事故報告書01
InDesignの親ページからの修正には注意を
なんともマヌケな事故を起こしました。とても恥ずかしいのですが、公開してみます。
作業内容
B3四つ折り(仕上がりサイズB5)という仕様の印刷物ですが、作業としては「B3の表裏にB5のPDFを4ページずつ配置する」という簡単なものでした。
以下の図のような指示でした。(P2, P3が天地逆になっているのが気になる方は実際に紙を折ってみてください)
わたしの作業手順は以下の通りです。
①InDesignで親ページにB3を4分割したグラフィックフレームを作成。
②親ページにPDFを貼っていきます(←ここがすべての間違い)
1ページ目(外面)は親ページにそのまま。
2ページ目(中面)は各フレームをオーバーライドして画像配置オプションで配置するページを変更していきます。
ここではshock tm様の以下のスクリプトを使用しています。
こうやって指示通りに配置して校正を提出していました。
事故内容
ところが校正戻りで「外面」のP2, P3の位置(内容)が逆との指摘があり、修正作業に入りました。
「外面=親ページそのまま」という認識だったからか(今思えば本当に恥ずかしいのだけれど)あろうことか親ページからフレームを移動して位置を入れ替えてしまいました。
当然のことだけど、親ページのオブジェクトを移動させるのだから、親ページが当たっている2ページ目のフレームも移動してしまいます。
結果としてP2, P3の裏にあたるP6, P7の位置も入れ替わってしまいました。
今思えばページの入れ替えも先のスクリプトで行えばよかったのかもしれませんが、そもそも問題はそこではなく、親ページでの作業はグラフィックフレームの作成まででやめておくべきでした。
責了でしたのでお客様は確認されず、営業のチェックでも抜けてしまい、刷版でも気づかず、印刷の途中で印刷オペレータが気づきました。
親ページのオブジェクトは、オーバーライドを前提としていない
こちらはAdobe Communityで見つけたものです。質問へ、akatsuki_obana様が以下のように回答されています。
「親ページに配置したオブジェクト類は、各ページでの編集を前提としていない」
この意識があれば今回の事故は起こらなかったと思います。うっかりしていたと言えばそれまでなのですが、この意識がなかったのは確かです。
今後の予防策
前提として親ページのオブジェクトをいじらないことだと思います。今回の件で言えば、親ページでの作業はフレームを作るところまで。PDFの貼り込みは各ページで行うべきでした。幸い、前回も紹介させていただいたあぢさん(AJABON GRINSMITHさん)の「id_PDF全ページ任意配置」という、とても便利なスクリプトを入手できましたので、今後はこれを使って作業していきます。
親ページアイテムのオーバーライドまたは分離
わたしもそうなのですが、親ページアイテムのオーバーライドについて、確実に理解している自信がないという方はこちらの「親ページアイテムのオーバーライドまたは分離」という見出しの部分を一度確認の意味で読んでみることをお勧めします。
https://helpx.adobe.com/jp/indesign/using/parent-pages.html
いちおうこちらにそのまま引用させていただきます。
致命的なオペレーションミスといわれればそれまでなのですが、何かのお役に立てればと思い公開してみました。
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