じいちゃんの左手 その43
学校から帰ってくると
縁側には いつも 群青色の市場帽子を斜にかぶった じいちゃんがいた
右手にワンカップ 左手には “わかば”
田んぼの案山子のように 僕の問いに 何でも答えてくれた じいちゃん
今思えば ほとんど 的外れだったけど 心は いつもポッカポカ
そんなじいちゃんと あの縁側が 今もあったら・・・
きっとこんな 会話になっただろう・・・
『 お祝い ー お誕生日』
「じいちゃんの誕生日は 12月23日 だよね」
「そうとも! 皇太子と おんなじだ!」
皇太子・・・?
「おっと・・・
もう皇太子じゃないな 天皇陛下になられて 今や上皇様じゃった!
皇太子だけに 交代(こうたい)しちゃったな・・・ ガハハ」
じいちゃん
皇族の方で ダジャレ言っちゃいけないと思います <m(_ _)m>
「そうじゃった!
むか~し じいさまから聞いたんじゃが
わしゃ 家畜小屋で 生まれたらしい」
「えぇ そうなの! それって イエス様と 同じだね!」
「そうなのか!
じいさんは 聖徳太子の生まれ変わりだと言ってたがのぉ」
再び がははと笑う じいちゃん
「それに アドちゃんも 同じ12月23日だぞ!」
「そうなの! じいちゃん Adoも 知っているんだ!」
最新情報も チェックしているじいちゃん!
ホントに じいちゃんは最強!
(※ Adoではなくて 水森亜土さんですけど・・・神の声)
そうだ!
大切なことを思い出した僕
「じいちゃん! お誕生日おめでとう! そして メリークリスマス!」
小遣い貯めて買った ワンカップとわかばを差し出した
「お主! わかるやつじゃな!」
満面笑顔のじいちゃん
あれっ! そういえば・・・ じいちゃん その手・・・
「おぉ・・・ ばあさんに もらった」
赤と緑のシマシマ手袋・・・
ばあちゃんが毎晩 編んでたのを 僕は思い出した
「まぁ こんなもんより コイツの方がよっぽど 温まるぞ!」
早速ワンカップをあけると グビグビ・・・
じいちゃん・・・
照れ隠しだと思うけど それ 言葉にしちゃ ダメです
後ろで
ばあちゃんが スリッパ振りかぶってるよ!
「でもなぁ
ばあさんのおかげで こうして 元気に呑めるんだよなぁ」
・・・
ばあちゃん ゆっくり 皇太子×× 後退(こうたい)した
じいちゃん・・・
気付いていたの? それって 聖徳太子? イエス様?
「ばぁさん! 飯は まだかぃ!」
もう いつものじいちゃんに戻ってた
あれっ・・・ 飯は・・・ メシア(救世主)・・・
そんなことを思う
ポッカポカで とっても気持ちいい クリスマス!
「そうだ! お主 聖徳太子って 知ってるか!」
突然 大声で叫ぶ じいちゃん!
それって 僕のフレーズです!
話はまだまだ続きそう・・・
でもこのお話は また 次の機会に・・・
みなさん 良いお年を!
♪水森亜土 / ワイワイワールド / Dr.スランプ アラレちゃん♪
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