YAMAHAヌーボーラグ
YAMAHAが一時使っていたヌーボーラグ。
概念的にはシェルにフックを打っておきそこに金具を引っ掛けてテンションボルトを引っ張る構造ですが、これもYESSと同じく耐久強度を考慮していない設計のようです。
写真は2000年代前半の製品ですが、もともとシェル表面に垂直に立っていたフックがヘッドボルト張力によるモーメントで傾いてしまっています。ちょっと考えれば当然の結果なのですが、とてもハイピッチのチューニングに耐えられる構造ではありません。
![](https://assets.st-note.com/img/1701612555079-ZAv8u4prK6.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1701612513231-kXF42wRw7W.png?width=1200)
現在は少し仕様変更され「フックラグ」という呼称でひっかけラグが継続使用されています。フック側のシェルへの固定面積を増やしてモーメントを分散させることでシェルへのダメージを減らす設計になりましたが果たして余裕度やいかに?
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ちなみにこの問題はすべてのドラムで起こる普遍的な現象で、これを考慮してラグの形状とシェルへの固定方法を決める必要があります。
一番安全なのは打面側とボトム側に対して同じラグを使う方法で、ラグの接地面積が大きいほどヘッドボルトテンションを安全に分散できてシェル変形が減少します。
ラグやストレイナーの設計について「シェルへの接触面積を最小に・・・」みたいなことをよくカタログで見ますが、その結果シェルが局所的に変形してしまうのであれば本末転倒な状態なので、よーく考えて観察してみるといいと思います。