見出し画像

ドクター・ドレーの1992年デビュー・アルバム『The Chronic』の写真を撮影した男。

ドクター・ドレーの1992年ソロ・デビュー・アルバム『The Chronic』のジャケは、マリファナを巻くためのペーパーのブランドであるZig-Zagのパッケージを元にしてデザインされたものだが、今でもアイコニックなそのビジュアルは多くの人々の脳裏に焼き付いている。今回、このアルバムの写真を手がけたダニエル・ジョーダンに貴重なインタビューをすることができた。

Chronic Photographer

運命の導き

Daniel Jordan

 まだ駆け出しのカメラマンだった彼は幸運にもドレーを撮影するチャンスを獲得し、その後は一旦カメラマンをやめて医療関係の仕事についてから、またカメラマンに戻るという数奇な運命を辿っているが、そんな彼にドレーとの思い出について語ってもらった。

どこの出身ですか?

 カリフォルニアのベーカーズフィールド出身だけど、途中からウィスコンシン州ミルウォーキーに引っ越した。最初は医療関係の仕事をしていたけど、その仕事が退屈になったから、趣味でカメラを始めたんだ。ウィスコンシン州は自然が美しかったから、景色の写真を撮っていた。カメラ技術は全て独学なんだよ。そのあとフロリダに引っ越して、そこでコマーシャル・フォト・スタジオで働くようになって、そこでモデルや役者を撮影したり、カタログの仕事をするようになったんだ。2年くらいその仕事をしてから、カリフォルニアに行くか、ニューヨークに行くか悩んで、LAに行ったんだ。

どうやってヒップホップ・シーンに関わるようになったんですか?

 音楽シーンに関わるようになったのは偶然だったんだ。LAに引っ越して、フリーのカメラマンになる前はハリウッドのTKNOというフォト・レンタル・スタジオで働いていた。そのスタジオで、マイケル・ジャクソン『Bad』のジャケット写真も撮影されてたし、オジー・オズボーン、アリス・クーパー、アニタ・ベーカー、デヴィッド・ボウイとか有名なセレブリティがそのスタジオをレンタルして、よくフォト・セッションをやっていた。だから、そのスタジオで、様々な有名人のフォト・セッションを目の当たりにしたよ。他のカメラマンの技術を見て、自分も仕事でやりたいと思うようになったんだ。

どうやってドクター・ドレーと仕事をすることになったんですか?

ここから先は

3,971字 / 3画像
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?