【ソフトテニス】2022年全日本シングルス結果予想

5月14日〜5月15日に行われる全日本シングルスの結果予想と軽い展望のようなものです。

組み合わせは日本ソフトテニス連盟のホームページをご参照下さい。


男子結果予想

優勝:広岡宙
準優勝:内田理久
ベスト4:上松俊貴/長江光一
ベスト8:大友駿/船水雄太/村上雄人/内本隆文


大会前日に優勝候補筆頭で全日本シングルス三連覇中の船水颯人選手の棄権が発表され、シングルスの頂点を争う大会はより混沌としたものに。


ディフェンディングチャンピオンが不在の中、優勝に最も近付いているのは、日本代表予選会で優勝を果たした広岡宙選手や、代表予選会準優勝の内田理久選手、前回全日本シングルス準優勝の上松俊貴選手、2014年以降毎年4強以上の成績を残している長江光一選手などのNTT西日本勢か。


広岡宙選手は昨年の日本リーグや、今年の全日本選抜大会と日本代表予選会などここ最近のシングルスでは無類の強さを誇っている。
今回の全日本シングルスで優勝して日本最強シングラーの座を射止めることができるか。


内田理久選手は日本代表予選会では決勝戦で広岡選手に敗れたが、同僚の強敵である村上選手と上松選手を失ゲーム0で退けるなど実力の高さを見せた。
アジア競技大会日本代表唯一のサウスポーの活躍に期待。


上松俊貴選手は前回大会で準優勝。日本代表予選会ではベスト4とシングルスでも好成績を残し続けているが優勝まではあと一歩届いていなかった。環境を変えて更に成長を遂げ、今回は栄冠を掴めるか。


長江光一選手は過去の全日本シングルスで3回の優勝を含む10度のベスト4以上に入る実績を持ち、日本代表予選会でも優勝した広岡選手をファイナルまで追い詰めてベスト4入りを果たすなど、ベテランの域に達してきている今でも強さに衰えは見えない。


NTT西日本は他にも、アジア競技大会日本代表の内本隆文選手や、代表予選会ベスト8の村上雄人選手、全日本級のシングルス大会ではまだ上位進出の実績はないものの実力は充分の林佑太郎選手と本倉健太郎選手と、NTT西日本だけで上位を独占してもおかしくないくらいの強豪揃い。誰がこの最強軍団の牙城を崩せるのか。


NTT西日本以外では、全日本シングルス上位進出常連の船水雄太選手や、日本代表予選会でその実力の健在さを見せた井口雄介選手、プロ選手としてそろそろ結果を残したいはずの上岡俊介選手と丸山海斗選手あたりに注目。



男子 各ページの展望と予想

以下、連盟ホームページに掲載されていますドロー表の各ページ毎の展望と予想になります。


1ページ目(1~35)

日本代表予選会優勝の広岡選手が勝ち抜け最有力。

対抗1番手は2018年大会ベスト4の阪本選手。同い年のライバル対決が実現したらかなり熱い。共に社会人になっての対決の結果は如何に。

左の山の注目選手は関西学生シングルスで入学直後の1年生ながらいきなり準優勝を果たした近藤選手。全日本の舞台でも実力を発揮できるか。

右の山では、大学時代からシングルスに定評のある谷岡選手や、世代屈指の実力を誇る元JJCチャンピオンの米川選手に注目。


2ページ目(36~69)

優勝候補だった船水颯人選手がいなくなったトーナメントを勝ち上がるのは実業団の強者か、それとも勢いに乗る大学生か。

左の山では、日本リーグでシングルスを任され、強敵相手に何度も好勝負を繰り広げてきた大友選手に期待。前回大会ベスト16の中原選手も侮れない。

右の山では、NTT西日本の本倉選手や、日本代表予選会ベスト8の矢野選手、その矢野選手を倒して関東学生シングルスを制覇した高城選手、太平洋工業のシングルス担当として日本リーグで活躍を見せた立木選手など実力者多数の混戦ブロックとなっている。また、1回戦から溝端選手と金子選手の高田商業高校時代の元ペア対決の結果にも注目したい。


3ページ目(70~103)

このページは全日本シングルス上位常連の船水雄太選手が最有力か。

対抗となるのは、左の山では前回大会ベスト8の村田選手や、関東学生シングルスベスト4の幡谷選手か。

右の山では選手と北野選手の同い年2名が有力。NTT西日本で鍛えてきた林選手と、ここ最近の活躍が目立つ北野選手のどちらが上位に進めるのか結果が楽しみ。


4ページ目(104~138)

前回大会準優勝で代表予選会ベスト4の上松選手が実績で優位に立つが、強者の多いブロックとなっている。

左の山では上岡選手がリードか。プロ宣言後は中々苦しい結果が続いている分、シングルスにかける気持ちも大きそう。
高月選手は前回大会ベスト32で実力は充分。前回を超える成績を残せるか。

右の山は、リーグ戦などで早くからシングルスで結果を残してきた水木選手や、毎年安定してベスト16に入る中本選手、シングルスでも高い力を持つ安藤圭佑選手など、上松選手の対抗となる選手が多い。上松選手はこの難ブロックを無事抜けられるか。


5ページ目(139~173)

過去の経験と実績は長江選手が圧倒的。

長江選手と同じ左の山では、世界選手権で金メダルを獲得した相方の鈴木選手や、過去に全日本シングルスで16や32入りを経験している、竹添選手や掛川選手などの実業団選手が挑む。

右の山ではシングルスでも高い能力を持つ丸山選手が、プロ選手として初めてのシングルスで好成績を収められるか。個人的には北海道No.1プレイヤーの内海選手がどこまで勝ち上がるのか楽しみである。


6ページ目(174~207)

過去の大会で上位入りもしており、代表予選会でベスト8に入った村上選手が経験に勝る。

左の山では、今年の関西学生シングルス優勝の中西選手と、かつての関西学生シングルス王者で福井県庁で力を付けている遠藤選手が初戦から対戦。初戦から重たい試合だが勝てば勢いに乗りそう。
林田選手はシングルスが得意な印象はあまりないが、日本リーグ代替大会での気迫あふれるプレーは印象的。ダブルスのような好プレーができるか。

右の山は村上選手がリードしている印象だが、実力者は多い。ナショナルチームの長尾選手や、大学時代に3位を経験している小栗選手などの実績ある社会人に、東海学生シングルス王者の守屋選手や、関東学生ベスト16の荒木選手、九州の大学シングルスで活躍する中村選手などの大学生が挑む。


7ページ目(208~241)

日本代表で元インカレシングルス王者の内本選手と、代表予選会で内本選手を倒してベスト8に入った井口選手の争いとなるか。

左の山で井口選手の対抗1番手となるのは、ナショナルチーム選手の安藤選手。学生時代からシングルスでも活躍しているが、社会人になっても上位に食い込めるか。
また、この山では1回戦から下原選手と野口選手の高田商業新旧エース後衛対決が行われる。

右の山で内本選手の対抗となるのは、同じ早稲田大学出身でシングルスに強い高倉選手や、関東学生シングルス3位の下國選手あたりか。内本選手は日本代表として簡単に負けられないが、無事に勝ち抜けられるか。


8ページ目(242~276)

代表予選会準優勝の内田選手が有力。しかしシングルス強者の星野選手も怖い存在。

左の山は星野選手以外にも、ヨネックスの炎のシングラー伊藤選手や、昨年のハイジャパシングルス王者黒坂選手、その前のハイジャパシングルス優勝の白川選手など、近い世代や若手の強者がひしめいている。過去に全日本シングルスで3位の早川選手はベテランの経験で若手を上回れるか。

右の山で内田選手と争うのは、三重高校の後輩サウスポーの仲川選手や、先日の関東リーグで早稲田大学のシングルスで活躍した松村選手、同じく早稲田大学でダブルスで頭角を現しているがシングルスもハイジャパ準優勝でポテンシャルの高い端山選手などの、内田選手の高校・大学の後輩たちか。先輩の意地が勝つか、後輩が下剋上を果たすか楽しみ。



以上男子の予想と各ページの展望でした。



女子結果予想

優勝:尾上胡桃
準優勝:半谷美咲
ベスト4:高橋乃綾/中川瑞貴
ベスト8:貝瀬ほのか/志牟田智美/那須暁帆/井田真希


アジア競技大会日本代表にも選ばれた、日本不動のシングルスエース尾上胡桃選手の2018年以来の全日本シングルス制覇に期待。今年は延期になってしまったが、恐らく延期後のアジア競技大会でもシングルスで活躍すると思われるため、今から更に実績を多く積み上げてほしい。


尾上選手の行く手を阻むのは、同じく日本代表に選ばれ、代表予選会では決勝戦を戦ったどんぐり北広島の高橋乃綾選手と半谷美咲選手の2人か。
特に半谷選手は、引退の予定が変わらないのであればこれが最後の全日本シングルスとなるため、今まで以上に勝ちに来そう。
日本代表同士による争いの行方が楽しみ。


日本代表以外では、代表予選会でベスト4の中川選手や、ベスト8の貝瀬ほのか選手・志牟田智美選手・那須暁帆選手・井田真季選手が中心に。


他では、前回大会準優勝の早川日向選手や、前回3位で日本代表の笠井佑樹選手、日本リーグシングルスで無敵の石井友梨選手などが全日本シングルス初優勝を狙う。



女子 各ページの展望と予想

以下、連盟ホームページに掲載されていますドロー表の各ページ毎の展望と予想になります。

1ページ目(1~60)

代表予選会優勝の高橋選手が勝ち抜け筆頭。

順当に進めば左の山での最大の山場は8決めでの石井選手との試合か。インドアのダブルスでは石井選手が勝利することが多かったと思うが、シングルスではどうなるか。


右の山では代表予選会ベスト8の貝瀬選手と、学生時代に全日本シングルス準優勝している黒田選手が経験でリード。右下の方は和歌山信愛OGが多い印象だが対決は実現するのか否か。


2ページ目(61~120)

日本代表で、今大会唯一(違ってたらすみません)全日本シングルス優勝経験者の尾上選手が有力。


尾上選手の対抗となるのが、右の山では代表予選会ベスト8や過去に3位入賞など実績充分な志牟田選手や、前回準優勝の早川選手か。

他には左の山では、日本代表の久保選手や、シングルスに強い岩倉選手、昨年の関東学生シングルス優勝の桐山選手に注目。


右の山では、代表予選会のトーナメントで対戦している薮内選手と松井選手の再戦が叶うかどうか。


3ページ目(121~180)

唯一アジア競技大会日本代表選手が不在のブロック。しかしシングルス自慢の実力者は多い。


左の山は中川選手が実績で勝る。かつての日本代表選手だが代表予選会でベスト4に進むなどまだまだ実力は日本トップレベル。
対抗に期待したいのは、関東学生シングルスで決勝を戦った浪岡選手と山田選手の大学勢と、ナショナルチームの片野選手あたり。


右の山は日本リーグのシングルスで活躍する那須選手が一歩リードか。代表予選会16の渡辺選手や、シングルスに定評がある選手、ストロークが強力な小林選手がどう立ち向かうか。


4ページ目(181~240)

代表予選会準優勝の半谷選手が最後の全日本シングルスで無事勝ち抜けられるか。


左の山は代表予選会でベスト8の井田選手が優勢。
関東学生シングルスで1年生で3位となった半田選手が躍進するか。


右の山は半谷選手と笠井選手の日本代表対決となるか。その日本代表2名に挑むのは、中学・高校でシングルス女王となった濱島選手と、インカレシングルス優勝経験者の梶尾選手。代表選手相手にその実力はどこまで通用するのか。
また共に1回戦を突破すれば、2回戦で多田選手と前本選手の和歌山信愛高校時代のハイジャパチャンピオンペア対決となる。早い段階でこういう縁を感じる試合があるのいいよね……。


以上女子の予想でした。


シングルスは上位4~8本は比較的順当な結果となることが多いが、そこに至るまでの道のりには波乱含みの展開が多いイメージがあるので、3年ぶりとなる今大会はどのような結果になるのか楽しみです。


男子最終結果

優勝:上松俊貴
準優勝:内田理久
ベスト4:広岡宙/丸山海斗
ベスト8:本倉健太郎/船水雄太/村上雄人/安藤優作


予想面子は5/8的中で、ピタリは準優勝内田選手、ベスト8の船水選手・村上選手の3人でした。


決勝戦のNTT西日本対決でアジア競技大会代表予選会の再戦は、上松選手がリベンジを果たして見事全日本シングルス初優勝。
大会通じて上松選手が2ゲーム以上失った試合は準々決勝の船水雄太選手戦のみという安定した素晴らしいプレーでまさに日本最強といえる結果だった。
今大会は船水颯人選手や長江光一選手が怪我で棄権となったが、ディフェンディングチャンピオンとしてこの2人にも勝って正真正銘のシングルス最強となれるか来年の戦いも非常に楽しみ。


内田選手は代表予選会でストレートで降した上松選手にリベンジを許した。しかし代表予選会に続いて準優勝は本当に凄い。緩急長短自在でどこに打つか分からないそのプレーを更に進化させて来年こそは優勝に手が届くのか期待したい。


広岡選手は日本リーグや代表予選会などで負けなしの強さを見せていたが、同僚の上松選手に及ばず連勝ストップ。
しかしやはりオムニコートでも強さは確かなもので、来年以降のシングルス制覇にも期待が持てる。


丸山選手は全日本シングルス初めてのベスト4入りでNTT西日本軍団に割って入り、プロプレイヤーとして面目躍如の結果となった。


ベスト8の本倉選手は他のNTT西日本勢と比べると、シングルスの評価が高くはなかったが、初戦から粘り強さを発揮して次々と勝ち上がったのは見事。

船水雄太選手は今年もシングルスで結果を残して安定の上位入賞。準々決勝で上松選手に2ゲームリードを許してからの反撃で一気にファイナルまで追い付いたのは流石でした。

村上選手はもうベテランと呼ばれる年齢に達しておるが、実力に衰えはなく、準々決勝もあと一歩で勝利を収めるところまで行ったのは本当に尊敬する。来年もシングルスで結果を残して更なる好成績を残してほしいです。

安藤選手は社会人になって初めてシングルスで上位入賞。代表予選会で力を見せた井口選手や、日本代表の内本選手を寄せ付けず勝利し、準々決勝でも内田選手とファイナルの熱戦を演じた。



女子最終結果

優勝:高橋乃綾
準優勝:半谷美咲
ベスト4:志牟田智美/渡辺絵美菜
ベスト8:木瀬晶絵/尾上胡桃/塚川優女/原口美咲


予想面子は4/8的中。ピタリは準優勝半谷選手のみ。


決勝戦は男子と同じく広島の同門対決。代表予選会のリベンジマッチとなったペア対決は、今回も高橋選手が勝利。サーフェス問わずこの強さは凄すぎる。もう国内のシングルスで高橋選手に敵う選手はいないのではと思うほどの強さだった。


半谷選手は最後の全日本シングルスで優勝には届かなかったが見事初めての決勝進出を遂げて準優勝という結果に。シングルスでもダブルスでも最高の結果を残し続ける高橋半谷ペアは本当に凄い。


志牟田選手は日本代表のシングラー尾上選手に勝利してベスト4入り。準決勝は敗れたものの、高橋選手相手に中盤に圧倒する場面もあり、元皇后杯女王のシングルスでの強さを見せた。


渡辺選手は全日本級の個人戦では恐らく初めてのベスト4。しかし勝ってきた相手を見るにこの結果はフロックではないだろう。今後の活躍にも期待。


ベスト8の木瀬選手はノーシードからの勝ち上がり。2回戦で代表予選会ベスト8の貝瀬選手を倒した勢いそのままに見事な勝ち上がり。準々決勝では高橋選手をファイナルまで追い詰めた。インカレなどでの活躍が楽しみ。

尾上選手は日本代表のシングルス担当として、唯一の全日本シングルス優勝経験者としては少しもの足りない結果に終わった。

塚川選手はノーシードから実績ある選手に勝ってベスト8に。ダブルスの印象が強かったがやはり女子だと良い後衛はシングルスも強いのか。

原口選手は木瀬選手と並んで明治大学からベスト8進出。ポテンシャルの高さを見せる結果に。木瀬選手と共に大学での活躍が楽しみ。



男女共に上位の選手の多くは実績のある選手が順当に勝ち進んだ印象ではあるが、そこまでには波乱と呼ばれるような結果があったり、高校生や大学生など若い選手も良い結果を残していて、来年がまた楽しみになるような大会だったと思う。

また、今回好成績だった選手がここからどのような成長を遂げて、来年にはどこまで圧倒的な強さを手に入れられるのかも非常に楽しみ。
特に男子は、今年は怪我で棄権した船水颯人選手や長江選手が恐らく復帰してくるだろうし、その2人を含めてどんな結果になるのか、今から来年の大会にわくわくが止まらない。

選手や運営の皆様、とても面白い大会を、本当にありがとうございました。