父親の脳梗塞から始まった菜園生活
介護の仕事をする前から、実は農業には関心があった。しかし、行動するエネルギーがなく保留となっていた。
父親の脳梗塞をきっかけに、親戚から借りていた2aほどの畑を父親から引き継ぐ形で借りることにした。
農的暮らしをしたいと思っていたので、なんの考えなしにすぐに借りることを交渉。
自宅の周囲や部落は全部慣行農法だったので、それは避けたいと思っていた。
モンシロチョウしかいないキャベツ畑。ネギに何度もかける農薬。農薬や肥料の臭いが窓を貫通して家の中に入ってくることがしばしば。
それは不快でしかない臭い。5才くらいの時を境に、部落にあった田んぼの用水から生き物がほとんど消えたこと。
その記憶は根強く残っている。それまで食べることができたフナ、ナマズが消えて、残ったのは汚染に比較的強いアメリカザリガニ、カエル、タニシくらい。
生き物が消えていくの本当に悲しいと小さいながらに感じていた。
そういうことがあったので、畑での栽培方法は、有機農法にしようと決めていた。
1年くらいは有機農法でしていたけど、たまたま見た冊子で川口由一さんの自然農が紹介されていてすぐに飛んでいってしまった。
それから自然農に切り替えることになる。
川口さんと言えば自然農というイメージだけど、個人的には漢方薬に関することに凄みを感じていた。
今までに聞いたことのない生命の世界の仕組みをベースにした医学。
世界でも一番古い医学書「傷寒論」
紀元前からすでに完成されていた医学が存在していた事実。
漢方薬は安全でもゆっくり効くわけでもなく、毒と薬は紙一重、急性病には即効など常識的な医学の知識が崩れていく。
それからは漢方薬、生命の世界を常に考えることになった。