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敗北を知りたい
赤コーナーより、A選手。身長190cm、体重86kg、右利き。総合格闘技大会出場経験アリ。戦績16戦8勝4敗4分。
青コーナーより、B選手。身長164cm、体重67kg、右利き。公式試合記録ナシ。自称、街の喧嘩では負け知らず。
ルール : 5分3ラウンド、打撃、投げ、関節全て有りの総合ルールに準ずる。
明らかにアスリートの肉体をしているAに対し、Bは小柄で冴えない体型に、色白。筋肉量以前にシルエットが違う。オープンフィンガーグローブを構える姿も、隙のないAと比べると、Bの方は様にならない印象を受ける。そもそも体格差からして、よくも試合が行われたな、とさえ思う。
試合開始直後、赤コーナーA選手、試合開始の合図でグローブを合わせざま、軽くローキック。
小手調べと思われる、様子見のローキックだが、それを食らったBの動きが硬直した。
Aが続けざまにワン・ツーを入れようとしたが、何故かAは動きを止めて、左足での前蹴りに切り替える。
まだ硬直の解けないBは、前蹴りがみぞおちに直撃。スローモーションがかかったように、うずくまるようにして両膝をつく。
終わったか、と思ったが、レフェリーはまだ両手を交差させない。
レフェリーの動きを確認したAは、悶えるようにして横になったBの上に馬乗りになった。いわゆるマウントポジションだ。
体重差や筋力差を考えると、このマウントを覆すのはほぼ不可能に見えた。まして、総合格闘技経験のあるAである。
だが、Aはそこで打撃によるラッシュは掛けなかった。
ガードがガラ空きの部分に、非常に軽いパンチを一発。
苦しくなって殴られた場所を庇おうと、Bがガードを緩めた部分に一発。そこを庇えば、また新たに空いた箇所が狙われる。
かなり緩やかな間隔で、それが続けられた。明らかに手加減しているように見える。この体格差や格闘技の修練度を考えれば、当然とも言える措置だ。
だが、Bの苦し紛れな行動は総合格闘技において、「マウントを取られたら、絶対にやってはいけない事」の見本みたいなものだった。
幸い、Aが「舐めプ」(相手を舐めた態度のプレイスタイル)してくれているお陰で、その勝敗が決定していないだけなのだ。
Aが本気で打撃をラッシュを掛けるか、打撃を嫌がったところでバッククラブ(背中にしがみつく状態)に持っていけば、まず1分以内に決着する。
Aからしてみれば、Bのガードはまるでなっていない。ガードポジションのガの字もわかっていない。打撃でも絞め技でも簡単に倒せるだろう。だが、あまりにもガードが出来ていないため、仕留めるのを躊躇しているのだ。
ひょっとすると、タップ(絞め技や関節技を掛けられた際、相手の体を軽く叩くことによって降参の意を示す)さえ知らないのではないか。打撃も打たれ慣れていないようだし、下手をすると後遺症を残すような怪我を負わせかねないのだ。打撃も、関節も、絞め技も。
だから、実際は「舐めプ」ではない。手抜きでもないのだ。はっきり言おう。弱い。弱過ぎる。Aが強いと言うより、Bが弱過ぎる故、迂闊にとどめを刺すことが怖い。そんな状態なのだ。
だが、その状態ではレフェリーも試合を終わらせられない。おそらくBも、目の前の対応に必死で、ギブアップするという考えさえないのではないか。
傍目には、馬乗りになってペチペチと、冴えない攻撃を繰り返すAと、それに対処できないBに見えるかも知れない。だからこそ、レフェリーも止められない。
だが、その状態が3分続いた。
逆転もなければ、まるで対応できていないBの状態が危険と判断したのだ。
試合はレフェリーストップにより、AのTKO勝ちとなった。
少なくとも、ワタクシの目には、そう見えた。
レフェリーの判断が遅かったとさえ思う。試合はAのTKO勝ちだが、内容はAの圧勝。いや、Aの圧勝と言うより、Bの完敗。それこそ完敗と言うよりも、実際まるで試合になっていなかった。それが、率直な感想だ。
だが、Bは、
「レフェリーストップが早すぎた。もう少しでマウントは覆せたし、万一、覆せなくても、あと1分で1ラウンドが終了していた。Aはマウントでの攻め方も知らず、ペチペチと効きもしない打撃を単調に繰り返すだけで、下手糞だ。10分でもやり過ごせる。俺は負けたとは思っていない」
と発言したのだ。
長々と書いてしまったが、もう少しわかりやすく、簡潔に示そう。先程と同じAとBにしよう。
飲屋街で、前も見ずにふらふらと歩いていたBが、立ち話していたAの背中にぶつかった。
「どこ見てんだ!? 気を付けろ!」とBが怒鳴りつける。
カチンときたAだが、言い返さずに無視した。ところが、
「人にぶつかっておいて謝罪もなしか!」と殴りかかってきた。
かわせた拳だったが、大義名分を得るために、わざと殴られるA。自分が殴られたことで正当防衛成立。Aは加減して、一発のローキックを放った。
その一発でアスファルトに倒れ込み、もがくB。Aは反撃の可能性が限りなく低いバックマウントポジション(うつ伏せの背中に馬乗り)を取り、そこから攻撃することもせず、警察が来るのを待とうとした。
しかし、双方の友人から「すみません。申し訳ない」「もう許してやれ」との声が入ったので、警察沙汰も面倒だと思い、解放。
ここまであからさまなら結果なら、全員が納得も行くだろう。だが、
「お前らが止めなかったら、俺はあそこから逆転できた。ぶつかってきたのはAだし、アイツの攻撃は効いてないし、勝てた」
とか言い出した感じ。
いや、何処の世界線の話だソレ?
安生洋二でも200%負けてたって言うわ。
完全にボコられてたやん。誰の目にも、結果も、勝敗は明らかやん。
悪いけど、100回やっても1回も勝てんぞ。8,000回ぐらいやったら、あるいは、ってレベル差だぞ。言葉通り、万に一つ。可能性は限りなくゼロに近い。近似値は確実にゼロ。
って言うようなワンサイドゲームを、
ネットでよく見かける。
ワタクシも時折、吹っ掛けられる。
皆さん、こんにちは。格闘技大好き、木賃ふくよし(芸名)です。
なんて言うか、当たり屋レベルで突然ケンカをふっかけて来て、言い負かしたら、何故か「この話が通じないなんて、お前は馬鹿だ」と小学生レベルの遠吠えをかまし、面倒になってブロックしたら「逃げたwwwww 論破したったwwwww」とか、相手し続けたら「訳の分からない相手に粘着されたのでブロックした」とか。
特にツイッターでよく見る光景です。
ワタクシ自身も何度も出くわしてます。
確かに、見ようによっては、「レフェリーストップが早すぎた。もう少しでマウントは覆せたし、万一、覆せなくても、あと1分で1ラウンドが終了していた。Aはマウントでの攻め方も知らず、ペチペチと効きもしない打撃を単調に繰り返すだけで、下手糞だ。10分でもやり過ごせる。俺は負けたとは思っていない」という意見も筋は通っている気がしなくもない。
しかし、よく見かける光景は概ね、ネットで有名な論客に、全く無名のツイッター民が絡んできて、一瞬で論破されている状態なのだ。
有名論客の普段のツイートや、付いているフォロワーの数、いいねの数からして、無名の捨て垢による暴言では勝ち目がない。格が違う。草野球で自信があるからプロ野球にケンカ(公式試合)を売る感じ。
無論、フォロワーやいいねの数は単純に戦闘力を示すものではない。しかし、知識量や思考力が高いから有名論客なのである。せめて「相手を見て喧嘩を売ろうよ」と言いたくなる。
そもそも、大概の場合、本気を出されていない。手加減されているのだ。
目に余るケースは別として、多くの場合は喧嘩を売られてもスルーしてもらってるし、相手をしてもらうにしても手心が加えられている。
本気を出すなら、引用リツイートなり何なりで、晒してしまえば勝てるのだ。いわゆる「ファンネルを飛ばす」という奴だ。
※ フォロワーが何万人もいる人なら、「コイツが馬鹿なことを言ってる」と晒せば、そのファンの好事家たち何人もが、相手を攻撃しに行くこと。(機動戦士ガンダムの遠隔操作武器の名前から)
ワタクシはこの晒し行為を(特にDMやLINEは対個人なので)好まない。やり口が下品だと思うからだ。
醜い争いを晒したい訳でもない。関係者を増やしたいとも思わない。
しかし、殴られ損ってのも気に入らない。
※ 本当のところは、走り回っている阿呆な5歳児がぶつかって来たから、と真剣に怒る方が間違いである。そこは堪えて、
ヽ(´ー`) 気をつけなよ、ボク。
と流すべきである。しかし、ワタクシもそこまで人間が出来ていない。あるいは、5歳児なら話して聞かせれば、話が通じるのでは? と期待してしまう。
で、口論になる訳だが、正直、会話がまともに成り立たない。格闘技で言えば、ガードもフットワークもシフトウェイトもまるで出来てない状態だ。
周囲から見ても勝敗は明確だろう。そもそも攻撃の仕掛け方からして、へろへろだし。フォロワー数やいいねの数で勝敗が決まる訳でもないが、知識量や論理性から考えて、どちらに理と利があるかは明白だ。
だが、格闘技と違って、K.O.もレフェリーストップもない。肉体的に立てないとか、失神するなんて事はないのである。だからかも知れない。いや、そもそも前述のようなリアルの喧嘩でも、言い訳を繰り返す人はいるぐらいなのだ。そう。口論となれば、何でも言える。
負けてない、
勝ったとでも、
相手が逃げた、
相手してられない、
何とでも言える。
しかも、一定数は確実にAのアンチや、Bのシンパがいたり、ウォッチ対象として面白がってBをサポートする人間が出てくる。
そのため、Bの勘違いが正される事はないのである。
無論、このBにも色んなパターンがある。
・Aに憧れがあり、構ってもらいたくてイタズラする男子小学生型。
・ムキになってしまい、引っ込みがつかない沸騰型。
・自分の敗北には気付いているが、認めたくないツンデレ型。
・試合はまだ終わってない。勝つまで続ければいいグレイシー柔術型。
・は? 敗北? そもそも俺の圧勝だし? 現実改変型。
などなど。他にも、「勝ち負けじゃなくて、アイツが間違っている! だから正義の私が勝っているのだ! 正義の鉄槌型」など、幾パターンかあり、また、複合型も存在する。
ワタクシもなんか色々と、ツイッターとかで絡まれた経験があるので、大体のパターンは経験している。
だからこそ、だからこそあえて、
彼らからインタビューしたいのである。
自分はどのパターンなのか。
自分は本当に勝ったと思っているのか。
思ってないなら、なぜ敗北を認められないのか。
なぜそんな思考になったのか。
そして、どうやってそれを克服できたのか。
はたまた、出来てないのか。
そもそも自分の間違いに気付けているのか。
本当のところはどう思ってるのか。
その辺を事細かに調査・取材してみたいのである。
しかし、口喧嘩に負けた(あるいは勝ったつもりの)所に行って、
(´・∀・)」 ねぇねぇ? 今どんな気持ち?
って訊いても答えてくれる人は少なそうである。
特に、そもそも「負けてない」現実改変型からはインタビュー出来そうにない。
そんな訳で、インターネット口論負けナシだぜぇ!って人からのDM待ってます。
(´・Д・)」昔、それでした、とかでもいいです。お願いします。その思考回路が知りたいんです。
ところで、前述の現実改変型なんですけどね。
こんな記事を書いてたりとか、何度もネットで絡まりたりしてる時点で、ワタクシ自身がまさにそれである可能性もあるんで、ちょっとびびってます。
(´・Д・)」 誰か、違うと言って?
※ この記事はすべて無料で読めますが、取材させてくれる人と、この記事に対する投げ銭(¥100)をお待ちしています。よろしくお願いします。
なお、この先には特に何も書かれてません。
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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。