見出し画像

じいちゃんの左手 その17

学校から帰ってくると 
縁側には いつも 群青色の市場帽子を斜にかぶった じいちゃんがいた 
右手にワンカップ 左手には “わかば” 
田んぼの案山子のように 僕の問いに 何でも答えてくれた じいちゃん
今思えば ほとんど 的外れだったけど 心は いつもポッカポカ
そんなじいちゃんと あの縁側が 今もあったら・・・ 
きっとこんな 会話になっただろう・・・

『鎌倉殿の13人』

「じいちゃん・・・
 大河ドラマ 鎌倉殿の13人 先週で終わっちゃんだよね・・・」

ぽかぽかの太陽にあたりながら 
Pufaaaaaaaaaaaaa と 
煙を吐く じいちゃん  ごほっ・・・ と咳き込む僕!

「まぁ 確かに面白かったのぉ」

「僕はね 蹴鞠の名手 時房が 大好きだったな
 それに 八艘飛びの源義経に 知勇兼備な畠山重忠 忠臣 和田義盛 
 あと 上総広常も サイコーだったよ!」

歴史の授業で 習ったばかりだったから 
覚えたての 武将の名前を まくしたてる僕
ところが じいちゃん
ワンカップを ゴクリと飲み干すと 一言

「お主・・・ わかっとらんのう・・・ いいか・・・
 こ れ は テ レ ビ な の !
 そもそも 嘘ばっかりなの! だから そう 熱くなるな!」

だって・・・
ワンカップ飲むの忘れるぐらい 
画面に 前のめりだったのは じいちゃん ですけど・・・
大人の僕は 細かいところを突っ込みません
素直に 質問を返します!

「えっ! どこが嘘なの?」

「お主・・・ ホントに わからんのか!!
 いいか よく聞け! 一度しか言わんぞ!」

もったいぶらないで はやく教えてよ じいちゃん・・・

「ばあさん!! 鎌倉の地図もってきて~!」


もう じいちゃん! 
本屋じゃないんだから そんなの あるわけないでしょ・・・ と思ったら 
ものの一分も しないうちに ばあちゃん 持ってきちゃったよ・・・
降参です ばあちゃん!

「ほれ! ヒロ坊 よく見ろ! いいか・・・」
じいちゃん 指さし始めた

「滑川  神戸川  柏尾川・・・ ほら!
 全部2級河川だろ! どこが 大河じゃ!」

・・・ ・・・ ・・・ そこですか・・・

「それに 女の子は みんな キ ノ コ が 大 好 き じ ゃ!

えっ そうなの!? 
また一つ 勉強になった 僕でした



今年は 多くの方々に 遊びに来て頂き 本当にありがとうございました
来年も じいちゃん 共々 よろしくお願いします

そうそう・・・ 
来年からは 僕も 農作業の手伝いを することになりました

じいちゃんの お話は 毎週末・・・ 
映画と車が紡ぐ世界と 交互に アップさせていただきます <(_ _)>

いいなと思ったら応援しよう!

hiropapaman
心(ハート)が 3℃ 上がってくれたら うれしいです! そんなとき 気が向きましたら お願いいたします 励みになります!