じいちゃんの左手 その50
学校から帰ってくると
縁側には いつも 群青色の市場帽子を斜にかぶった じいちゃんがいた
右手にワンカップ 左手には “わかば”
田んぼの案山子のように 僕の問いに 何でも答えてくれた じいちゃん
今思えば ほとんど 的外れだったけど 心は いつもポッカポカ
そんなじいちゃんと あの縁側が 今もあったら・・・
きっとこんな 会話になっただろう・・・
『 イースター 』
「じいちゃん! 今日は何の日か知ってる?」
待ってましたとばかりに
ワンカップをゴクリと飲み干す じいちゃん!
「知っとるよ~
3月31日・・・だから ささいの日ってことで どうじゃ!
小っちゃなことにも 大きな意味があることを思い出す日じゃ!」
※ 勝手に記念日作っちゃいけません(神の声)
「そうなのぉ?
それは知らなかったけど・・・ 今日は イースターだよ!」
と 僕・・・
「イースター?」
「そうそう! イースター!」
「おっ おぉ~ そうじゃな ”いーすたー”じゃ!」
じいちゃん!イースターってなんだか知ってるの?
という 疑惑の視線を投げる僕に
腕組みの じいちゃん・・・ と 突然 手をPonと叩いた!
「そうだ! あの巨像の島じゃ!
イースター島が発見された日じゃよ!
そうじゃ! うん! 水曜スペシャルで言ってた・・・気がする!」
「へぇー そうなんだね!
友達が ハッピーイースターって言うから 何かなと思ったんだ!」
「あのモアイ像を見つけた日だから とってもハッピーだよな!」
二本目のワンカップを ゴクリといった瞬間
あっ!!
なにやら閃いた じいちゃん
「イースター島は ものすごく小さな島じゃ!
でも 地球にとっては 大きな財産じゃ!
これも 『ささいな日』に 関係しとるのぉ」
「確かに! さすが じいちゃん!」
全て つながった! 証明完了!と 大満足のじいちゃん
「あしたから新年度だな!
色んなことが うまくいきそうな気がしてきたぞ!
まさに いい スタート(イースター島)じゃ!」
満足そうに
Pufaaaaaaaaaaaaaと 煙を吐く じいちゃんの横顔が
モアイ像に見えた
※ イースターの日に 発見されたから『イースター島』に
なったんですけど・・・(神の声)
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