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「昆布の天ぷら違反。」
AK47を毎分六百発のテンポで乱れ撃ちしていた頃、僕はハッピーエンドに憧れていた。
其のキラーチューンを聴きながら、明後日の詩篇の下書きについて想いを馳せていた。
最近はインターネットの辞書にも広告が入る様に成ったので、検索を掛ける度に眉を顰めていた。
頑張ったんだから、評価されるのが当たり前。言葉を積んだのだから巧く成ってる筈と甘えてた。
インデペンデンス・デイが訪れても、宇宙人も戦闘機も現れはしないと言うのに。
コッソリ買った古本が届くのを待ちつつ、其の合間に長篇小説を読み解いたのに。
空が堕ちてきたらコーラで洗う必要も無くなると、豪語した誰彼が抹消された後の夜は、殆ど無敵だ。
誰とでも友達に成れるし、恋人に成れるし、同情して貰えるし、好意を持たれるし、ちゃんと無敵だ。
突き飛ばされたり、携帯電話を奪われたり、ポスターに悪口書かれた。でも詩篇は其の反対だから。
買い物に往く時は必ず食パンを二枚食べて、賢くて、馬鹿者みたいだ。でも詩篇は其の反対だから。
一番星に成りたくて鷹を脅している。所詮は猛禽類なので、其処まで持て余しはしなかった。
僕は未だ未だ少し移り気なので、屋上から飛び降りても、翼を羽搏いて夜空に消えていった。
ソロソロ未来の話がしたい。(嘘。全くしたくない。)。僕は将来の相棒を得たい。(嘘。恋はもうウンザリ。)。人の為に一生懸命に成りたい。(嘘。自分さえ佳ければ、其れで満足だ。)。世界は変わらないから、自分を変えて最適化したい。(嘘。世界の方が変わるのを只管待っている。)。其の結果、後賢に評価されれば、御の字だ。(嘘。生きてないと意味が無い)。だから、ドウカ此の卑怯な生き方を赦して欲しい。(真実。ドウカ此の卑怯な生き方を赦して欲しい。)。
組み上げるのが困難故に、僕の周囲は何もかもが緩んでいる。度が過ぎると、螺子を巻かなければいけない。少しでも怠れば、面倒な指導者達に心の乱れだとか言う古臭い説教の後、また古臭い鞭で打たれる。
何時だって勇敢な蟻は集団に三匹しか居ないのだ。其れを丹念に透明な下敷きで擦り潰した日、鏡に映った自分の表情に眼を逸らした。
毎晩毎晩、悪い子は早く滅んで呉れますようにと祈ってる。
◯◯◯◯◯精神では居られずに、◯◯◯の恋を応援して、◯◯◯◯◯の様な哀愁で、僕の指に全ての言葉が宿る。
爪先から痺れる程に、物語の熱さに思わず泣いたり、皆々様が素敵な恋に堕ちる事を応援しながら、帽子を深く被っている。
そんなソコソコ善人を気取ったりしても、僕は始まらない朝を求めて、終わらない夜に縋り付いてる。
はい、僕がジョン・レノンを殺しました。余りに芸術家気取りだったので。
はい、僕がマルコム・Xを殺しました。余りに主張に癖が強かったので。
はい、僕がジョンベネを殺しました。余りに子供では無かったので。
はい、僕がヒトラーを殺しました。余りに癇癪が退屈だったので。
さて、貴方は、何に頼って、昆布の天ぷらを食べましたか?