映画と車が紡ぐ世界chapter116
機動戦士ガンダムめぐりあい宇宙
トヨタ オーリス 180G シャア専用 NZE18型 2013年式
Mobile Suit GUNDAM 3 Encounters in Space Toyota Char'sAuris 180G 2013
Lalaは 赤い彗星と付き合うものだろう?
しかし 現実は そう甘くない
運動会になると きまって紅組になる僕と 白組のKenjiを
赤い彗星と ニュータイプと呼んだ カノジョ
そんな僕らの高校生活 最後の運動会
紅組の応援団長として シャアになり切った僕は
リレーでもKenjiを振り切った 間違いなく MVPは僕だった
前の晩 僕とKenjiは 約束した
運動会で目立ったほうが カノジョに告白すると・・・
見事に権利を手に入れた僕だったが
待ち合わせ場所の駐輪場に 遅れて到着した僕は
カノジョとKenjiがキスをしているところを目撃してしまった
「どうして・・・」
思わず カノジョを抱きしめようとする僕に
Bachiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
カノジョの平手が 僕の右頬にヒットした
頬を叩かれるのは アムロのはずなのに・・・
その日から 二人と距離をおくようになった僕は
卒業と同時に 街を出た・・・
風のうわさで
彼らが同棲していることを知った
現実世界でも
赤い彗星は 白い奴に勝つことは許されないらしい
そして10年
母校が廃校になると聞いた僕は
1月3日・・・ 年始休みを使って 久しぶりに帰郷した
ニュータイプは 無理をする生き物だから 長生きはできない
Kenjiは 3年前に死んでいた
母校で カノジョと待ち合わせをした
10年ぶりのカノジョは
相変わらず 栗色のロングヘアーのままだった
「思い出がまた一つ 消えてしまうのね」
カノジョが ポツリと言った
僕にとっては
つらい思い出の場所 消えてしまっても一向に構わない
ただ あんなに明るかったカノジョが
空を見上げることなく 地上ばかり見ている姿が痛々しかった
Kenjiと校舎は 消えてしまうことで カノジョを地の国に呪縛してしまった
僕は 無力な傍観者・・・
そのとき 校庭の隅にある駐輪場を眺めながら
カノジョが言った
「あの日・・・ 彼から 白血病だって告白されたの・・・
私・・・ 彼の傍に いてあげることしかできなかった・・・」
!!
何も知らなかった僕は
やはりニュータイプの素質は無かったのだろう・・・
『認めたくないものだな。自分自身の、若さゆえの過ちというものを』
僕の中のシャアが言った・・・
これから 一人じゃ大変だろう 僕の所へ来ないか?
心が叫ぶ しかし 口から出た言葉は 全く反対だった
「アイツも 学校も 目を閉じれば いつでも逢えるさ」
自分のハートを握り潰して言った
こらえていた涙を 隠せなくなった
カノジョの瞳からKirariと 粒が落ちた
校舎裏の駐車場に停まる愛車は 真っ赤なオーリス 赤い彗星仕様
子供たちばかりか 大人までもが振り返る
この車は この街には刺激的過ぎたようだ
Fufuffufufu・・・・・・・・
オーリスが カノジョに笑顔を取り戻した
「Hiro・・・
あなたは 羨ましいくらい変わらないのね
私も あの頃に 戻してくれる?」
もちろんさ!
「さぁ Lala!
アイツには いつでも逢いに行くことができる
だから 今は君を待つ人のところへ帰ろう!」
シャアであるはずの僕がアムロのセリフで
カノジョの手を引き 助手席にエスコートしたとき
廃校になった母校と
真紅のオーリスを
空から 落ちてきた星屑の様な雪が 優しくホワイトで覆い始めていた
U.C.0079
ジオン公国が地球連邦に宣戦布告し
一年戦争が勃発するのは1月3日
でも それは まだまだ 遠い先の話・・・
♪New Order - Bizarre Love Triangle♪
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