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Superchunk / Indoor Living
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1997年リリースの6thアルバム。集大成とも言えた前作『Here's Where the Strings Come In』から大きく方向性を変えた1枚。パンキッシュな曲が減り、よりメロディを前面に押し出しているのと、そのメロディがどこか哀愁を帯びていると言うか、明らかに今までと違う。大人になったと言うのが正しいのかは分からないけど、スローな楽曲が増え、落ち着いた印象がある。『Marquee』は穏やかに進むけど、終盤ではシンセのような音も絡み、これまでになかったような曲。勿論『Nu Bruises』のようなSuperchunkの楽曲でも1、2を争うような激しい曲もあるんだけど。個人的にはシングルにもなった4曲目『Watery Hands』が好き。ミドルテンポで進み、穏やかさとポップさと少し激しいギターとさりげなく差し込まれるシンセの音。名曲と言うより佳曲という感じがするし、主張の強い曲ではないと思うけど、そういうところも好き。『Nu Bruises』の後にまたスローテンポな『Every Single Instinct』を持ってきたり、その後はミドルテンポの曲やパンキッシュな曲を並べてくる辺り、バラエティに富んでいる。次作以降の方向性を打ち出した、ターニングポイントと言えるアルバム。