重度身体障がい者の就労が難しい背景には、日本の公的な福祉制度の課題、雇用する企業などが合理的配慮に不慣れなための敬遠、そして働くロールモデルが身近にいないことなど、いくつもの壁があります。一般社団法人わをんは、勤務時間中も介助を受けながら働くスタイルを「介助付き就労」と呼び、その実現を目指しています。その第一歩としてハンドブックを作っています。
ハンドブック内コンテンツの一つとして、重度身体障がい当事者の、「はたらく」に関する経験や考えを集めました。ハンドブックに掲載しきれなかった、バリエーションに富んだたくさんの回答を、この記事でお届けします。
回答対象者は、肢体不自由があり、日常生活の動作(食事やトイレ、機器の操作など)介助が必要で、勤務時間中に介助がないと仕事ができない/仕事を続けるのが厳しい方(就労の有無は問いません)です。なお回答の一部は、読みやすさのため趣旨を損なわない範囲で編集しています。
このハンドブックはトヨタ財団 2021 年度研究助成プログラムの助成を受けて制作、2022年3月に発行したものです。教育機関や当事者団体などに無料で配布しますので、ご希望者は当団体にご連絡ください。PDFは当団体ホームページで公開予定なので、ご自身で印刷もできます。
20代・在宅勤務のITシステム業
30代・一般企業にて会社員として勤務/事務職
40代・通勤の事務職
30代・就労なし
40代・就労なし
40代・ディーラー
40代・就労なし
20代・公務員(教諭)
30代・公務員
20代・パートの事務員
40代・就労なし
30代・講演や、文章を書く
60代・介助派遣業
20代・フリーランスCGアーティスト / OriHime(※) パイロット
※編集部注:人が遠隔操作で動かす分身ロボット。オリィ研究所が開発、実用化されている。
20代・フリーランス、フルリモート、アナリストやマーケティングなど
30代・相談業務(パート職員)
40代・フルタイム会社員
40代・在宅勤務のフリーイラストレーター
10代・就労なし
30代・本業:個人事業主の講演業 副業:在宅の就労支援A型
20代・就労なし
40代・一般事務
30代・在宅勤務の会社員
30代・相談支援専門員
40代・研究者
30代・就労なし
20代・ソーシャルワーカー(就労支援員)
30代・メーカー系企業の会社員/NPO法人役員
30代・会社員
10代・就労なし
40代・SE(システムエンジニア)、PG(プログラマー)
20代・分身ロボットOriHimeを使った遠隔接客業、在宅での事務員
40代・ヘルパー派遣事業所職員
40代・生活保護を受給しながら、オンライン講演、オンラインライブ(コンサート)、オンラインサロン運営などで収入を得ています