【小説ワンシーン集】プリンセス・スクワッド②
騎士団との訓練の後は午後のティータイムがプリンセス・スクワッドの日課となっていた。
「婚約者が出来てしばらくするけど、どう?」
その日の話題は、サクラの言葉が始まりだった。
「私はアイツで良いと思ってるわ」
アカネは満更でもない様子だった。
「あんたと彼、この世界では幼馴染みだもんね」
「そういうユリアはどうなの? 友好国との王子が相手なんて露骨に政略結婚だけど」
「別に構わないわよ。私が向こうに嫁ぐわけじゃないし、顔の良い王子様が尽くしてくれるなんて最高じゃない。それよりもカレンの方は大丈夫なの?」
「え? 私?」
カレンはキョトンとした顔をする。
「そうよ。28歳なんてオジサンに片足を突っ込んでるじゃない」
「それが良いんじゃないの。成熟した魅力があの人にあるわ」
「そういえば、あの人、前世でカレンのお兄さんに似てるわよね。もしかして……」
ユリアが何かを言いかけるが、カレンに睨まれて黙る。
「サクラの方は……言うまでもないわね」
「え、なんで分かるの、アカネ」
「いや、はたから見れてもサクラはあの聖騎士にメロメロじゃない」
「当然でしょ。だってあの人、めちゃくちゃセクシーじゃない。どセクシー聖騎士よ。はぁ~次のデートの日が待ち遠しいわ」
少女漫画のように目をキラキラさせるサクラを見て、他のメンバーたちは苦笑いを浮かべた。
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