2022年6月の Certified Kubernetes Administrator (CKA) の変更点

Kubernetes の認定管理者資格である Certified Kubernetes Administrator (CKA) を受験して合格することができましたが、すんなりパスできるかなと思っていたら想定外の罠があったので note に残すことにしました。

サマリ

CKA 受験方式に大幅な変更があり、旧方式で万全の準備で望んだ結果1回目の受験は失敗、2回目で合格できました。(試験申し込みは2回分の受験資格がある)
変更点はかなりインパクトが大きいので、ちゃんとアナウンスに目を通しましょうという反省です。

2022年6月にオンライン受験の方式が変更

完全に見逃していた私が悪いのですが、なんと 2022 年 6 月 25 日にオンライン受験用のプラットフォームが変更になっていたようです。(私が受験したのはその週の 6/29 )
プラットホームの変更に伴い、いくつかの受験レギュレーションも変更になっていて旧方式で受験対策していた私には完全に寝耳に水で試験開始と同時にパニックに陥りました。(パニックという言葉がここまで適切な状況はなかった)

CKA 試験の変更点

移行は事前にアナウンスされていましたが、英語のメールで PSI なんたらがうんたらかんたらに変更されるんだなー、まーなんか監督、監視する会社が変わるのかなぐらいにしか考えていませんでした。

以下に個人的にインパクトが(超)大きかった点をピックアップします。

専用のクライアントアプリをインストールする必要がある

旧方式では ブラウザ (Chrome) で実行される WEB 上でのエミュレータで試験を行っていたようですが、これが廃止され試験開始後に専用のアプリケーションをインストールして起動する必要があります。
社用 PC を使っている人など認証外アプリのインストール制限がある場合はここで詰むの注意したほうがよさそうです。

このアプリを起動すると監督者とのチャットが始まり、様々な Verification プロセスが開始されます(カメラ越しでのパスポートの提示とか)

試験が開始されるとそのアプリウィンドウ内で Remote DeskTop で Ubuntu が起動されてそこで作業することになります。
が、当然ですがクソ重い(ラグい)です。Firefox でドキュメント見るときにラグすぎてスクロールが思ったところで止まらずにイライラがすごい。(後に多少改善されている模様

そして yaml ファイルの作成など vim で行おうとしてドキュメントからテンプレをコピーして vim に貼り付けるとインデントがぶっ壊れるという謎現象に見舞われました。
普段は vim で :a! で貼り付けていますが、今回はなぜかそれをやってもインデントぶっ壊れる。
vim はよく使うエディタではあるのですが、使い倒してるわけではないので「なんかインデントまわりの設定あったな」とは思いましたが、試験中は指定された kubernetes 公式ドメイン以外の WEB 閲覧は禁止されているので調べることができず、ただただ絶望するしかありませんでした。
仕方なく、気合の手書き yaml をするしかなくてここでもイライラ(というかパニック)がすごかったです。(これも後述で対処済みの模様)

ブックマーク使用不可

これはめちゃくちゃ痛かったです。kubernetes の公式ドキュメントは充実しているとはいえ、PersistentVolume / PersistentVolumeClaim を Pod にマウントする有用な説明はすぐにアクセスできるようにしていたし、他にも RBAC や Network Policy 、クラスタのアップグレードなど、内容を理解した上であとは公式ドキュメント通りにやれば OK な箇所は「ここを見れば OK 」として準備していました。

が、試験開始とともにそれらが使えないことを知り(ここでも)絶望。

なぜなら試験は 120 分で、事前情報によると解ける問題から手を付けて込み入った問題は後回しにするなどのテクニックを使わないと時間が足りないという記事を見ていたため、ドキュメントをウロウロ探しながら解いてたらとても時間が足りないと思ったためです。

代わりに (?)、 kubernetes.io ドメインで提供されている検索は利用可能にようですが、この時点ではそれを知らないのでブックマークなし、検索なしのセルフクローリングでドキュメントを探すことになりました。(旧方式では検索は不可だったらしいので、ブックマークを活用する TIPS がよく紹介されていた)
検索が使えるようになったのはデカい、むしろブックマークが使えることより検索が使えることのほうが重要なのでもっと強調した文字で紹介してほしい。

use the search function provided on https://kubernetes.io/docs/ however, they may only open search results that have a domain matching the sites listed above

https://docs.linuxfoundation.org/tc-docs/certification/certification-resources-allowed

外部モニター不可

以前は外部モニターが一枚まで使えていたらしいので、今回何も考えずに外部モニター繋いでいたら、専用アプリインストール後のチェックプロセスで普通に✗が出て、「え?」となりました。

その後、仕方なく Macbook Pro 13 inch のモニタのみで試験開始すると左側に試験問題が表示されて、右側に Remote Desktop が起動するので、作業スペースがクソ狭いので注意。

結果

そんなわけで、一回目の受験はパニックになりながらイライラ 200% な 120 分を走りきりましたが残念ながら合格点に3点届かず落ちてしまいました。
感覚的には解ける問題ばかりだったのですが、まず試験開始時のパニックと操作方法について慣れるのに20分ぐらい溶かしてしまい、その後のコピペができないパニックに続き、ドキュメント探しで時間をさらに溶かし終了といった流れだったのでめちゃくちゃ落ち込みました。

なんとか(お酒を飲むことで)気を取り直してちゃんと試験申し込みプロセスにある「重要な案内」をしっかり読み直し、2日後の再試験で合格することができました。

6/30 に出てる公式ブログのアナウンスによるとやはり同じような状況だった人がいたのか改めてアナウンスが出ています。
- Remote Desktop が受験者のリージョンと遠いところに起動されてラグいことがあったから対応したよ
- vim のコピペ問題あったから対処したよ
- ブックマーク使えないから注意してね
- 事前に試験環境プレビューができる killer.sh はまだ未対応だよ

念の為、2回目の受験準備として
- set paste や set autoindent などの vim 設定の仕組みを調べ、万が一のときは nano を使えるように操作方法を覚えた(が、どうやら対処されたらしくインデントぶっ壊れ問題は発生しなかった)
- 主要なドキュメントは kubernetes.io 内の検索からシュッとアクセスできることを確認
- Remote Desktop 内の Firefox や Terminal の文字サイズを小さくしてなるべく広く使う
- ubuntu の Terminal に複数行コピペすると 警告が出てきてうざいので Terminal の設定からオフにする方法を調べる
を準備して望んだらとても穏やかな気持ちで受験できて、無事合格できました。

$375 (¥50,709、円安、、!)という安くない受験料なので、合格できて本当によかったです。
ちゃんとアナウンスは読みましょうまる

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