火曜のゴミの日に見捨てて
明日、命の恩人に逢いに行く。
私の命の恩人は、シンガーソングライターの日向文さんだ。逢いに行くといっても、ライブに行くだけだから直接お話することはできないし一方的な感謝をしたためた手紙を送ることしかできない。しかし、今の私は間違いなく彼女がいなければ生きていなかった。
昨年末に体調を崩し始めてから、1番辛かったとき。自分のことが許せなくて死にたかったとき。周囲の人の言葉が受け入れられなくて、全ての音が煩わしかったとき。日向文さんの歌なら聴くことができた。どんな応援ソングも優しい言葉も響かなかったけれど、日向文さんの言葉だけは私の中にじんわりと染み込んだ。眠れない日は1日中日向文さんの歌を聴いた。
無闇に励ますことも、応援することも、同情することもなかった。死にたがりの私をただ受け入れてくれた。言葉にできない思いを表現してくれた。生まれて初めて音楽を聴いて「これは私だ」と思った。
そんなクソ重メンヘラ感情を携えてライブに行く。
私の人生の新しいページを開きに行く。
縋る手を離すから自由になってよ
火曜のゴミの日に見捨てて
そのままの私を好きでいて、
とかそんな事は思わないから