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偶然選んだ道と、必然で進む道。その先に今がある。ゲスト:上地風吾さん(2022/11/4 OA)【Watta! Itta! #06】

新番組「Watta! Itta!」

第6回のゲストは、那覇市出身、
東京・世田谷で”Riot Beer”というクラフトビールを醸造している上地風吾さんでした。

上地さんとクワエの出会いは一年前。
「どうやら世田谷のブリュワリーに、リヴァプールの選手をモチーフにしたクラフトビールを出しているお店があるらしい」
その噂を聞きつけ、クワエが仲良くしている”リバプールFCラボ”というリヴァプールFC※のファンサイトの人たちと共にお店へ訪れたのが出会いでした。

※イングランド・プレミアリーグ所属のフットボールクラブ。昨シーズンまで南野拓実選手が所属

そのお店へ伺うにあたり、お店のツイートが毎回「ハイサイw」から始まっているので「もしやオーナーは沖縄の人なのでは?」と考えたクワエが、お店で実際にお会いした上地さんと意気投合。
その後もお店にたまに伺ったり、リヴァプールファンが行きつけである恵比須のフットボールパブ”EPILOGUE”で共にチームを応援したりと、そんな間柄の二人。今日はリヴァプールの話はほどほどに、トークがスタートしました。

放送はこちらから!

【radiko】 ※2022/11/11迄
→沖縄県内からはタイムフリー(無料)で、県外からはエリアフリー(有料会員)で聴けます。

【podcast】 ※2022/11/10~
→全国どこからでも聴けます。
(anchor、spotify、apple podcasts、Google podcasts、Amazon music)

放送内容のまとめ

ここからは放送内容のネタバレになりますので、是非番組を聴いてからお読みください。(一部、本放送ではカットされた部分も含みます)

流れに身を任せて渡米。クラフトビール文化に触れる

那覇市で生まれ、那覇高校を卒業したものの、単純に進学や就職をしたくない、と思った上地さん。父親がアメリカ留学を目指す子供たちの支援をしており、そこに便乗して渡米。そのままアメリカへと残り、語学学校で英語を学んだあとに現地の大学へと進み、6年ほどアメリカでの生活を送ります。

その時に住んでいたのが、アメリカの西海岸にあるワシントン州。
アメリカの西海岸と言えば、実は”クラフトビールの発祥の地”。つまりそこで出会ったのがクラフトビールだったんですが、それが上地さんの人生に影響してくるのは、もう少し先の話。

アメリカでは不良学生だったと自らのことを話す上地さんですが、元々英語が物凄く得意だったというわけではなく、ただ洋楽に被れていたため英語は好きだった、とのこと。高校三年生の頃には知り合いのつてで嘉手納基地のアメリカ人の家庭にお邪魔して、”英語をしゃべる”という名目の元、そのご家族と仲良く暮らしていたようです。
そういう意味では、米軍基地が身近にある沖縄だからこそ、軽い気持ちでこうした経験が出来、それがアメリカへの留学にもつながったのかもしれません。

日本に帰国して、偶然が重なり介護の世界へ

25歳になって日本語教師になろうと日本に帰国することにした上地さん。引っ越した先は、沖縄では無く東京でした。
というのも実は幼い頃に数年間、東京の世田谷区に住んでいたことがあり、その家には当時まだ親戚が住んでいたので、そこに転がり込んだという流れ。

そして日本語教師の資格を無事に取得するわけですが、なぜかその道ではなく介護業界へと進みます。
その理由はとてもシンプル。資格取得の間にやっていたアルバイト先が病院で、そこでお世話になった婦長さんから「これからは介護がいいよ。だからあなたも資格を取りなさい!」というアドバイスを貰ったこと。
当時は介護保険の制度が始まる時期で、世間的にも注目されていたということもあり、「じゃあ取ってみるか」と軽い気持ちでのチャレンジでした。

アルバイト先が病院だったことも偶然、良い婦長さんに巡り合えたのも偶然、その婦長さんが介護の世界を勧めたのも偶然。全て偶然ではありますが、結果的に介護業界に足を踏み入れた上地さんは、そこから20年近く続けることになるのです。

上地さんがずっと携わってきたのが、訪問介護(在宅介護)
その中で「自分の家で最後まで行き、そして自分の家で死ぬ」という経験を多くしていったことで、「これが人間らしいあり方じゃないか。理想の終末期介護じゃないか」と考えるようになりました。

そして自身でケアマネージャーの資格も取得し5年ほど働いた後、同じ思いを持った仲間と共に起業。「自分の家で息を引き取りたい」と考える人たちのサポートを10年以上、続けていくことになったのです。

あのビールの味が忘れられず、”Riot Beer”を立ち上げる

介護業界に長年携わっていた上地さんですが、ご自身で”集大成”のように捉えていた方がお亡くなりになったということもあり、一つの区切りをつけようと考えるようになりました。

そんな中でふと目にしたのが、「クラフトビールの講習会」
いつかはアメリカの西海岸で飲んだビールを日本で作ってみたいと漠然と考えていたこともあり、「これだ!」と思ってそこに参加した上地さんですが、ここで覚悟が決まります。
「もう絶対やろう」。自分はよくわからなかったものの、とにかくやりたいという気持ちが高まった結果、仲間を集めてビール作りが始まりました。

2018年。醸造免許を取得して遂に”Riot Beer”がスタート。世田谷区の祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩6~7分ほどの住宅街の中で、タップルーム併設の醸造所が開業。

以降は介護事業を畳み、クラフトビール事業に集中しながら、毎晩多くのビール好き達に美味しく豊富な種類のあるビールを振る舞っています。

それは、これまで「なんとなく」「偶然が重なって」自分の道を選んできた上地さんが、初めて自ら決心して選んだ道。
だからこそ、上地さんの作るビールを皆が味わい、上地さんの店で皆がワイワイと集うのでしょう。その中心には、いつも楽しそうに笑う上地さんの姿があるのです。

これらのビールたちは、通販サイトはもちろん、全国の酒店でも取り扱いがある他、全国10ヶ所以上のビアパブでも定期的に提供されています。
(下部の「こぼれ話」で紹介しています)
見かけたら是非味わってみて下さい!

ちなみにラジオ本編では上地さんが怒涛のようにビアスタイルを話し始めますが、それくらいRiot Beerでは醸造しているビールが多彩ということですね。

(なお上地さんのオススメは最も古くから醸造している”Salvation”というIPA。クワエも飲みましたが、トロピカル感ある苦みが魅力のビールです)

こぼれ話

上地さんの沖縄でのフェイバリットスポット。
まずは、もちろんRiot Beerを置いてくれているお店たちが挙げられます。

豊見城の豊崎にある”Funny's Craft Beer”は、上地さんの幼馴染みのお店で、Riot Beerを常時6種類ほど飲めるお店。
那覇の美栄橋にある”Beerbar Felt”は、Riot Beerを始め、6種類のタップと20種類以上の缶ボトルビールが常時楽しめるビアバー。
そして那覇高校の近くにある”Taste of Okinawa”は、沖縄のクラフトビールを中心に提供しているビアレストラン。

そしていま上地さんがはまっているお店というのが、那覇ののうれんプラザにある”ブレーメン”。メキシカンなお店で美味しいタコスやブリトーが食べられるのがお気に入りだとか。

そんな上地さんが将来やりたいこと。
それが「ビールを手段にした居場所作り」

イギリスのパブ文化しかり、ビールがあるところに人は集まります。なのでまず人が集まれる場所を作る。

そしてその場所で”共助”をしていく、各々が得意な分野を持ち寄って助け合う。自分たちの限られたリソースや環境の中で「お互い様」として、得意なところを不得意なところを交換し合う。助け合える範囲で助け合って生きて行こう。それが長年介護の世界で生きてきて、そして介護保険や医療保険が崩壊していく未来が見えている中で、上地さんが行き着いた答えでした。

沖縄には「ゆいまーる」という素晴らしい言葉がありますが、それが実現できる場所をビールによって作りたい。ビールがあって、それを目当てに人が集まって居場所が出来る。そしてその中で互助が生まれる。
「沖縄でも何かそういうことができたらいいな」と話す上地さんでした。


最後に、上地さんから若いリスナーたちにメッセージ。

「好きなこと、好きなもの、好きな人と繋がって、嫌いなことは一切やらず、好きなことだけをやり遂げて欲しい」

好きなことをやるということは楽なことは一つもない。すごい大変なこと。でもそれができる時代になってきたんじゃないかと。
既存の価値観やあり方などはぶっ飛ばして、自分の好きなことをやり続けて欲しいし、好きなことがいまないならそれを見つけるために旅に出て欲しい。

そう語る上地さんに、パンク魂を感じた6回目の放送でした。

”Riot Beer”の名前の由来は偉大なるパンクロックバンド”The Clash”の名曲、”White Riot”から来ているのです。

次回のゲストの紹介

さて第7回となる次回のゲストは、人気サイト”デイリーポータルZ”を始め、ネットを中心にライターとして活躍されているよざひかるさんです。

【Twitter】 【note】 【デイリーポータルZ】

よざさんは那覇市のご出身。

大学を進学を機に沖縄を離れ、東京でIT系のメディアに事務職として就職。こうして働いている中で毎日お昼休みに更新していたブログが人気となり、元々目指していたライターへの道を進み始めます。

副業として、現在も続いている「デイリーポータルZ」での執筆をしつつ、その後はニュースサイトの立ち上げやクリエイティブ会社でのプランナーなどを経験され、現在も人気のネットライターとして活躍されています。

そんなよざさんに、ライターとしての喜びや苦労について伺いますので、どうぞお楽しみに。

2022/11/11、22時~ オンエアーです!


「Watta! Itta!」(ラジオ沖縄)
毎週金曜日 22:00~22:30
ハッシュタグ:#ワッタイッタ
メール:watta@rokinawa.co.jp
→皆様からの感想やゲスト候補の自薦・他薦もお待ちしています!


【Watta! Itta! Credit】
・Sponsor
一般社団法人あゆむ
株式会社バリューブリッジ
株式会社しんか

・BGM
(Opening)「Emotronik」佐土原隼人
(Ending)「かえりじたく」ninny
(Jingle)なるけしんご、近藤崇、ハヤシユウ

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