わたしと恋人のあらすじ
わたしには二歳年上の彼氏がいる。
付き合って半年を過ぎた頃に同棲を始めて、それからまた半年が経った。
付き合ってから一年と少し。
小さなすれ違いは二、三度あったけれど、それらしい喧嘩もなく、毎日穏やかに暮らしている。
最初に断っておくが、わたしは性格があまり良くない。
他人に興味がなく人と話すのは億劫なのに、時々とても寂しがり屋で、自分がコミュニケーションを取りたいときだけ誰かに連絡をする。
そんなことを繰り返しているうちに、いつの間にか24歳になって、仲が良いと言える友人は片手で数えるほどになり、気づけば恋人もいないのが当たり前になっていた。
そんな中でも、なぜか結婚はしなくてはいけないような気がして、出来そうにない自分に苛立って、俗に言う婚活アプリに登録をしてみた。
しかし例によってコミュニケーションを取るのも、ニコニコと愛想を振りまくのも、どうにかしてホテルには入ろうとしてくる者を躱すのにも疲れ、早々にやめてしまったのだった。
諦めかけていた頃、親友が職場の先輩を紹介してくれるという話が出てきた。
一度目に聞いたときは、友人の知り合いだと面倒くさそうだと思い曖昧に返事をしたが、二度目に聞いたときはわたしの気分が良かったという理由でOKし、連絡先と顔が写っている画像をもらった。そして何通かやりとりをして、食事をすることになったのだった。
とはいえ、画像で見た写真も全然タイプではなかったし、実際に会って話しても、特に不快感はないし話すととても楽しいけれど、付き合いたいという感情は全くなかった。
二度目に食事をしたとき、何軒かお店をハシゴしてべろべろになったわたしは、「まだ二回目だけど、俺と付き合いませんか」と無愛想に言われて、あまりよく考えずに「うん」と返事をし、朦朧とした頭の中で、付き合おうって言われるの久しぶりだなあとぼんやり思っていた。
とまあ、こんなドライな感じで始まった彼氏との関係で、人によっては「なんだこのクズ女…」と思われても仕方がないとは思うんですが、ここから彼氏の(本人は全く意識していないだろうが)大逆転が始まります。お楽しみに。