これほどまでに映画好きのための作品があっただろうか。
2021年初夏
その映画は世間一般には大きな話題にはならず、いつの間にか宣伝映像が少しずつ流れるようになっていった。
その映像はオタク層をターゲットとしたデフォルメ調の萌キャラたちと主人公の男の子が一本の映画を作るというもの。
正直なところ、私はこの映像をみてもあまり惹かれなかった。
「なんかよく分からん同人作品かな?」
程度で興味を示さなかった。
しかし、時が経つにつれてTwitterのタイムラインに少しずつその名前が上がってきた。
「映画大好きポンポさん」
それがこの映画のタイトルだ。
度々、名前を見かけると気になるもので。
youtubeで検索すると絶賛の嵐。
中には「エヴァを超える2021年の最高傑作」という人もいた。
とりあえず原作マンガを読んでみる
今はコロナもあるし、家から映画館は遠いなーなんて思い、とりあえず原作マンガを電子書籍で読んでみることに。
え!?
なにこれ、面白すぎてとまらない!
気づけばスピンオフ含めて全て購入。
しかも1日で5回くらい読み返してました。
映画大好きポンポさんとは、ニャリウッドを舞台とした映画監督、俳優、プロデューサーなどの映画製作をマンガにした作品だ。
これまでに刊行されたのは以下の通り。
映画大好きポンポさん1〜3
映画大好きフランちゃん
映画大好きカーナちゃん
映画大好きポンポさん the Omnibus
すべての作品が繋がっていますが、ある程度順番は前後しても読めてしまいます。
ポンポさんの魅力
この作品の魅力は主に2つだと解釈している。
1つは作者の映画への深い愛情。
もう1つは社会譜適合者ジーン君の逆転劇だ。
個人的にはこの、ジーン・フィニという青年が文字通りすべてを差し出して、最高の映画を撮ろうとする熱量に圧倒された。
そんなジーン君は数々の名言を残している。
マシーンになってやる……
簡単だ...失敗したら...やり直せばいいんだ...何度でも...何度でも...
ウヒ...
フィルムに熱い魂が宿るなら この命なんていくらでもくれてやる
どっちも駄作ですね
彼のこの映画への異様なまでの執着心が、読む人の心も熱くしてくれる。
やりたいことがあるなら、人生なんて捨てられる。そんな強さに勝てるものなんていない。
本当に尊敬できるジーン君に少しでも近づけたらな、そう感じさせてくれます。