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ギバーの精神で成功する起業家の為の一冊「星の商人」書評

こんにちは!今回は書籍まとめ回です。

皆さんは「事業を始めたい。または今の事業で成功したいけれどどうすれば良いのだろう?」「事業で軸になるマインドセットがあるのではないか?」と考えた事はありませんでしょうか。

本書は、商人に憧れる主人公が、スタートアップから大商人として成功するまでのノウハウを追体験する成功小説です。また、現代社会で評価されている「ギバー」という価値観について、具体的な方法や注意点がまとまっていますので、、社会人としてつまづいた時に読み返したい良書と感じます。

ノウハウやポイントをまとめましたので是非ご一読いただければと思います。

犬飼ターボ著
「成功の秘法」を手に入れるためのレッスン
星の商人

1.壺売りの商人アルを助ける主人公レキの物語

物語は、承認を目指す主人公レキが、西の賢者から大商人になる為のノウハウの詰まった巻物を得る所からスタートします。レキは最初、大商人になりたいという夢を持ちつつも、具体的な物の仕入れ方も売り方も知らないただの旅人でした。

そこでレキは賢者から貰った巻物の教えに従い、見返りを貰わず見ず知らずの人を手伝う事で、壺の輸出入で生計を稼ぐ商人アルと出会う事となりました。

物語ではレキが商人アルを手伝い、アルの夢を叶える事で、やがて大商人へと変化していきます。

結論から言うと、大商人になるための成功法とは、他人の成功を自分の成功と同じように考え、そのために貢献することでした。

2.大商人になる為のメソッドリスト


ここで、振り返りとして、西の賢者が提示した巻物を記載します。
賢者のノウハウはシンプルですが、それぞれを達成する事ではじめて文章が現れる構造となっており、それぞれに課題と達成の物語があり、読者はレキの体験を追体験する形となっています。

1.他の者の成功を手助けした時、己も成功する

最初に巻物を得た主人公レキは2人の男の仕事を手伝いました。
一人目の男はレキの仕事に不信感を露わにし、感謝の言葉もありませんでした。
二人目の男は感謝の言葉と、賃金をくれました。
二人目の男…つまり、壺売りの商人アルの事ですが、アルは成功者ではありませんでしたが、レキがアルの成功を応援したことで大成し、同時にレキも相手の成功を考える事で自らステップアップするのでした。
自分に何もない時、誰かの夢を応援する事が、最初の成功法則です。

2.成功者にふさわしき者を選べ

レキは自分が応援するにふさわしい相手を判断しました。
もし最初、レキが何も考えず、ギブの成功法則だけ守って一人目の男の手伝いだけをやっていたらどうなっていたでしょうか?レキはただの労働者から進めなかったと思います。
自分も考え、ギブを与える相手を選ぶことで、自らを守る事も大事だという教えです。

3.その者の成功を知れ

レキはアルに、アルの夢はなんであるか問いました。
アルの夢は、「地元の美しい壺を海の向こうの街に広めたい、そして、地元の壺職人を有名にしたい」というもので、レキはアルの夢を叶える為に一生懸命に努力しました。

応援すべき相手が何を求めているかを聞き叶える事が、自分に成功をもたらすというスピリチュアルな内容ですが、お互いの強みを活かせるので、実利は大きいと感じました。

4.仕組みで分かち合う

レキは壺の輸出入を成功させる為に、街の商人に使ってもらえる為の船を作り、船の原資は自ら出すのではなく人に募りました。これは商人ではなく、株式や信金が行う事ですが、レキは仕組みを作り実行しました。
これも、自分の夢ではなく、人の夢を叶える為だからこそ生まれる発想やエネルギーなのではないかと思います。

5.この世の富は、限られたものではなく、無限である

最後に、富とは、奪い合うものではなく分かち合うものであるとされています。それは、富というものが限定されたものではないという思想から成り立っています。
業務や事業をしていて、何かに搾取されている、と感じた時、この考え方に立ち戻ると、どこに問題があり、なぜ自分はそういった考えに囚われてしまったのか客観的に考えられるのではないでしょうか。

3.競争社会から共存社会への変化のメッセージ

物語では、大商人とは、ただ沢山の部下をかかえ広く商売をすることではなく、多くのものを成功させ、豊かさを分けあう者とされています。

物語では西の賢者自ら「人と顧客を奪い合いながら競争することでの繁栄も成功法の一つである」と定義しながらも「人の成功を手助けするギバー精神」を軸とした成功のストーリーを描いています。

これは今日の、商売に対する評価の変化の影響ではないかと考えています。

1900年代、流通の中心は「安く仕入れ高く売る事」でした。それは生産においても同様で、労働賃金の安い国で原料を仕入れ、物価の高い国で販売し差益を得る流通商法が主流でした。当時そこで評価されていたものは、有限のモノを顧客にいかに効率的、生産的に提供するかという競争社会でした。

2000年代に入り、「モノからコトヘ(※)」という主流のメッセージに表れる様に世界は目に見えない情報を評価し、他者の人生への影響度合いや情報が経済の中心となっていきました。その世界の中では、情報は自分だけで所有していても何の価値も生まず、社会は誰かに情報提供する事で真価を得る共存社会へ変化していきました。

この本は、社会が評価する軸の変化について「現代の生存戦略」の一つを提供している様に思えます。


モノからコトヘとは、2000年代以降に顕著になった消費行動の変化を意味し、これまでモノ(商品やサービス)を所有することに価値を置いていた消費から、商品やサービスを購入することで得られるコト(体験や経験)に価値を持つようになった変化を意味します。

モノからコトへって何?いまさら聞けない消費行動の変化について解説

如何でしたでしょうか?

物語では、ギバー精神を評価しながらも、ただ搾取されないようギバーする相手を選ぶ事も大事だとされています。

現代は理想を持った優しい人が成功できる時代であると感じています。
そういった方へのメッセージになれれば幸いです。

最後に、あなたのコメントやフォローをお待ちしております!
どうぞ、よろしくお願いいたします。

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