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大人の読書感想文:カルチャーを経営のど真ん中に据える

なかなか痺れる内容の本でした。
タイトルからも感じ取れるように、「カルチャー」の全面推しですが、これって、全日本企業共通(いや、日本だけでなく、世界中の全ての企業に共通するのかも)の各種問題の根幹かもしれません。

いつものように本の概要には触れずに、自分が本を読み、何を思い、何を考えたのか?を書いていきます。

概要は他のサイトで、、、



色々な本を読みつつ、私が思っていることとしては、文字通り「企業の資本は人」ということです。コスト構造を考えるとわかりますが、思った以上に「人のコスト」って高いんですよね~。

だったら、その高いコストである人を使ってまでも、成し遂げたい企業の成果って、なんだろう?と考えると、本当に余計なコストなんてビタ一文払えないと思います。

逆に人の生産性が向上するのであれば、大抵の出費は対応できちゃいます。例えば、従業員の利用するPCのスペックを上げて、生産性が0.1%でも上がったら、元なんてすぐに取れちゃいます。

時給換算4,000円の人が0.1%効率が上がると40円
40円×8時間×200日=64,000円/年の効果アップ
3年ごと更新と仮定し、192,000円の効果

こう考えると、もし、1%の効率アップが見込めるのであれば、約200万円の出費なんて痛くも痒くもない、ということになります。



おっと、話が脱線しすぎました。
このように、もし、作業の効率性だけを企業が進めるのであれば、それに応じたコストをかければよい。という単純な計算になります。

ただ、この効率化、他社だって容易にマネできますし、そもそも経営者として金をかけないような施策を行っているような企業は、事業継続ができずに倒産するだけでしょう。

なので、もう一歩進んで、企業運営を考える場合には、他社に真似されない「模倣困難性」が重要になってきます。

その最も困難な模倣困難性が「企業のカルチャー」だと思うんです。

だって、「〇〇さんのような性格」は誰にでもマネできるものではないし、そもそも「〇〇さん」だからこその個性ともいえるので、マネしたいとも思わないでしょう。

具体的に言うと、堀江貴文のような性格は、マネしたくてもマネできないし、マネをしたいとも思わないでしょう。(彼を崇拝している人がいたらゴメンナサイ)
※一応、私としては彼の頭の良さと、先見の明には素直に感嘆しています。友達にはなれないかもしれないけど、、、

そう考えると、企業の性格≒カルチャーも、なかなか変えられないし、その企業独自のモノがあるんだと思ってます。



そして、この企業カルチャー、この書籍の中でも「組織風土の劣化」という言葉を使っているように、別に今の組織風土を大きく変化させることが主眼ではなく、創業時、そこにあった風土が失われつつある事が問題なのではないか?というサジェスチョンを投げかけてます。

実際、私も社内の意識改革的な活動をしていますが、その中で感じるのは、「企業カルチャーは変革するものではなく、元々の姿に戻すこと」だと思い始めています。

人の性格もそうですが、企業の性格≒カルチャーも、長所は短所であり、短所は長所だったりするんですよね。

つまり「安心・安全をモットーに」という企業であれば、「新しいことに常にチャレンジ」とは真逆の精神になりますし、「常に顧客要望に応える」を行っていた企業が「大量生産・同品質」をするような仕事に向いているわけがありません。

そもそも人と人が異なるように、企業も色んな色があってもよいと思うのですが、いかんせん、日本の企業は「自前主義」が過ぎるので、なんでもかんでも自社内で抱え込もう、という空気感を感じてしまいます。

なので、この「カルチャー」も、全ての企業が「VUCAの時代にふさわしく柔軟に動かねば!」なんて意気込む必要はなく、自分たちが追い求めてきたスタイルを実直に進めることの方が重要なんだと感じてます。

そう、スネ夫はスネ夫らしく、ジャイアンはジャイアンらしく、そしてのび太はのび太らしい方が、自然ですからね。



そういう意味合いでは、私は最近話題のD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)にも、私は疑問を持っています。

とくに後半のインクルージョンの方ですね。このインクルージョンという言葉の響きが、そもそも大企業的発想、自前主義的発想なのではないか?と思うんです。

さっき書いたように、企業ごとにスネ夫だったり、ジャイアンだったり、のび太みたいに毛色が違うはずです。それなのに、無理やりその枠の中、同じ企業体に押し込めるのは違うんじゃないかな?と思うのです。

つまり、ダイバーシティは重要。ただし、それは自社内だけで対応しようとするのではなく、他社も含めてダイバーシティ。みんな違って、みんなイイではないかと。。。

特に「カルチャー」という側面で見ると、自社のカルチャーを突き詰めれば、突き詰めるほど、自社と他社の違いが見えてきます。自分をよく知るほど、他人との違いが浮き出る感じですね。

それをもっと進めると、「他人・他社への寛容性」がますような気がするんです。自社が特殊だと認識すれば、他社と自社とは違う、ということに気がつく。同じように人も「自分が普通」ではなく「自分が特殊」だと思うと、他人に対しても寛容になれるような気がするんですよね~。

今の日本企業を見ていると、どこもかしこも「SDGs」とか「DX」と「D&I」と言っていますが、この横並び精神にも疑問が湧いちゃってます。そう、まるで、中学校の校則か!っていうくらい。。。

皆さん、いい大人なんだし、その大人の集合体が組織であり、企業なのだから、自分の頭で考えて、自社の風土を見つめなおすのが良いのではないでしょうか?



今回も内容には一切触れずに書いちゃいましたが、組織に不満をもつサラリーマン、組織運営につかれた中間管理職の皆様に是非とも読んでほしい一冊です。(経営者はうなづくだけで、次の一歩にはたどり着かなそうなのでパス、、、www)

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