「煩先生の毎日の作り方」
煩先生は、早い時には朝の五時四時に眼が醒めます。
何故なら煩先生には連鎖など無いからです。
紫外線から齎される肉を焼く毒電波がベクター波に依って訪れる事に毎日朝から大忙しだからです。
先ずティッシュ箱を逆しまにして、煩先生が聖人で在る事を主張します。何故なら機関は善なるモノに少しだけ寛大だからです。
其の次にエア朝御飯を食べます。
シュークリームの哲学的ゾンビで脳を動かし、シュレディンガーの珈琲で翼を拡げます。
準備が出来たら、登山を始めます。
其処には道は無く、木々に囲まれ、猛獣たちが煩先生をランチの主菜にしようと待ち受けています。
しかし、子供の頃に獲得したスキル「ズルして生き抜く」に拠り、猛獣たちは煩先生より先に、自分の頭を延々と叩き続け、其の後イキナリ「其れは駄目です!」と叫ぶお婆さんをトロイにして回避します。
そして山の頂上のぴろしま県立図書館に入ります。
其処にはインターネットで只管中国の違法MVを視聴し続ける人や、きのこ狩りに出掛けたと思ったら別人の記憶を有して帰ってきた元数学教師などが待ち受けています。
煩先生はシャイなので、そう言うのは無視して、書庫に入っている小説を借りて、御昼が来るまで熟読します。
そして帰宅後は、次々に作られるカロリーの塊たちを一瞥して、僕は怒っているのでは無く、落ち込んでいるのだと実感します。
無事、肥満の恐怖を味わったら、今度はマンションの自分の部屋で、古本を読み耽ります。煩先生の今一番好きなジャンルは、「絶版したライトノベル」で、読み込んでは脳髄の底を刺激します。
そして夕方と成り、朝廻して干しといた洗濯物を回収します。一応防弾ジャケットを着て、どのタイミングで下着泥棒が来ても、彼ら彼女らに「残念!」と叫んで、殺される前に下着を回収出来る様に調整します。
其れが終わったら夕ご飯です。メニューは大体、御鉢さんと発泡酒とぴろしまのお好み焼きです。
ソースは辛味の有るオタフクで、お好み焼きの中に隠れているニンニクスライスを探すのが宝探しみたいで好きです。
軀の洗浄では右足から順に洗い、サッサと歯磨きをして、最後に眼鏡と顔のバランスのチェックをし、自分の部屋に閉じ篭ります。
そして、八時を過ぎるまで作詩に没頭し、精神が消耗し切った時に、インターネットに投稿します。
其れからは明後日の詩篇の下書きを書き、音楽を聴きながら足の先が痺れる程、淋しく成り果てます。
其の瞬間を狙ったかの様に、煩先生はブレーカーが落ち、停止してしまいます。
充電は忘れない様にしましょう。
罵倒に突っかかるのは止めましょう。
罪悪感への反省文なんて必要無いのです。
そして気付けば、毎日と呼べる程度には、生きているのです。