「A.T.フィールドのシュシュ。」
季節の無くなった街で、心の爪を斬って居る。安全剃刀よりは安全なアイドルハンズを片手に宿して。思えば中途半端に生き延びて居る。或いはカノン進行の日々を溢れさせて。聖痕にリソースを費やしたせいで、ライトセイバーまでは思い至らなかった。光の国ではキット、平和に疑うことも無くニュータイプを気取って居るのだ。
セカイ系のソフトクリームを舐めて居る時に、初めて下心に監視されて居る事に気付いた。兎にも角にも、サムライマックは口に合わない。鳥瞰図には様々な自分の記録を連ねて居る。昨日喰べた生牡蠣の酢漬けで、一度死んどいた方が効率に適ってるのは認める。其れでも、誰も彼もの態度が気に入らない。人類は皆、性格が悪い。
薄倖で導いた運の佳さに於いては、恐らく群を抜いて居る。或いは、理由と原因を履き違えてはいけないと釘を刺して、金槌で叩く。其処で聴こえるのは、せめて美しくと言う祈りだけだ。余りにもオリオン座には意味が有り過ぎて。転じていくせいで出逢い、別れ、透けた布切れの気分に成る。失った事で届いた社会に甘やかされ。
物語を摂取する事が、一番好きな現実逃避だ。しかし脳が徹底して其の細部まで消化するからか、文脈の流れやシーンだったのかを憶える事が全く出来なくて。目が醒めて残るのは、触れた時に撫でた感情の呻き声だけだ。其の養分を蓄えて、自分が相手にされるタイプじゃ無く搾取されるタイプだと確認して。夜が来るまで、踊る。
頭が悪いと言う事は、割と御得だったりする。悩みの幅を抑えられるし、閉じた言葉から腫れ物の拡がりへ展開できるからだ。確かに、離れる新しさの永遠さを知り絶望したくも成る。自分の匙加減で、全てを滅ぼしたり、歪ませたり出来る事もプレッシャーだ。しかし其れこそが遊びの時間である。金を出して、口を出すなと言え。
犬の肉球みたいに、ワンポイントのアクセントで飾った人生を送りたい。猫の回転みたいに、思考実験に使われる程度の軽々しい上手さを得たい。休み始める性能に、画面の中の無償の好意がよく沁みる。軀の外は全て奇声だから、注意深くステップを踏んで退治する。気付けば御薬が足りない事を想い出して、頼ったり泣いたりで。
全て貴方に語り掛けて居たと此処に書けば、遠廻りしながらでも何時か伝わるだろうか。僕の些細な命なんて、其の為にしか無いのだから。貴方に僕が必要だと言われて、最後くらい笑った橙色に飛び散りたい気分なのだ。