20221107ふかいメルマガ76回 どうでもいいことほどどうでもよくない
おはようございます!
先週から理念ミーティングがはじまりました。
いろいろな部署の様々な年齢の人、
だいたい9人ひと組でミーティングをしています。
冒頭は自己紹介と「どうでもいいことを3つ」、
今回もやっています。
他人の「どうでもいいこと」って面白いですね。
けっこう「どうでもよくないこと」が混じっていたりして、
思わず質問したくなったり、
もっと詳しく聞きたくなったり、
ツッコミ入れたくなったりもして、
一人ひとりそれをやっていると、
なかなか進まないので我慢して聞いています(笑)
(でもやっぱり時々質問したり、ツッコんだりしてますが)
実は、関西人がよく使う言葉に、「どうでもええけえど」があります。
さんざん話しておいて、
「ま、どうでもええけど」って最後につけるわけですが、
同じように使うよく似た関西ワードで「知らんけど」があります。
NHKのサイトで、この「知らんけど」がまじめに考察されていました。
それによると、もともとは関西でよく使われていた「知らんけど」が、
SNS投稿において「知らんけど」の使用が、
この10年で6倍に増加したというのです。
最新版の「現代用語の基礎知識」(自由国民社)にも
「知らんけど」は掲載されているそうで、
そこには「文末に付けて、断定を避け、責任も回避する言い方」
とあるそうです。
関西人の「どうでもええけど」も、
それに近いなぁと思ったのですが、
放送大学大阪学習センター金水所長の考察では、
関西人のボケ突っ込みから来ている言葉だというのです。
しかも言葉の「ストリートファイト」のようなものだというのです。
例えば関西人の場合、最後に「知らんけど」をつけると、
「知らんのかい!」と突っ込む。
「どうでもええけど」とつけると
「どうでもええんかい!」と突っ込む。
今回のメルマガは、
なんだか「どうでもいいこと」をふくらまして、
煙に巻いたような展開になってきましたが、
どうでもいい話がおもしろい、というのは、
日本の随筆なんてその代表格だと思うのです。
吉田兼好の「徒然草」の、あの有名な書き出し
「つれづれなるままに、日暮らし、
硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、
そこはかとなく書きつくれば、
あやしうこそものぐるほしけれ」。
「することもなく一日中硯に向かって、
心に浮かんだどうでもいいことを書いていたら、
頭がおかしくなりそうだ」
と言いながら約700年前に書かれたものが、
現代の教科書にのる文学として残っています。
そう考えると、現在のエッセイなんて、
まさにどうでもいいことを掘り下げて書き綴ったものだと思います。
(エッセイストに叱られそうですが・・・)
そういう意味では、「どうでもいい」話ほど、
興味深くて、関心があって、実は深い、
ということなんでしょうね。
今週も、みなさんの「どうでもいいこと3つ」を楽しみにしています。
と言っても、本当に「どうでもいい話」だから興味深いのであって、
決してハードルを上げたわけではありませんよ。
その場で思いついた話、
「あ、本当にどうでもいい話なんですけど・・・」で
はじめてください。
今週もよろしくお願いします。
深井賢一