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パラレルキャリアとは?注目されている理由やメリットについて解説!

「パラレルキャリア」という言葉を聞いたことがありますか?
パラレルキャリアは近年浸透してきた言葉ですが、その意味に関しては知らないという方も多いでしょう。
この記事では、パラレルキャリアが何かに加えて、注目されている理由やメリットについてご紹介します。

■パラレルキャリアとは何か

近年聞かれるようになった「パラレルキャリア」とは、どのようなことを表す言葉なのでしょうか?
パラレルキャリアという言葉は有名な経営学者であるP・F・ドラッカーが、自身の著書『明日を支配するもの』の中で提唱したものです。
「parallel(パラレル)」には平行、「carrier(キャリア)」には経歴という意味があり、これらの造語で誕生したのが「パラレルキャリア」と呼ばれています。
本業を持ちながらも第二のキャリアを築いていくという定義があり、人生を豊かにするには本業と同じくらい価値のある活動をすることを指しています。
それなら「副業」と同じ意味だと考える方もいることでしょう。
パラレルキャリアは、自分自身のスキルアップ、社会貢献活動、ボランティアなど新たなキャリアの開拓を目的としている場合に使うものです。
そのため、正確には新たな収入や稼ぎを目的として本業以外で仕事をする副業はパラレルキャリアとは少し異なってきます。
もちろん、パラレルキャリアの結果として報酬を得ることもありますが、基本的には無償での活動を含んでいるのが特徴です。

■パラレルキャリアが注目されているのはなぜ?

なぜ、パラレルキャリアは注目されるようになったのでしょうか?
ここでは、その理由についてみていきましょう。

・働き方の多様化

日本の企業では、終身雇用や年功序列といった伝統的ともいえる体質が根底にある環境でした。
また、多くの人が新卒で入社した企業に定年まで働くことが良いとされてきましたが、現在はこのような考えに固執するのではなく、ワークライフバランスを重視したり、契約社員やアルバイトといったそれぞれのライフスタイルに合わせて働いたりするようになってきています。
働き方の多様化が一気に進んだのは、新型コロナによってリモートワークが推進したことも大きなきっかけでしょう。
働き方に関係する選択肢が増えたことで、本業以外の部分でもキャリア形成しやすい状況が誕生したことも理由となります。

・企業側のメリットもあるから

社員がパラレルキャリアによって、本業以外で様々なスキルを習得したり、より上を目指していたりすることは企業にとっても大きなメリットになると考えられています。
パラレルキャリアが実現できれば、社員のモチベーションが維持できるだけでなく、定着率も向上していくと期待されているのです。

・経済的な不安定

日本の経済状況は決して良い状態でないことは明らかであり、変わらない現状に将来の不安を感じる方も多くいるでしょう。
このような不安から、社会全体的に終身雇用の崩壊などが生じやすくなりますが、パラレルキャリアがあれば、新しい自分で経済的な不安や新しい収入源も期待できます。

・企業の短命化

年々、日本や世界における経済状況について不安に感じている企業や人が増えてきました。
最近では、企業の寿命が短命化しつつある現状が浮き彫りになり、定年まで安定して雇用し続けられると約束できない状態になっているのです。
新型コロナの感染流行を例にしてみましょう。
急に知らないウイルスが世界的に流行し、それに対しての正しい情報や対策を取ることができず、最初の頃は混乱だけが起きている状態でした。
このようなウイルスが世界を巻き込んで混乱を起こすことは、誰も予測していなかったため、一気に将来への不安を感じた方も多くいました。
これは、企業にとっても同じことであり、急激な状況の変化によって将来の予測も難しくなった現代では企業の未来も安定と言えない状態です。
そのため、ここだけのキャリアに頼ってしまうのではなく、いくつものキャリア形成をすることで将来のリスクを軽減できる可能性があるとされています。

・人生における変化

現在の日本の将来は、とても未来が読みにくいのが現状です。
結婚、離婚、育児、介護、就職、終身雇用、経済の衰退、年金、税金など、いくつ挙げてもきりがないくらい見通しが悪い状態となっています。
これまでは、結婚して子どもを産んで育てるというのが人生の流れのように言われていましたが、現在はこれらに当てはめられないことがたくさん起こっているのです。
そのため、仕事においても1つの仕事を本業として求めていくのではなく、様々なライフステージに対応できるような経験やスキルがあった方が安心とされています。

・就職意識の変化

新型コロナで実施されたテレワークについてのアンケート調査で「今後のキャリアや人生設計について考え方が変わったかどうか」という質問を15,000人に実施したところ、副業や兼業をしたいという思いが強くなった人が全体の約28%いることがわかっています。
これは、テレワークによって通勤時間がなくなったこと、テレワークの頻度が高くなったことで副業や兼業に興味を持ち始めた人が多くなってきたことが理由となっています。
この内容や結果から、これまでの就職に関する意識に大きな変化が出ただけでなく、専門性の高いスキルを習得したいと考えている方が増えていることが明らかとなっているのです。

■パラレルキャリアのメリットは?

パラレルキャリアには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

・やりたいことを実践できる

現在、仕事をしている人の中には自分のしたい仕事ではない、したい業務ではないと感じている方もいるでしょう。
中には、「やらなくてはならなかった」「これしかできなかった」という要素でしている方もいます。
パラレルキャリアでは、自分が主になって仕事や業務を選ぶことができます。
そのため、「やらなくてはならなかった」「これしかできなかった」ではなく、「これがやりたい」という気持ちを尊重して実践できるのがメリットでしょう。

・経験が得られる

パラレルキャリアでは、今まで経験できなかったことができるのも大きな魅力でしょう。
仕事では自分が与えられた役割のみとなってしまいますが、パラレルキャリアなら自分の意志で決めることができます。
制限などもないので、本業でなくても様々なことにチャレンジして得られなかった貴重な経験もできるでしょう。

・スキルアップができる

パラレルキャリアなら、本業では得られないことに取り組めるため、様々な場面でスキルアップが期待できるでしょう。
新しいことから見えてくるものもあり、スキルアップが将来的に大きな成長の手助けとなってくれるケースもあります。

・新たな人脈が広がる

パラレルキャリアによって、これまで出会う機会がない人との交流が生まれます。
これによって、新しい人脈を広げる可能性も高まってくるでしょう。
新たに築き上げた人脈によって本業以外にも役立つ機会が多くなるだけでなく、自分と違った視点を持つ人との交流によって、新しい見方ができます。
人生が豊かになる経験も期待できます。


今回は、パラレルキャリアについて解説してきました。
パラレルキャリアは、自分にとっても企業にとってもメリットが得られる可能性があるもので、人生を豊かに変えるきっかけになる可能性を秘めています。
まだ浸透しきれていないものですが、将来性や未来の安定に役立つものとなるでしょう。

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