水野と茶山
西尾雄太がアツい
水野と茶山読みました。上下巻
あらすじ
水」と「茶」くらいしか取り柄のない小さな町は、一大産業である茶園側と、 茶園による水質汚染を主張する“そうでない側”とに分かれて対立を増している。 父親が“そうでない側”の先頭に立つ水野と、茶園のひとり娘で同級生から酷い虐めに遭う茶山。 声をかけあうことすら許されないふたりは、人知れず逢瀬を重ねている……。 ...
まず西尾雄太さんの漫画初めて読みましたが、アツい。過去作遡って全部読みたいです。
フォントがストリートアートチックで新鮮な感じ。
王道身分違い系恋愛を描きながら自分の癖を従順に描き出しているのがすごい。癖はこのくらい出さないと。読者が引くくらい引くくらい、俺はこれが好きなんだ!!!!!!
ってした方がいい。絶対。
だって絶対放尿シーンいらない。(一応トイレだったけど)
無闇にくっつけようとせずに、二人に合ったエンドを用意したのが物語ではなくきちんと人間を描き出していて良かったです。
父親
この二人に共通して描かれるのは父親。
茶山の方は、茶山に明らかにアザがあるのに気づかない母親。いないのかと思ったけどちゃんといた。娘には興味がない様子。だから決定的な時までイジメにも気が付かない。茶山父は水野父と敵対している。茶山父の運営する「茶園から有毒物質がでとるぞー!! 」と怒っているのが水野父で、
「いや人体には害ないよ、何もわかっていないくせに口出すな」
って怒っているのが茶山父。仕事では怖い顔の茶山父だけど、娘には甘々。
でも娘を見ているわけではなく、あくまで茶山家の跡取り娘として大事にしているような感じ。
水野の方は不器用な愛情。エロおやじから触られた娘を見て見ぬふり。救ってやれよ。
その後に水野の予備校行きを認めたこと、お金も出したことは父親なりの謝罪と誠意だったんだろう。水野父は立場と権力にがんじがらめで娘のことさへ守れないことに悔恨を感じていたのかね。そんな描写なかったけどね。
母親は血相変えて味方してくれそうだし。水野は大丈夫なのよ。
茶山だよな〜問題は。茶山の父は仕事と家庭きちんと分けてるし茶山に甘い(たぶん)でも、
水野父の娘とは関わるな!
なんでメッセージのやり取りしてんだ!
学校に乗り込んでやる!
しかも水野娘を殴る!
っつう大凶暴ムーブ。。怖
打ち解け合えばこの父親2人は仲良くなれそうだと思う
立場と権力がそれを許してないだけでさ。娘同士も気あってるし
お互いにないものを持ってるのが茶山父と水野父
茶山父は娘のことは大事だけどだからこそよそにやりたくないから都会に出ることは断固反対するとこはするし
水野父は娘のこと大事だけどどう大事にしたらいいか分からないから行動でみせるしかない。娘のことを思って柔軟だろうね。
水野娘はこれを、「私に興味がない」って思っているけどちゃんと大切なんだと思うよー。大切に仕方がわからないんだな父は。
フィナーレは少年のアビスかタコピー路線に走ると思ったが、
いろんな身の丈を見られて良かった。無理やりハッピーエンドではなくちゃんと人生として描き切ったのが良かった。あと最後のコマ。
私たちが読者としてこの世界に干渉できるのは終わりだけど彼女たちの物語はこの先も続くんだと嬉しいコマで終わって幸せ。
そ田舎の解像度は昭和だったな〜。昼休みに元カレ(暴走族)が校庭バイクで走るなんて昭和。物騒すぎる、今ないだろ