
錆びついた心
真夏の夕方ごろ、蒸し暑い気温の中で誰も使っていない古びた木造の駅舎に座って一時間半電車を待ち続ける。
来るか来ないかだんだん不安になってきて、時刻表を何度も確認しながら数分置きに時計を見てしまう。
暑さにやられてお腹も空いて、人生を諦める勢いで電車を諦めて、待ち合いのベンチに汗をかいたまま寝っ転がって目を瞑って、どのくらい時間が経ったかもわからなくなった頃に遠くから近付いて来る音と光に歓喜し座席で安堵する。
人生において必要な場面でもなんでもないのにずっと記憶の片隅に残ってしまいそう、そんな体験をしたい。
ここからはあまり関係のない話だけど
なんか好きな物ってある
何がと突き詰めるとわからなかったりするけれど




僕が好きな「あの花」や「ぼくなつ2」の何気ない風景の一つ。僕がこの風景に現実で溶け込んだ時の事を想像すると何を感じるのだろうか。想像するだけで心が躍ってしまう。
寝そべる三毛猫、光の差し込む角度と影の範囲で表現された季節感。年季、質感、構造、インテリア、配置、照度。
僕が目を凝らして見れるようになるずっと前
保育園、小学生の頃からただの画面に写し出された映像を肌で感じていられたのは何故か
両作品とも"夏"が舞台
どちらも僕が"知らない夏"なはずなのにそんな気がしないのは何故か
きっと気が付かない一つ一つに拘りや"夏"が込められている。そう考えるとクリエイターやイラストレーター、原作者に話を聞いてみたくなってしまう。
歯止めみたいなのが並んでるってことはここは元々駐車場だったってことですか?
スピーカーの位置なんでここにしたんですか?
なんて本質とは無関係な質問に付き合ってくれると幸せだろうな。
きっとそこにあったはずの何かを大切にしたくて
そんな夢花火
それが僕の片隅にあるもの