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アマニタ・パンセリナ 【中島らも】
古本市でたまたま手に取り、その不思議な雰囲気から思わずジャケ買いしてしまいました。
表紙の「可愛らしい」イメージだけを手掛かりに読んでみると、最初からギャップにやられてしまいます。笑
いざ読み進めてみると、内容はひたすらドラッグ一色。
自身がドラッグをしていたり、周りにしている人がいるなら少し違ってくるのでしょうが、【全く経験のない人】からすれば未知の体験ばかりです。
ドラッグひとつひとつの名前も、社会の裏で起きていたドラッグ業界の“常識”を垣間見ることができます。
タイトルの「アマニタ・パンセリナ」は実はドラッグの名前。
このタイトルに反応した人に語り掛けるかのように、中島らもさんのこれまでのドラッグ体験エッセイが綴られていきます。知識のない人には全くもって意味不明なタイトル。
可愛らしくも、どこか不気味な表紙絵。
描かれる日常は完全な犯罪行為も含まれているはずなのに、どこかシニカルでユーモアにあふれた文体がとても魅力的です。
中島らもさんを知らなくとも、ドラッグについての知識がなくとも。
著者の死ぬ寸前の体験もエンターティメントにしてしまう、そんなキャラクター性だけで一気読みできちゃいます。
面白いのに、人におススメしていいのだろうか?
そんな風に思えてしまう一冊。
この本を肴に、お酒でも飲める友人がいるならば、それは最高のドラッグになるかもしれません。
ちなみに。
京都・知恩院の古本市で購入したこの本。
アマニタ・パンセリナ 中島らも (1995)