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伊豆歩行記録 〜150km歩く男たち〜 【長距離歩行第3弾-Day 4~6 最終回-】
この記事は前回の記事の続きです。まだご覧になってない方はこちらからどうぞ!
1.今回の旅程?
新宿から今井浜海岸まで150kmの行程を進む徒歩旅行シリーズ。
4 日目は目的地の今井浜海岸駅まで電車で向かいます。以上!
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…歩くと1時間強で到着しますが、国道135号の道幅が怖かったり、早く到着したいと浮かれていたりと、当時の3人は迷わず電車を選んだのでした。
2.起床
ぐっすりと眠った3人は朝8時に起床。
すっかり晴れて気持ちのいい朝です。
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朝食を食べたり準備したりして、さっそく駅まで出発!
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宿から伊豆稲取駅までは歩いておよそ15分。昨日は暗くて見えなかった
のどかな街並みを通っていきます。
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伊豆稲取駅からは電車でアッという間に移動します!
東京とは違い、一本逃すと次が来るまでが長いですね(40分)。
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そして……
3.到着!!
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遂にやってきました!!今井浜海岸駅。今回の旅の終着点です。
そのまま海へ突撃!! …と行きたいところですが、
荷物を預けにまずは宿へ向かいます。
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駅から国道135号線に再び合流し、坂を上っていきます。
お世話になった伊豆急行線電車の通る線路を越えて、本日の宿に到着です。
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あとでこの自販機でレモンスカッシュを買いました。
4.思い出の地
女将さんに挨拶し、荷物も預けました。
ついでに水着に着替えて、準備万端!!
いよいよ思い出の海に向かいます。
Yくん思い出の海である今井浜海岸。そもそもどんなところ?
最高ランクの水質で、伊豆の中でも有数の美しい海岸
今年度も最高ランク「AA」の水質で、伊豆の中でも有数の遠浅で美しい海岸です。駅から近いなど交通の便がよく、ご家族連れなどに人気があり毎年多くの海水浴のお客様で賑わいます。旅館・民宿などの宿泊施設が近く水着のまま出かけられるのが魅力です。
少年Yくんにとって、
美しい海も、緑豊かな山も、透き通るせせらぎも、そしておいしいご飯もすべて経験できたのが、この今井浜海岸であったのです。
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テントを張って楽しむ人たちがたくさん
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・・・
童心に帰り、時間を忘れて海水浴を楽しんだ3人。
日も暮れてきたため、宿に戻ることにしました。
ここで今回お世話になる宿「大洋荘」について少し語りたい。
こちらのお宿はYくんの思い出の宿。
ビーチから一転、坂を上って緑に覆われる閑寂なロケーションや、
お部屋から見える島と海と緑のコントラストなど、子供心をくすぐる魅力がたくさんあります。
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そんな中で、Yくんがもっとも強烈に覚えていたのが晩ご飯です。
特に漁獲量日本一を誇る金目鯛(下田港)の煮つけが絶品であったことを忘れたことは一度もありませんでした。
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あの頃と全く変わらない豪勢な夕食をいただき、
お酒を嗜みつつ、夏定番の昭和歌謡祭を見ながら眠りにつきましたとさ・・・
5.実は登山が好きなのかも
そして翌朝。
部屋にはスピーカーがついていて、
女将さんが朝ごはんを知らせる放送をくれます。
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いや〜、ザ・民宿の朝食って感じがして最高!
朝からテンション爆上がりです。
朝ごはんを食べた後、3人で話し合い、
海に行くのではなく、宿の周辺を歩いてみようということになりました。
(なんたって徒歩でここまで来たのですから!)
このお宿、そこそこ高い坂を登ったところにあるため、
周りの山々がより近くに感じます。
「試しにこの道を進んでみようか…」。そうして進んだのは、小高い場所にあった宿のさらに上に続く小道です。
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やはり歩くことが好きな我々、知らず知らずのうちにどんどんと山奥へ吸い込まれていきます。
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軽い気持ちでやってきたので、サンダルに短パンという最悪の格好。
数十分ほど前の自分達を恨みながらも、道なき道を進んでゆきます。
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結構登ったな〜と思ったそのとき、「河津城」の案内板が!
(道がほとんど整備されていなかったから気づかなかった)
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まだまだ上り続ける3人。
ちょっとした散策のはずが、なぜか息が上がっています。
謎の山登りを始めて1時間ほど過ぎ、ようやく頂上らしき場所にたどり着きました。
展望台のような場所もあり、そこからは河津町を一望できました。
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束の間の休憩を取った我々は、先ほど見えた河津町へ行ってみることに決め、
同じような獣道を進むのでした。
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6.河津の街並みを楽しむ
山を下るとそこは河津駅を中心とした市街地。
なんとあの河津桜発祥の地ということでした!!
毎年2月くらいに見頃を迎える桜らしく、その時期は多くの人で賑わうんだとか。
時期ハズレですが、あとで桜並木を歩いてみよう。
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河津川に沿って海岸まで歩きます。
水深はそこまでなさそう。川遊びも気持ちよさそうです。
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そして海岸線にでます。
河津海水浴場もあるのですが、険しい岩場も多く、
波が岩に打ち付けられて白く泡立っています。「巨岩を砕く、怒涛の響き 白浪奔騰、空を覆う
砕け散る水滴、きらめく宝石 消えていく泡、儚き夢」(by Gemini)
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今度は国道135号線に沿って、今井浜海岸へ戻ります。
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山登りはしなくて大丈夫!!(当たり前)
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そんなこんなで、宿から河津市街地までをぐるっと一周したのでした。
宿へ戻り、今井浜二日目の夜。
お風呂と夕食とお酒を楽しみます。
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明日には帰らねばなりません。
名残惜しい気持ちと、これまでの旅の思い出を頭の中で反芻しながら、
眠りにつきます。
7.旅の終わり
最終日の早朝。早起きした3人は日の出を拝みに外へ出かけます。
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DAYBREAKも満喫🌅し、今回の旅の最後の食事を頂きます。
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おいしいご飯も平らげ、いよいよお別れの時。
女将さんに挨拶をして、今井浜海岸駅へ向かいます。
子供のころにも伺ったことを伝えると、「嬉しいわ」と
喜んでくださったことが、とても印象的でした(Yくん談)。
・・・
坂を下って駅に到着。後は東京まで電車で帰るのみです。
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車窓からの風景を眺めながら、これまで歩いてきた道のりを振り返ります。
3日間苦労して歩いてきた道を、電車でたった3時間で通り過ぎて行く。
何とも言えない切なさを感じる瞬間です(これがたまらねぇぜ・・・)。
お昼過ぎ、3人は無事に帰宅。長かった伊豆徒歩旅行もこれにて完結です!!
…とまあ楽しかった旅行で終わらせる訳にはいきません。
今回完歩できなかった要因を分析して、是非とも次に活かしていきましょう。
そしていつか必ずリベンジを果たします!!(現在8年目)
8.今回のまとめと反省
まずは最終成績を見ていきます。
歩行データ【最終版】
【出発地】東京都世田谷区 桜上水駅
【目的地】静岡県加茂郡河津町
【歩行距離】約108km(実際の歩行距離)
【所要時間】約33時間(実際の歩行時間)
【必要歩数】154,286歩(1歩70cm換算)
目的地までの実際の距離は約154kmのため、
ルート全体のおよそ70%を歩いたことになります。
また、時速換算で約3.3km/hのペースで歩いていました
(休憩込みの所要時間のため、純粋な歩行ペースはもっと速いです)。
日毎に計算してみると、、、
1日目桜上水駅〜平塚駅 約3.6km/h
2日目平塚駅〜鴨宮駅 約2.6km/h
3日目熱海駅〜伊豆大川駅 約3.2km/h
疲労や天候不良、トラブルなど様々な要因はありますが、
やはり2日目以降歩行ペースが落ちていっています。
毎日同じ距離を同じ時間で歩くというのは相当厳しいということでしょう。
何より、150kmの道のりを歩くには、
想像よりも時間がかかることがよくわかりました。
残念ながら50km×3日間などという歩行計画は
無謀であったと言わざるを得ません。
こうした結果を踏まえて、改善点をガチで考えてみます。
反省点〜過去の俺達へ〜
・$${\underline{歩行距離のペース配分を見直すべし}}$$
初日50数キロ→次の日は歩行距離を緩くするなど
今後の負荷も考えた旅程を検討すべきだった
・$${\underline{事前のルート調査を徹底すべし}}$$
どんな道を歩くのか(山道か幹線道路か)
そこに歩道がありそうか、途中に休憩できる場所などがあるか
・$${\underline{装備に投資すべし}}$$
マストは靴選び→安い靴や足の形に合わない靴は靴ずれやマメの原因に
リュックなども肩だけで背負うものではなく、登山用のものを検討する
→腰などで分散できるものもあるようだ
必要に応じて膝や腰のサポーターを装着したり、折り畳み杖などを用意したり
・$${\underline{徒歩旅行のリスクを知るべし}}$$ 今回のように、夏場は特に熱中症による脱水症状が一番危険
→夏場は比較的涼しい夜中に出発することや、距離を制限することなども考えよう
同じく、雨の時は避けた方が良い。靴が浸水した状態で長時間歩くと、
靴づれやマメが悪化しやすくなったり、爪が剥がれたりと散々なことに(体験談)最悪の場合「塹壕足」と同じ症状が現れることも、、、
また、車の交通量や路側帯が狭い道は事故のリスクも上がるほか、
体のすぐ近くを車が通過することによるストレスで、
心理的疲労も溜まりやすくなる。
エネルギー摂取、水分補給も忘れてはいけない。
体験談だが、脱水状態にまでなってしまうと、水分が取れなくなってしまう。
(物理的に水が喉を通らない、嚥下ができない状況)
また、体勢的に歩きながらの水分補給がしにくく、
自然と水筒に手を伸ばす機会が減ってしまうため、
意識的に無理にでも水分を取るようにしなければならない。
あと、もっと写真を撮ってくれ
とまぁ、あげるとキリがありませんが、
総じて言えるのは、覚悟の準備が足りなかったということです。
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9.最後に
「歩いて檜原村に行こう」
学生時代に、突飛な一言から徒歩旅行を始めた私たち。
勢いで歩いた檜原村、徹夜で突貫した茅ヶ崎。
(歩き切ることはできませんでしたが)初の連日歩行となった伊豆今井浜海岸、、、
楽しさも辛さも全て、忘れられない学生時代の思い出として深く刻まれました。
あれから時は流れ、学生から社会人となった3人。
忙しい日々に追われてしまい、
3人とも徒歩旅行から離れた生活を送っていました。
しかし、徒歩旅行の持つ、あのなんとも言えない苦しさや歩ききった後の達成感、センチメンタルな感覚を忘れられずにいました。
$${\huge{「思い出のままで終わらせない」}}$$
そんな決意を抱いたのは、実に4年後の2020年、夏のことです。
そして最初に歩いた檜原村を思い出し、再び歩いてみることにしたのでした。
…武蔵五日市編へなんと続く!!!