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感激の至りあん

ご当地の「なんだこりゃ?」な食べ物をB級グルメと呼んでいる。
今回は、新潟のご当地B級グルメ、『イタリアン』をご紹介しよう。

『イタリアン』というネーミングから、どんなグルメをイメージするだろう?
ピザやパスタ、ワインにぴったりのプロシュット。チーズにバジルにトマト。地中海の風か、シチリアの香りか…。
きっと『イタリアン』を食べるシチュエーションも、ビルの最上階にあるレストランで、蝶ネクタイを締めたウエイターさんが席まで案内してくれて、
「本日の『イタリアン』はどうされますか?」
と聞いてくるので、通ぶった表情で、
「表面を強火でよく焼いてくれ。あと、『イタリアン』によく合う赤のボトルをいただこうか。」
とか言って、目の前にいる黒髪ロングの美女も、
「ようじろうさんと『イタリアン』がいただけるなんて、幸せです。」
とか言って、ちょっとはにかむ。

よし!妄想はここまでだ!

初めて食べたのは、新潟に来たばかりの時のラジオ番組の中で。
スタッフがどんな食レポをするのか期待半分、興味半分。あとそこには多少の意地悪もあったかもしれない。
『イタリアン』と言うネーミングのイメージを超えた、新潟の絶品グルメが番組中に用意されたのである。

いわゆるファストフードである。セットを頼めばポテトもドリンクもついてくる。そして実際の『イタリアン』なるものは…

太麺の焼きそばに、ミートソースがかかっている。

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今週の写真:イタリアン

と言ってしまうには、表現の言葉が足りない。
これまで味わったことのない食感。ソース焼きそばにミートソースが絡みつく新たな風味。
つけあわせのショウガもまたアクセントになっている。
焼きそばにミートソースと言う、やや濃厚な味わいに、ショウガの酸味が口の中に爽快さをもたらす。見事なまでのマリアージュだ。

この食べ物のどこにイタリアが?イタリアの風など全く感じない。
すごく美味しいかと言われれば、飛び上がるほどの美味しさではない。
つまり、あまりにもB級すぎて、僕は言葉を失ったのだ。

気になった方は、こちらをご一読ください。

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進藤海/六月雨音/ようじろう/小宮千明/モグ。4人のライターがそれぞれの担当曜日に、ジャンル問わずそれぞれの“書きたいこと”を発信。

ボイスブックコンテンツ《Writone》より集まったライターによるリレーマガジン。

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