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JTC組織を変える処方箋:自分自身のやってきたことの振り返り

自分でいうのもなんですが、これは自慢語りです。(笑)
そして、タイトルを覆してしまいますが、どの組織でも効くような万能な処方箋はありません!(言い切れる)

そんな、結構長めの自分語りなnoteですが、も
しよかったら見ていってください。(ちなみに15,000文字近くあります。)


私はいわゆる古い日本型製造業≒JTC(Japanese Traditional Company)に在籍していますいました(過去形)が、この古い企業体質を変革した事ができた、と自負しています。

本日は、その自分自身の振り返りと、どうやって、その思想に至ったか?をお話しできれば、と思います。

ただし、素人が限られたリソースの中でもがき苦しんで中でのストーリーですし、経営者の方針とのマッチなどの好条件が複雑に絡み合った中でのストーリーですので、どの企業にも当てはまるわけではない。という事だけは事前にお伝えしようと思います。

あ、ところで、JTCという言葉はあまり良い意味で使われないので、ご注意ください。



01_コロナの前の序章

まずは自分自身の話をすると、私はサラリーマンを20年以上続けてきて、途中、転職を2回経験したものの、その職種はずっと水処理エンジニアでした。

直前まで務めていた会社(以下、紛らわしいので自社としますね)も水処理の会社ですので、いわば事業部門で本流のお仕事をしていた感じですね。

そんな私が紆余曲折あって、社内で新設されたばかりの業務改革を推進する部署に配属されたのが2019年の9月。

正直、「業務改革」って、何すりゃいいのさ?それと、いきなり「改革」って今のゼロベースも分からないのに、どうすりゃいいのさ?いやいや、それ以上に、独り部署って何なのさ!という所からスタートしました。

まあ、とは言っても決まってしまった人事異動、しかも、しがないサラリーマンです。とりま、言われたことは素直に受け止めて、何をすべきか考えました。とはいえ、一人で何から始めるべきか、と悩んでも、よくわからんので、まずは社内を歩き回って、まずは改革前のスタート地点≒ゼロベースを知ることを始めてみました。

それと同時並行で行ったのが、他社の動向調査。これについては色々なイベントに顔を出し、隣に座った人に雑談を持ち掛けて「おたくの会社は何してますの?」と引き出す事でした。

この二つの作業を行うことで、私の中では一つの軸が固まりました。そして、その軸はこのストーリーの根幹になってます。(細かいことは会社の内部に係ることなので書けません、、、今は現職を退いていますが、辞めても守秘義務というものがありますので、ご理解下さい。)

その軸とは、外的要因で人の本質は変わらない。内的要因でしかそれは変えられない。という事。

(追加)どうやらそのことをMITのピーター・センゲ氏が「人は変わりたくないのではない。変えられたくないのだ」と端的に表してくれてました。

つまり、業務改革など、なんとなく耳障りの良い言葉を自分でない他者がいくら言おうが、新たな仕組みを導入しようが、結局は表面でしか理解できないし、継続性がないだろう。という事です。

単発の変化はその瞬間しか効果がありません。でも、世の中は自社が変わった後も変わり続けていくんです。そう、市場は待っちゃくれないし、顧客のおかれている立場だって変わります。つまりは、変化し続けなきゃいけない、変化し続ける≒変革をしなきゃイカンのではないか?という想いが沸々と湧いてきました。

なので、一人部署ではありましたが、方針だけは固まりました。

そう、最終目標は、社員全員がずっと変革し続ける組織にすることだ!と、、、

たぶん、最初は一人だし、仲間もいません。でも、会社の外に目をやれば、学ぶべき事はたくさんあります。まずは外に目を向けよう!

組織変革者へのアドバイス・その1


02_経営者の思惑の確認

自分の中では方針は決まりました。ただ、会社全体の経営を考えたとき、そもそも変えることが良いのか?という大前提もあります。

会社組織なので、私のような一部署の人間が吠えていたって、どうしようもありません。世間がデジタルトランスフォーメーションだ!なんて言ったって、その会社がどうしたいか?どうありたいのか?という方向性を聞かないと、世間が言っているから迎合するだけなんて、企業としてのスタンスは無いと言えるでしょう。

そんな中、グッドタイミングで社長を含んだ経営幹部がいる中での最初の部署進捗報告を行う機会がありました。そこで、私はその場で会社の方向性を確認することにしました。

とはいえ、いわゆる一般的なJTC企業。「社長!本当に会社を変えたいんですか?実際にどう変えたいんですか?」なんて正面切っていっても答えなんて出てくる訳はありません。(そもそも合議制の会社において社長だけの一存でも物事が決まるなんてことは無いに等しいでしょう。)

そこはJTCにはJTCの暗黙のルールというものがあるので、その前例に素直に従いました。
まずは素案を作り、指摘をうけ、その会話の中から本質を見抜く、という会社の中での順当な手順を踏みながら、本質を聞き出そう、という戦術を仕掛けました。

私が第一発目で仕掛けたのが、「何はともあれ、ペーパーレス」というキャッチフレーズと、その施策への説明です。

なぜならば、当時の社内には紙があふれ、デジタル化にも程遠い状態でした。ただ、ココを電子化しないと、今後の海外市場への出遅れもあるし、最近、中国で話題の新型ウィルスの影響(これが後日のコロナ禍に繋がります。)で、在宅勤務になったら対応できませんよ!と経営陣にハッパをかけるような感じで熱弁をふるいました。
(実はわざとらしい演技を挟んだりしましたが、当時の上司とは阿吽の呼吸で演じきれたと自負してます。w)

幸い、上記内容には賛同してくれて、更に質疑応答の中で、「なぜ変わる必要があるのか?」のなぜの部分を対話の中で、まるで社長が自分の意志で「弊社は変わるべき、いや、変わらなければならない!」のような発言を引き出すことに成功しました。(ここは社内の情報なのでぼやかしますね。)

こうやって、正攻法ではないにしろ、社長および経営層が「本当に変革をしたいのか?」「何が経営上のペインポイントなのか?」「残された時間はどの程度だと考えているのか?」など、変革についての意味づけを自分の言葉で述べてもらう事ができました。

会社の方針をきちんと読み取ろう。でないと独りよがりの考えで、その後の活動も信頼されなくなっちゃいますよ。
まずは、経営者と同じ北極星を見るようにしよう!

組織変革者へのアドバイス・その2


03_コロナ過の緊急在宅勤務

そして、来てしまった。2020年3月の緊急在宅勤務の指令。その時の自社内部もそうでしたが、日本企業全体が「Change or Die」を本気で考えたのではないでしょうか?

自社もまさにここから全社的に「変革」の意識が大きく変わってきたと思います。

とはいえ、いきなり全員が変化できるわけもなく、緊急在宅勤務!と言われても、ネットワーク環境も社内制度も対応できるわけではありませんでした。(ホント、その時は情シス部門も慌てふためいていた感じです。)

そこで、上司(執行役員)と私は、当時の情報システム部門に乗り込んで、素人ながらも陣頭指揮をとり、各種インフラの整備を行うとともに、社内の各部署と連絡調整をしながら、なんとか1週間で緊急で在宅勤務ができる環境を整え、業務をストップさせないことに成功しました。

(社内インフラが絶対必要な設計部隊などは地方へ集団疎開させるという、あんまり言えないような無茶な施策も繰り出したりしましたけどね、、、これも詳細は言えませんので、個別に飲んだときに守秘義務に反しない限りでお答えしますので、飲みに誘って下さいw)

特に私が苦心したのが、社内の情シス部門に対する苦情対応。他のJTC企業でも同じでしょうけど、間接部門、特に情シス部門は社内ヒエラルキーが低く、文句の言われっぱなし、という部署でした。

緊急在宅の社内がゴタゴタしている時、社内外の第一着信を私に切り替え、文句を言ってくる社員を「文句はわかった、それで気が済んだのなら切る。在宅環境を整えるのがコッチは第一優先だから、対応優先度は私が決める!」とバッタバッタと切り返していきました。

(実際、利益額を上げていない部署や人ほど文句が多いが、そんなん対応してらんない。)

在宅勤務になっても、PCの操作がわからない等の問い合わせには「あんたなんか仕事しないでよろしい。あんた飛び越えて、事業部長に承認してもらうから」とか、意味もなくVPN回線をつなげ続けている人には「用もないなら切れ!基幹システムに入力してくる方が優先度高いんだ!」と、チャットや電話を駆使して個別対応していました。

この時の対応のせいか、今までの「どんな苦情も相談も親身になってくれた情シス部門」という印象はなくなり「おっかない原田さんが牛耳る情シス部門」という印象ができました。(これは後々、正の面と負の面の両方で影響が出てきます。。。)

時には鬼にもなろう!
正攻法だけでうまくいかない事もあるので、非常事態時には寝技、裏技、なんでも使って、ミッションをやり遂げよう!

組織変革者へのアドバイス・その3


04_いきなりの情シス部門長拝命

上でも書いたように、私は情シス部門なんて経験したことがなく、ずっと水処理エンジニアだった身です。コロナ前の数日間は無茶苦茶勉強して、情シス部門の人の話している言葉を理解しようとしましたが、やっぱりただのタイ焼きです。(いや、水処理エンジニアです。)

そんな自分がコロナ禍の緊急在宅勤務中に「次、情シス部門長をやってもらいたいんだよね〜」という内示連絡。マジですか?会社は頭おかしいじゃないですか?と、言おうかと思いましたが、しょうがない。。。そこも、しがないサラリーマンなので、きちんと拝命されました。

コロナの緊急在宅勤務が明けた後、私は「情シスのプロ」の中で、素人が急に部門長になっちゃいました。そりゃ、今まで情シス部門を支えてきた中の人たちはうれしいわけはありませんよね。。。

しょうがないので、最初の一年は勉強だな、、、と思ったのですが、就任して数週間、、、あれ?なんか、ちょっと勉強しただけだけど、なんかうちのシステムってトレンドから遅れてんじゃない?とすぐに疑問を抱いちゃいました。

まぁ、そこを端的に「当社の情シスは遅れている!これからは近代化だ!」なんて声高に叫んでも、仲間から総スカンを食らうのは目に見えています。なので、私が最初にやったことは、「みんなの情シス未来像はなに?」を個別ヒアリングすることでした。

ま、これが見事に失敗したんですが、その「未来像は?」というオープンクエスチョンで答えられない、ということは、直近の仕事ばかりで、将来情シスがどうなっていく?どうしたい?が主体的に考えられないのだろう、という過程を置いて、まずは、自分で情シスの未来像を描いて、それをみんなでたたいてみよう。という施策を打ってみました。

現状打破だけを声高に叫ぶだけでなく、あなたは何をしたいのか?をまずは聞いてみよう。聞いてみないとわからない世界もあるよ。

組織変革者へのアドバイス・その4


05_あるべき姿(ビジョン)を言語化してみよう

あなたの考える情シスの未来って何?って聞きながらも、自分自身の思いを語らねば片手落ちになりますよね。

私も素人ながら、「じゃ、自分の考える将来像って何だろう?」と必死に考えました。そりゃもう、かなり必死に考えました。そもそも情シス素人なのに部門長になっちゃったのですから、まずは基礎から勉強、勉強、勉強の積み重ねです。
(マジで自分を褒めたいくらいに勉強したと思います。たぶん、技術士の試験以上に勉強したのではなかろうか?)

そんな勉強の成果の甲斐あって、なんとか、今までの世の中の情シスの流れと、自社の流れと、そして将来予測ができるようになったので、このnoteにまとめたような形で、部内発表し、「2030年、外部環境から考えて、こんな情シスになっているよね~」という自分の考えを示しました。

まさに、よく言われるMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)ってやつですね。経営者との北極星を握れたのなら、それをブレイクダウンして、自部署の方向性に、もうちょっとだけ具体化する。そんな作業を行いました。

その結果、自部署のみんなも自分が言語ができなかった、「なんで情シスの仕事をしたいんだっけ?将来どうしたいんだっけ?」が少しづつ見えてきて、その思いを話し合えるように変化してきました。

まずは、理解できるレベルの夢物語を書いてみよう。突拍子もない未来ではなく、自分たちの経験から想像できる、ちょっと先くらいの未来を。。。
その青写真をもとにみんなで話し始めてみない?

組織変革者へのアドバイス・その5


06_情熱(パッション)を人に伝播させてみよう

そんな部員みんなの想いを聞いたときに、あぁ自分は自分の世界しか見ていなかったんだな~ということに気が付かされました。

それは新しい未来に向かうことも重要だけど、それ以上に「今を守る」ということに情熱を燃やしているメンバーもいるということ。

あるメンバーから言われた言葉ですが「原田さんが描く世界観はなんとなく理解できた。ただ、その移行期間はどうするんですか?私は移行期間も安定的に情報インフラを支えることも、情シスとして重要なミッションだと思います。」と、自分の視点では見えなかった「殿(しんがり)」の役割を知ることになりました。

そう、私は未来ばかり見て、仕事を考えてしまう傾向が強いので、その方向でビジョンをまとめてしまいましたが、実際には、今ある課題に対応しなきゃいけないし、対応することに情熱を注いでくれる人もいる。

方向性は良いとしても、人の「働く意欲」みたいなものは、千差万別、十人十色なんですよね。ただ、情熱のベクトルというか、方向性は違うかもしれないけど、みんなそれぞれのパッションを胸に業務遂行しているんだと、改めて思いなおしました。

そんな感じで、一度自分なりのビジョンを提示し、あとは個人対個人で話を詰めていくと、という工程を踏みました。面白いもので人って仕事に対して真剣に話し合いを続けていくと、おのずとパッションは沸き立つものなんですよね~。

ただ、私がこの各人との対話の中で注意したのは、その人の価値観に土足で足を踏み入れないという事。なぜならば、自分自身がこれまで「お前の仕事の方向性は違う」とか「そんな考えじゃダメだ!」とけなされてきた経験があるから。

パッションの方向性はそれぞれ違う、でも、その違うパッションでも、燃えている状態で仕事をするか?燃やさずに嫌々仕事をするか?では、その人のもつパワーは100倍以上の差が開く、と私は実感しています。

人は違って当たり前。違ったとしても、「燃えている」その一点だけでも重要だと思う。どんな形であれ、人の心を燃やし、そのパッションを伝播させていこう!

組織変革者へのアドバイス・その6


07_まずは自ら動く(アクション)を見せつけよう

ビジョンを見せて、パッションをたぎらせる。ここまでは結構やっている人はいるし、そんな動きは他社の事例を見てもやっているんですよね。でも、人も組織も動かない、、、そんな感じはないでしょうか?

もはや、アニマル浜口が「気合いだ!気合いだ!気合いだぁ!」と叫んでいるだけの状態です。

山本五十六ではないですけど、「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、」ばりに、まずはパッションだけでなく、自分で動くアクションを仕掛けて見ました。多分、ここが変革推進者の成否を分ける一里塚なんじゃないかな?と私は思ってます。

その、実際にやった活動は、名付けて、
「夜中に勝手にフリーアドレス作戦!」

時系列的には前後しちゃうのですが、情報システム部門長になる前に、一人部署から兼務であるが二人部署になった瞬間に実際にやった作戦です。

詳細は↓のリンクに書いてありますが、端的にいうと、上司が「フリーアドレスって良さそうだよね」と呟いたその夜に、会社の古い島型レイアウトを什器をそのままに、勝手にフリーアドレスっぽいレイアウトに変えた。というもの。
まさに部室にソファーを持ち込むヤンキー中学生ですよね。気分は「ろくでなしブルース」の世界観ですよ。(笑)

とはいえ、人に迷惑かけるわけにはいかないので、一応は気を付けながらやりましたよ。(内線を引っこ抜いたときは、さすがに他部署の部門長から怒られたけど、、、でも、直さなかった)

こういうアクションって、実行している人は少ないと思うんです。
いわゆる「〇〇推進部」とかの人たちって、非常に頭は良いけど、自分からはやらない人が多いと思うんですよね。(私の観測範囲内ですが)自分が動いてもいないのに他人に指示なんて出来ない、と私は思うんです。

まず、変えようと思うのなら、自分が率先して動くべき!ここは私の原点というか信念でもあります。

まずは自分で動いてみよう。
自分で動かないのに他人を動かすのは、よほどの話術が巧みな人でないと無理!行動で示すと人は聞いてくれる可能性がちょっとアップします!

組織変革者へのアドバイス・その7


08_ビジョン!パッション!!アクション!!!

よく、組織論や経営論で出てくるミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とかありますが、私がもし、変革論、みたいなものを論じるとすると、これがキーワードになるのかな?と思ってます。

ビジョン・パッション・アクション(VPA)

そのままVPAで調べちゃうと、ヴァーチャル・パーソナル・アシスタントとか、バルプロ酸とか出てきちゃいますが、そのうちに、VPAといえば組織変革の代名詞!なんかになってくれるといいな、、と妄想したりします。(笑)

行くべき方向をさだめ、(ビジョン)
さぁ進もう!とみんなを鼓舞し(パッション)
まずは自ら進んでみる(アクション)

自分で言うのもなんですが、なかなか良い言葉が浮かんだなぁと思ってます。

とはいえ、これだけで「変革の旅」が終わったのかというと全くです。むしろスタート地点にも立っていません。ここまでは言わば「下地作り」です。やっとスタート地点に立つ準備ができた感じですね。

(追加)組織変革で調べていたら、ジョン・コッターの8つのプロセスとか、マッキンゼーの7Sとか出てきた。でも、なんか腹落ち感が非常に低い。。。言いたいことはわかるんだけどね、なんか大上段すぎて、地に足がついていないというか、やはりアクションが何もないというか、、、
やはり、変革は自分自身で考え抜かなくてはダメなのではなかろうか?と私は思います。


先ほども書いたように、ここまでは序章、さぁ、マラソン大会に出るぞ、と意気込み、申し込みをしたところです。
問題はココから、大会申込みに当選し、事前に体力を整え、マラソン大会当日までに風邪を引かないように注意して、当日の朝に遅刻しないまではいかないと、、、そう考えると、長い長いnoteになっちゃいますが、今しばらくおつきあいください。

組織を変革に導く旅は非常に長い、スタートラインに立つ準備だけでも時間がかかることを認識してください。
そして、時間がかかることを念頭において、めげないようにして下さい。もし、めげそうなら連絡下さい。私が貴方の心の支えになります。

組織変革者へのアドバイス・その8


09_変化は内部からだけじゃ起こせない

さぁ、やっとVPAを行い、自分の部署の変革マインドは盛り上がってきた感じです。しかしながら、最初に私の行った「社外の状況を見聞きして、自社のおかれている立場を客観的に見直す」ということは、メンバーにはできていません。

これ、「知る」と「できる」とでは、雲泥の違いがあると思っており、自社の中にいるだけだと、客観的に見ようとしても、なかなかできるもんじゃないんですよね~

しかも、人って基本「自分の知らないところには行きたくない」という感情があるので、メンバーに「できるだけ外部のコミュニティに参加してみて」といっても「デモデモダッテ、、、」と言って動きません。

また、強制人事権を使ってほかの企業への越境修行に行かせたくても、人事部が関与していない段階での無茶な会社を超えた越境は難しいものです。(人事部が主体で組織変革ができれば苦労しないけど、多くのJTCでは、変革を起こしたい人や組織と人事部には壁がありますからね。。。)

そこにちょうど渡りに船だったのが、知り合いの作家・沢渡あまねさんの新しく始めたサービス。その名もまさに組織変革lab!もう、当社のためにサービスインしてくれたんですか?というサービスです。

こちらは、1社3名までの参加で、他社の方とディスカッションしながら、自社の組織変革を客観的に見直すことができるサービスになってます。(当社は1年目だけしか参加しませんでしたが、実際に意識変革はできたという感触はあります。)

※後日談にはなりますが、このnoteを最初に書いたときは意識していませんでしたが、再編集している現段階で、こちらの組織変革Labのエヴァンジェリストとしてジョインしちゃってます。ホント、人生は何が起こるかわからないものですね。。。

頑張っても自分たちだけでは限界がある。客観視するためにも、ちょっと離れて自社を見つめる機会を作ろう。そして、それを自分だけでなく、一緒に頑張る仲間にも同じ機会を作り出そう!

組織変革者へのアドバイス・その9


10_君はことを成しえる覚悟があるのか?

さぁ、やっと部内は変革に向けてのスタートラインに立つことができました。ただ、そこは図体が大きいJTC、たとえ一部署が変革し続ける体制になったとしても、他部署が変わらなければ、どうしようもありません。

そして、ここから先は、各社によって状況は異なるでしょうし、変革を行うための時間軸も異なるでしょう。なので、「汎用性のある手法」ではない、ということを今一度、記載させていただきます。

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私がこの変革の波を全社に広げるために取った手法、それは「自らが嫌われ者になる」という手段です。

なぜならば、自部署であれば人数も少なく、危機意識も共有しやすいのですが、大きな企業になればなるほど、危機意識は薄れていくし、そもそも最初に書いた「人は変わりたくないのではない。変えられたくないのだ」のとおり誰かから言われて変化できるものではありません。

なので、私があえて使った手法としては、「自分が悪者になって、言葉で直接的に危機感を煽るのではなく、人々の行動を無理やりにでも変えさせる」というものでした。

ジョン・コッターの組織変革の8つのプロセス

具体的にやった方法としては、「普段扱うツールを変更する」というものです。これだけだと、それがなんで?と思うでしょうけど、私がやったのは、そこに「今までのように優しく手取り足取りして使い方を教えない」というものです。

自分の会社で新規導入した普段扱うツールとは、以下の三つです。
  ・コミュニケーションツール:Teams
  ・コンテンツ共有ツール:box
  ・データ統一化ツール:kintone
今までは、このようなツールを導入したり、入れ替えるときは情シス部門が懇切丁寧に自社向けマニュアルを作りこみ、説明会を何度も行い、できない人にはリモートツールを使って代理で作業などしてあげてました。

ただ、上記ツールを入れるときには、一切その作業を行いませんでした。

ここまで書くと、「おいおい業務で必要なツールを使うのに、社員に説明せずに導入するって、いくらなんでも無茶が過ぎない?業務止まるよ?」と思っている人もいることでしょう。そこは大丈夫、これらのツールはすべて追加で導入したものなんです。

つまり、新しい人は覚えなくても大丈夫、古いツール(メール、ファイルサーバ、Excel)を使えば、仕事は継続できるんです。なので、自ら変わることができる人は、自分で調べて進むし、変われない人は、使い慣れた古いツールで業務を止めずに進むことができる。

ほら!これで、「変わる人は変われる」し、「変わりたくない人は変わらない」でも仕事が継続できるでしょ?

さぁ、勘のいいひとは気が付いたでしょうけど、この手段って非常に恐ろしいんです。なぜなら、新しいツールを活用したい人からは「効率化のためにはツールをもっと普及させろよ!みんなで使わないと効率化が進まないだろう!」という苦情が来る。そして、新しいツールが使えない人からは「こんなに新しくツール入れられても使えない!教えてくれないと使えない!」と、双方から攻撃の矢が飛びまくるんです。

そう、その矢が飛んでくることを覚悟をしてまで、この施策に踏み込んだんです。

何かを急激に変えるときには、どこかにひずみが来るはず。
ひずみが怖ければ、時間をかける必要があるし、そうでなければ、ひずみを吸収させるための犠牲が必要。(だと思う。)

組織変革者へのアドバイス・その10


11_抵抗勢力を駆逐してやる!

なぜ、わざわざ自分を貶めるような施策をとっているのか?それは私の中で、いろんな事例を聞いていくうちに、変革には痛みを伴って、それに耐えきれない組織は疲弊していくだけ、、、という確信に近い思いがあったからある。

よく、DXとか変革の企業ストーリーを聞いていると、必ず出てくるキーワード「抵抗勢力」これ、決して悪気があってやっているわけではない。と私は思うんです。そんなドラマみたいに自分の保身だけ考えている組織人なんていないし、みんな「自分は正義」だと思って、会社の中で日々業務にあたっていると思うんです。

つまり、改革派だって、現状維持派だって、本当に自分のことだけ考えて、わがままを言っているわけではなく、自分が思うベストな方向に対してエネルギーを注いでいるだけだと思うんです。

そんな中、二つの改革派と現状維持派の対立を止めるためにはどうすればよいのか?私はこれには非常に長い時間が必要だと思ってます。だって、今まで変わってこれなかった、ということは、その企業の中には「変革」というDNAが組み込まれていないのですから当然だと思います。

では、その「変革」という遺伝子を注入し、その会社の風土に合った形に仕上げていくにはどうすれば良いのか?私の答えとしては「気の長くなるような長い年月をかけて対話し、遺伝子の代替わりを待つ」というものです。

終身雇用が当たり前の日本において、おそらく風土が変わるまでには、人の入れ替わりを考えて30年、早く進んでも半分の15年はかかることでしょう。

ただ、残念ながら、日本企業に残された時間はそれほど長くないし、最初の経営陣の意向を確認した時も、そこまでの猶予はない、と私は考えました。

そこでとった戦略が「二項対立ではなく、共通の敵として自分が立ちふさがり、二項動態にすること」です。

ちょっとネタバレになってしまいますが、「進撃の巨人」で主人公のエレンイェーガーが行った行動と一緒です。(漫画やアニメを見てない人はゴメンナサイ!内容がアレなので、見たくない人もいるとは思いますが、気になる人はアマプラで見るか、漫画を読んで下さい。)

双方のうっ憤を私という個人に向けさせて、変革派と現状維持派の対話を促し、共闘してもらうために、あえて壁として立ちふさがり、この同じ北極星を見てもらう、という手段をとりました。

組織の中に本当の意味での対抗勢力はいないはず。
ただ、分かり合えるためには時間が必要。その時間を待つことができるか?時間を短縮する覚悟があるのか?

組織変革者へのアドバイス・その11


12_変革は一人じゃできない

ここまで色々と書きましたが、これは全て一人で考えたわけじゃないし、実行に関しても一人だけでやったわけじゃないです。

ここまで来るのに沢山の書籍も読んだし、沢山の講演も聞いた。さらには、他社の色々な人に直接話を聞きに行ったり、有識者の人の生の声(このご時世なのでWeb会議ですが)も聞きました。

外部の声だけではなく、中の声も聞いたし、一緒に動いてくれる仲間の社内の人的ネットワークも構築しました。(中の人にはすべてを明かしている訳じゃなかったです。特にこの後に続く最終章の内容とか、、、)

どんなプロジェクトもそうだと思うんですが、一人ですべてをできる人って、本当に稀有だと思うんです。いろんな人の長所を組み合わせて、チームは形成されると思ってるし、実感してます。

例えば、私自身は、こちらで書いたストーリでお分かりのように、先頭に立ってビジョンを示すのは得意ですが、細かい数字管理や、他人の感情に寄り添うことは非常に苦手です。
この変革を進める時の仲間には、私が不得意とする部分を補填してくれる人がいたし、その人とはイーブンイコールの関係を構築している(と、私が一方的に思っているのかもしれないけど)ので、私が不足している部分や思慮が足りない部分にはキッチリとコメントしてくれます。

ココだけは強調したいのですが、社内の風土変革を担う皆さん、どうか一人では冒険に出ないでください。自分の弱さをさらして、その弱さを補填してくれる仲間を募ってください。

特に「変革人材」という人間は、自分の進む道を勝手に決めて、勝手に歩み始めちゃうので、傍から見たら大きく道を外れているような感じで、自分の立ち位置を見失うことがあります。(私もそうですが)そんな時に、きちんと意見をしてくれる仲間を作ってください。

そして、その仲間と対等な関係を構築し、追うべき北極星を見逃さないようにして、一緒に歩んでください。そう、多少の寄り道や意図せぬイベントは往々にして発生するものです。

人生なんて、「ドラクエ」みたいなもんです。仲間を募って、経験値を積んで、寄り道だと思っても主要なイベントだったり、意図せぬ出会いと別れがあったりとか、、、

異なるのは、おそらく正解ルートもなく、エンディングの最終ボスもバラモスでもゾーマでもなく、旅はずっと続く、、、ということでしょうけど。

一人で全部背負わないで!仲間を募って、冒険に出かけよう!

組織変革者へのアドバイス・その12


13_そして伝説へ

さぁ、そろそろ最終章に入ってきました。ただ、私たちの行ってきた冒険もまだ道半ばです。

なぜならば最初に書いた通り、この旅の目的は「社員全員がずっと変革し続ける組織」だから。。。つまり、旅に終わりはないんです。

そうなると、この壮大な旅の流れの中で、自分のおかれた立場を理解する必要があります。なぜならば、この壮大のストーリーの中心人物は私(もしくは社内変革を行うあなた)ではなく、組織そのものですから、、、

あくまで壮大なストーリーの中の一つのキーパーソンとしての自分がいるなら、その舞台から降りる瞬間も考えなければいけません。そして、次の世代に自分の残してものを託し、その次の世代なりに「変わり続ける」を実践する必要があるでしょう。

最近、この社内変革活動をして感じるのは、「なんか、突破口を開くという仕事は全部、原田に任せとけばいい、とか思われちゃってない?」という感覚です。これはこれで頼られていて面白いのですが、当初の目的である「変わり続ける組織」としては、私自身がボトルネックになってしまい、大変危険だと感じてます。

組織の成長段階で、必要とされる人材が異なるように、変革の進捗段階で必要とされる人材も変わるのではないでしょうか?突破口を開ける人材、その穴をこじ開ける人材、みんなを先導し、穴から次の世界にいざなう人材、そしてその次の新たな壁を見つけ、穴をあける人材。。。

そう、らせんのように続くストーリーの中で、自分自身がどのフェーズを担当し、どのフェーズを次の世代に託していくか、、、

日本の伝統的な終身雇用という枠組みの中で、そのフェーズに合わせて自分自身を変えて生きるのもまたよいでしょう。ただ、もう一つの生き方、世の中にはごまんとある「変革したいけど変革できない企業」はあります。そちらに席を移して、もう一度新たな冒険の扉を開けるという選択はいかがでしょうか?

おそらく、どんな選択でも正解だし、どんな選択も経験となることでしょう。変革者の皆さんが、自分自身の特性に合わせて、自分だけのストーリーを紡いでいくことを期待します。

変革の物語は人それぞれ、組織それぞれ
自分と組織にあったストーリーを紡ぎだし、次世代にバトンをつないでください。

組織変革者へのアドバイス・その13

14_辞めた後に思うこと

13章までは在職中に書き記したものですが、実際に辞めることになっちゃいました。
辞めるまでの経緯は色々ありましたが、概ね、自分が最初に思い描いた通りのストーリーになってきたと思います。

とはいえ、流石にnoteだけでは実際にやってきたこと、その時の想い、そして実際の変革から得られた知見は纏めきれていません。(おそらく、この10倍くらいのボリュームがあるけど、そんなの読む人の根性も必要になっちゃう)

辞めてみて思うのですが、組織の中でモヤモヤを抱えている人は思った以上に多いし、組織をアップデートしたい経営者もめちゃくちゃ多い、という事を知りました。

私の経験なんて、全国の企業、組織の中で行われてきた星の数ほどのストーリーの中の一事例かもしれないけど、そんなストーリーを赤裸々に語ることで心が救われたり、組織変革の実務者のなんらかの手助けになる事もあるでしょう。

と、いうことで、機会があればこのストーリーの詳細を何処かでまとめようと思ってます。もし、「このストーリーの詳細を知りたい!」と思う人がいたら是非ともご連絡下さい。言える範囲でお伝えします。

連絡先はコチラをご参照ください。


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