と、テンパってるコミュ障オタクの差はそこなんだよ。

 まずは「空気が読めない」なんて意識は捨てろ。
 それから、「空気を読めてる」って勘違いも捨てろ。


 大体な、

 「空気読め」って
 言葉を使う奴ほど、
 空気なんか読めてねえんだから。



 (´・Д・)」 あー、今日は連発してるな、ワタクシ。



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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。