見出し画像

モノクロで記録する。

2018年、夏の終わり。わざわざのお店にいとう写真館の伊東俊介さんが来店されたのが、わざわざと伊東さんとの出会いでした。いとう写真館は写真家 伊東俊介さんによる出張写真館。全国各地へ出向き、のべ10000組を超える家族・仲間の歴史をモノクロフィルムで写真に残す活動をされています。

「デジタルの時代にフィルムのモノクロで撮る理由はなんですか?」

スマートフォンのカメラの性能だってどんどん上がっている今の時代。あえて色を無くしてモノクロフィルムで撮る伊東さんに、わざわざから一番最初に投げかけた質問がこれでした。

「アーカイブ性がすごいんです、フィルムは」

画像1

デジタルだといつ消えてしまうかもわからないし、電気がなくなったら再現性がない。けれど、フィルムを現像して紙にプリントして残すという写真の歴史は100年以上続いている。100年前のモノクロフィルムでさえ今でも現像可能で、フィルム写真は「記録」という意味でデジタルよりも明らかに優れているんだ。

伊東さんはそう語ってくださいました。そして、写真の微妙なニュアンスを現像するために、大阪の勢井正一さんというプリンターの方を指名してプリントしてもらっていることも。伊東さんの写真にみられる微細な色合い、グラデーションには本当に驚かされます。その後、わざわざ代表・平田が勢井さんの事務所にお邪魔して話を聞いてきました。その様子は読み物にまとめています。

伊東さんの家族写真

伊東さんご自身も毎年のように家族写真を撮影しています。もちろん、モノクロフィルムで。その時を生きていた、という記録をご覧ください。

画像2

伊東家(2005年)

画像3

伊東家(2006年)

画像4

伊東家(2007年)

カラーじゃないから写ること、写らないこと。写真の中にいる伊東家のみなさんは、その時々の、ありのままが写し出されているように感じられます。モノクロフィルムだからこその、事実がそのまま転写されたような写真。このように仕上がるのが不思議でなりません。

モノクロ写真そのものをアーカイブしていきたい

伊東さんとはたくさんの話をしてきました。その中で、伊東さんの活動は過去を未来に運ぶ架け橋のような役目をされているのだと感じ、わざわざとして何か力になりたいと思うようになったのです。わざわざで写真館を定期的に行えば、モノクロ写真の存在をアーカイブできるかもしれない、と。

ということで2019年、姉妹店・問touで移動写真館を開催しました。伊東さんの出張撮影は長野県では初。ありがたいことに会期中には45組の方が撮影に参加してくださいました。2020年も企画しましたが、コロナの状況が許さず見送りに。2021年6月4日(金)〜6月6日(日)、対策とともにみなさまにご協力をお願いし、二度目の開催ができる運びとなりました。

画像5

伊東家(2015年)

画像6

伊東家(2020年)

伊東さんはこの移動写真館で十数年のキャリアがあり、関西や九州では予約が取れないほどの人気ぶりです。今回のイベントは現時点でまだ予約に空きがありますので、この機会に問touにいらしていただけたら嬉しいです。

長野が遠くて来られない皆様は、ぜひお近くに伊東さんが来られるタイミングをご利用いただけたら。問touのイベントに来てほしい思いはもちろんありますが、それ以上に、伊東さんの取り組みをつないでいきたい気持ちがあります。直近では福岡・兵庫・神奈川に出張される予定とのこと。いとう写真館のサイトで開催予定が公開されています。

画像7

問touに現物のプリントを展示しています。機会があればぜひご覧いただきたいです。こんな写真、誰にも撮れません。問答無用にかっこいい仕上がりです。ここに今生きている証しを刻む体験を、問touでしていただけたら何よりです。

問touでの出張撮影会のご予約はこちらから。

いとう写真館のサイトはこちらです。


いいなと思ったら応援しよう!