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「肌で感じる幸福感」

毎朝、勤務先の学校まで急な坂道を自転車こいでお勤めしています。
冗談抜きで歩くと冬でも汗が滲むくらいの坂です。

北海道の時はどこに行くにもドアtoドアで車でブンブンだったので
横目で流し見していた外の風景。

神奈川に来てからは、とにかく自分の足で歩くことが多くなり
(最近はどこにいくにも自転車のお世話になっていますが)
生身の体で外の空気に触れていると
見える景色も心持もずいぶん違うことに気付かされます。

Abashiri in Winter

太陽の光の温もり
風のそよぎ
空気が含む湿度
雨の匂い
土の匂い
緑の匂い。

見える目があって
香りを嗅げる鼻があり
鳥のさえずりや風のそよぎを響かせる耳があり
めくりめく季節の移り変わりを
五感でそのまま肌に受ける心地よさにこの上ない幸せを感じます。
五感をフルに活用するだけで幸せが高まると
最近になって改めて気づきました。

通勤の短い時間は、緑の少ない都会の中で
自分の体が外の世界(宇宙や自然)と繋がる大変貴重な時間となっています。

月と梅(神奈川、2月)

特に植物の種類で季節の巡りを細かく感じられるのは
神奈川の贅沢な日常のひとつ。
北海道も植物の種類が細かに存在し
春は水芭蕉、ライラック、フキノトウにフクジュソウ
初夏には青く可愛らしいエゾエンゴサク、スズランにハマナスなど
移りゆくのですがめぐりが結構大胆な印象。
春や夏は短く秋は一瞬きて冬!くらいな感じ。笑
だから季節感を色で感じることが多かったものです。

エゾエンゴサクとエゾリスのコラボは最高に素敵

白と茶色のまじる地面から緑が芽吹く春

福寿草(フクジュソウ)が雪の中から顔を出すと春を感じます。

濃い緑の面積が多くなり高く青い空が抜けゆく夏

メルヘンの丘(女満別 in 夏)

赤や黄色に山が色づき夕焼けの紫が美しい秋

通勤道路がこんな感じ
牧草ロールも黄金に輝く美しいフィールド

白に埋め尽くされる神秘の冬

故郷、網走の雪原より

ざっくりした季節感で、めくりは大胆な北海道の四季。

神奈川は
梅がぽっこりする2月
桜が膨らんでくる3月
沈丁花が濃く香る4月
雨の匂いと湿度で空気の重みが増す5月
梔子が香る6,7月の初夏
夏はとにかく暑い...(8,9月は外に出たくない)
いつしかすうっとひんやりして来たかと思うと
夜の闇の中に甘く香る金木犀が満開となる10月
彼岸花が地面に鮮やかな赤色をつける11月
冬は雪がないので物足りないが、寒風の中、外を歩くのは確かに寒い。北海道の人が寒いところに住んでる割に寒がりなワケは、暖房が充実しているからだと思います。逆に沖縄も然り。

そうそう
金木犀の香りを初めて嗅いだ時感動しました。
とても濃くて甘い香りに誘われて「なんだろう、この香り?」
と魔法にかかったかのように匂いに吸い寄せられていくのですが、その根源が何かわからなかった。
そして、ふと上を見上げるとたくさんたくさん、
ぷっくりした橙の小さな花が揺れていたのでした。
顔を近づけて嗅いでみた時の、宝物を見つけたかのような喜びといったら。

みーつけた!という
金木犀との嬉しい出会いでした。
神奈川にきて、初めて見ましたから。
だから今でも、金木犀を見つけるとわざわざ近くまで行って、
濃厚な甘い香りの中に身を浸しては、笑顔になっちゃうのです。笑

先日突然、用事で神奈川にきてくれたお母さんに、歩きゆく道道に咲く香るお花を教えてもらい、香り水仙やスイートピーをクンクン嗅ぎながら、また新しい出会いをもらいました。
ちなみに、私の春先好きな花はライラックやスズランです。

香りと花の種類で季節のめぐりを、より繊細に丁寧に感じられるのは、北海道にはない面白さ。(それでもやっぱり北海道が好きだなぁ、と思います。寒いのが苦手でも、雪は好き。故郷の空気感に未だ惹かれます)

苦手な早起き習慣が、ここ最近やっと身について来たので(2024年の一つの目標、週末は例外。笑)
早めに出勤した朝は、職場に向かう道のあちこちで自転車をとめて、パチリパチリ。誰に見せるでもなく、撮り溜めてはニンマリしてます。

河津桜の蕾。もう、ひとつ、ふたつ、と開花しています。
咲く直前の、弾けそうな蕾の膨らみが好きです。

2月はあちこちの木の枝に、開花直前の蕾の膨らみを見つけます。よく見ると、うっすら桃色に色づいて、今にも弾けそうな粒の中に秘めたエネルギーを感じます。
今踏ん張っている受験生たちがこれから世に道拓き、彼らのもつ能力を花開いていくことを強く願います。顔晴れ、みんな!

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