10年後の未来。私たちは未来に何ができるのか。未来に何が残せるのか。
「みんな不安ですよね。
明日どうなるかわからない。
だから10年ビジョンは予測ではダメ。
自分で仮説(目標)を立てたことを計画して
実行するしかないんです。」
2021年3月22日、京都中小企業家同友会・社員共育求人委員会設営の幹部社員研修会「共に未来を考える研修会」を京都エレベーターさんの城陽工場で開催させていただきました。
報告者は京都エレベーター(株) 代表取締役 田中陽一さん。
高卒で入社し、40歳で社長に。21年社員をして、社長になって7年。
社員としての経験や目線を生かして、社員がしたいことにどんどんチャレンジできる環境づくり、経営幹部はつくってすぐ市場に出すという挑戦する企業づくりを、10年ビジョンに向かって邁進しておられます。
↓京都エレベーターさんのホームページはこちら
そんな田中陽一さんと共に学んでいる社員共育求人委員会の企画として、今回の研修を開催することができました。
▼研修会のねらい
「共に未来を考える」
社員「共育」とうたっているのだから、経営者も幹部も「共に」参加し学び合える研修会にしたい。
その想いが、企画運営を担当した委員会メンバー共通のブレない軸にありました。
▼工場見学
開会挨拶の後、すぐに工場見学へGO!
小学校の社会見学のような心持ちで約10人ずつ3グループに分かれて約30分間の見学へ。
2階のセミナールームを出発して、さっそくエレベーターホールへ。
エレベーターの扉には同友会仲間とコラボでつくられた装飾が!!
新型コロナウイルス感染症対策で考案された、ボタンを押さなくても動くエレベーターを体験!!手を上に上げると「↑」ボタンが、手を下に下げると「↓」ボタンが点灯します!!
中のボタンも「アスク○○」と声で指示を出します。
「ちょっと山ちゃん言ってみて!」と言われて幹部社員さんが「アスク3階」と言うと、パッと3階のボタンが点灯!!
「おぉ~!!」とみんなから歓声が上がりました。
3階に上がると、下が見える状態でドキドキしながら進みます。
こ、こわい・・・
実際にエレベータの点検をする様子や、社員共育の取り組みなど説明をしてもらいました。
こちらも同友会企業とのコラボ扉がずらり~
シャッターチャンス!!とパチリ。
実はコレ、マグネットで、いつでも着せ替え可能なんですって!!
季節や、フロアによって、コンセプトに合わせていろいろと取りかえることができるそうです!!それは画期的!!
コレも本物の木と石が使われています!!
めっちゃカッコイイです!!手触りがすごい!!
コレも質感がすごい!!ものすごく手がこんでます!!
コレはホテルとかにありそう!!雰囲気ありますね!!
オリジナル扉を堪能した後、階段で1階へ。
整理整頓が行き届いています!
「あれ見てみ!すごいで!うちもマネせんとあかんなぁ」
と経営者と幹部社員さんが一緒に感想を言い合いながら進みます。
お仕事中の現場をまわっていたときのこと。ある社員さんは手をとめてニコニコとお仕事の内容や社員共育の取り組みをお話してくださり「これも大事なお仕事ですから」と仰って親切に対応してくださり、すごいなぁと。
また、ある社員さんは真剣に声を出しながら制御盤の設計をされていました。見学者がぞろぞろと思い思い話をしながら移動しているこの状況でこの集中力!!これもまたすごい!!と思いました。
「広いですね~!!」と言うと
「これでももう手狭になってきたんですよ」とのこと。
大きな機械を扱われているので、件数が重なると結構幅をとるそうです。
▼ご報告
工場見学が終わって、いよいよ報告へ。
現在の会社の状況、業界の状況、市場規模、自社の立ち位置などの客観的な分析から、利益の考え方、ここ数年で実際に行った経営判断、10年ビジョン、新しい取り組みなど、盛りだくさんの内容でお話しいただきました。
中でも「ゆでガエル」の話はドキッとしました。
同じことを続けていると、だんだん状況が変化していることに気づかない。
例えば、エレベーター業界大手では、技術者の増員、VRの教育、納期の短縮など「価格決定権」を握る上で他社との差別化を積極的に図っている。では、自社はどんな戦略をもって強みや機会を生かして事業を展開していくのかを明確にする必要がある。だからこそ10年ビジョンをみんなで共有することが大切だとお話いただきました。
▼グループ討論
工場見学と報告の後は、経営者2名、幹部社員さん2名、合計4名1グループで討論を行いました。
討論テーマは
・将来どういう会社にしていきたいか?
(自分がどう思っているか)
・自分はどうありたいか?
10 年後のありたい姿
(その時会社はどうなっているのか)
今の積み上げの数年先ではなく、それこそエレベーターで10階まで上がって見えた景色をみんなで共有し、現在地までを見通してみる。そんなアプローチ。
ある方は、10年先はもう自分の時代ではなく、後に続く人たちに託しているという未来を。
また、ある方は、今は創業経営者がいるけれど、社内で既にみんなに宣言しているという10年後には自分が経営者になるという未来を。
また、ある方は、今のお店は自分一人でがんばっているけれど、10年後には一緒に働く人が増えているという未来を。
そして私は子ども達が社会に出る頃、「大人ってカッコいいな!」「働くっておもしろいな!」と働く喜びを感じられる未来を。
それぞれの想いを共有し合った結果、ステージや立場は違えど、共通していたのは、みんなの未来には「共に生きる人達の姿」が見えていたことでした。
▼全員発表
最後は、参加した全員が、経営者も幹部社員さんもみんなが同じように一人ずつ学びと気づきを発表しました!!
社員研修と名前がつくと社員さんだけが発表して終わり、というのが多いと思うのですが、ここも「共育」の実践のしどころ!
これが良かった!!
1人ひとりの学び×30倍の学びになりました!!
そして、全員の顔が見える良さ!!
経営者が発表している時にその様子を社員さんが写真にとったり、社員さんの発表の様子を経営者が写真にとったり、それぞれの眼差しが優しくて微笑ましく、温かい空気が流れていました。
▼企画の裏話
2016年から社員共育求人委員会のいろいろな研修会に参加させていただきましたが、社員「共育」と言っているのに、ぜんぜん「共育」じゃないやん!?というのが当初の率直な感想でした。
社員だけ研修会に参加させて、経営者は参加しない。
「社員共育」の本当の学びは何やと思う??
本質は「社長共育」なんや。
社長が学ばんと社員は育たへん。
大先輩の経営者の方がいつも言ってくださるこの言葉。言葉だけじゃなく、企画の設計や組織の運営にもその魂を込めたいと考えながら、この5年間で少しずつ変えてきました。
「幹部社員研修会」はこれまでの企画の集大成的な要素もあり、今期大幅リニューアルとなりました。
昨年までは、数年間、同じ講師の先生にお任せで1泊2日の幹部社員研修会を開催していたのですが、年々参加者が減り、運営を見直すことが決まっていました。
改めて0ゼロからつくる研修会。
社員共育部会のみなさんと4〜5ヶ月前からそれぞれの経営課題や思いを共有しながら準備を進めてきました。
・社員さんは今何人ですか?
・今の課題は何ですか?
・もし幹部社員研修会があるなら
自社の誰に参加してほしいですか?
・どんなことを一緒に学びたいですか?
・どんな経験をしてほしいですか?
・社長と幹部が2人1組で参加でき、同じ経験を共有できる企画にしたい。
・他社さんの現場を一緒に見て感じたことを共有したい。
・他社の経営者の方や幹部社員の方の考え方や実践から学んでほしい。
そんな思いをなんとか全部詰め込んだ、盛りだくさんの研修会。
本当はお昼ご飯も交えて交流を深め議論も深められるように、丸1日一緒に未来を考えられる研修会にしたかったのですが…
直前には、緊急事態宣言の影響で、当初予定していた2月の日程から変更となり、1日研修を半日に切り替えての開催となりました。
でも、これもまた良い経験。
最後の全員発表では、「今度はもっとこんな研修会がしたい」という前向きなご意見もいただけました。
満足があるからこそ、少しの物足りなさが創造性を刺激する!!
「また、次も仲間の会社を見に行こう!」
と提案してくださったので、来期もこういった企画をブラッシュアップしながら展開していけるといいなと思いました。
▼10年後の未来。私たちは未来に何ができるのか。未来に何が残せるのか。
未来は不確定。未来には、答えも正解もない。
だからこそ、自分自身がどうありたいか、どんな未来になっていてほしいか、一人ひとりの心が描く風景が羅針盤になる。
そして、心で思うだけでは実現しないことも、言葉にすると応援してくれる人が現れて、行動すると変化が起こりはじめる。
心で描いたものを、言葉にし、行動にしていく。
常に行動し続ける。その積み重ねが未来をつくる。
願えば叶う。行動すれば変化が起きる。
その実践が、誰かの「希望」になっていく。
10年後の未来をイメージしながら、今、ここから、挑戦と実践を積み重ねていきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?