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木曽駒ヶ岳の雷鳥親子に会う
8/3・4で木曽駒ヶ岳に登ってきた。
事前の天気予報ではイマイチだったが実際は快晴で素晴らしい山旅を体験できた。
木曽駒ヶ岳を登るのに多くの人が利用するのが「駒ヶ根ロープウェイ」だ。
麓の標高1662mの「しらび平駅」から、標高2612mの「千畳敷駅」まで一気に登ることができる。
この駒ヶ根ロープウェイだが、HPやいろんな人のブログを読むと、シーズン中の土日で天気が良いと乗るために1時間以上、酷い時は2時間以上並んで待つことになる、と書いてある。
暑い夏に涼しく美しいところで過ごしたいと、考えることは皆同じだ。
それにしても炎天下に2時間以上並んで待つなんてハードすぎる。しかし仕方ない。覚悟を決めてロープウェイの「しらび平駅」向かったのだが、、、、
嘘だろ~。全然人が並んでない!
ガラーンとした駅に人がまばらにいるだけだ。
土日でこんなに天気がいいのになんで!?
あの「煽り」は一体なんだったんだ。
5分も待たずにすぐ乗れた。マジか!
1時間以上.2時間以上並ぶという情報に嫌気がさして敬遠したのか。
それともオリンピック期間中で利用者がいつもより少なかったからか、よくわからないが、とにかくすぐに乗れてラッキーだった。
千畳敷カールに着くと下界の暑さはどこへやら、エアコンの効いた快適な部屋の中にいるかのような涼しさだ。時より風が通り過ぎると少し肌寒いくらいだ。千畳敷に着いたのが12時半。ここから木曽駒ヶ岳頂上小屋を目指す。今日は山小屋泊だ。
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登山中に同伴者と雷鳥のことを話していると、すれ違う人がすぐに「あそこに雷鳥がいましたよ」とか「雷鳥の親子がいますよ」など、尋ねもしないのに、みな満面の笑みで少し自慢げに「雷鳥情報」を教えてくれる。
雷鳥のことは語らずにはいられないという感じだ。
やっぱり雷鳥に会えると少しくらいは人に自慢したくなりますよね。
千畳敷カール~乗越浄土~中岳、と歩き、2時間ほどで頂上山荘に到着。
そこで重いザックを預けて、木曽駒ヶ岳山頂を目指す。
登り始めてすぐ、雷鳥を発見!
登山道から10mくらいのところに雷鳥がすくっと立っている。
興奮気味にカメラをバシバシ撮る。しばらく観察してると周りの草や岩の影から何かがモゴモゴと動くに気づいた。
雷鳥の子供だ!可愛すぎる!ソフトボールくらいの大きさで形もまんまる。それがお母さん雷鳥の周りをひょこひょこと餌となる高山植物を食べながら駆け回っている。子供の数は全部で3羽だ。
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そして私たちも後から登ってくる登山者たちに「ほらっ、あそこに雷鳥の親子がいますよ」と自慢げに教えた(笑)
教えられた登山者も「ワオッ雷鳥だ」と興奮気味に写真を撮りまくっていた。こうして雷鳥情報は人から人へと伝わっていくのだった。
雷鳥は北アルプス、乗鞍岳、御嶽山、南アルプス、火打山、そして中央アルプスにしか生息していない。生息数は2000羽から3000羽と言われている絶滅危惧種だ。一時期絶滅したと思われていた中央アルプスの雷鳥だが、2018年にどこからやってきたのか半世紀ぶりに1羽の雷鳥が発見されたという。
そこから中央アルプスの雷鳥復活作戦が始まり、2021年についに自然繁殖が確認される。そして2023年時点で80羽ほどに増えたらしい。素晴らしい!
ここの雷鳥たちは人間を全く怖がらない。目の前の登山道をひょこひょこ横切ったり、やりたい放題だ。
人間に保護されながら生きているからか、警戒心というものが全くない。いいことなのか悪いことなのか。。
木曽駒ヶ岳登頂後、山小屋に降りて夕食。その後、のんびり夕焼けと満天の星空を楽しむ。
風がなく寒くないのでずっと外で星を眺めていた。天の川もくっきり見える。そして流れ星も時折流れている。
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翌朝、4時に起きてご来光を見るため再び山頂を目指す。
山の周りには雲海が広がっていた。残念ながら富士山は見えなかったが、北アルプス、御嶽山など標高の高い山々は雲海の上から頭を出している。
朝日が雲海の上に顔を出すと山々が光り輝き出す。素晴らしい光景だった。
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6時半に農ヶ池を目指して歩き出す。山頂小屋の横から馬の背に続く道を歩いて10分ほどで、昨日とは異なる雷鳥の親子を発見!
雷鳥は臆病だから曇っている時に活動すると言われているが、木曽駒ヶ岳の雷鳥はパキッとした朝の日差しの中を人目を気にせず歩き回っていた。可愛い!!!
ずっと雷鳥を眺めていたかったが、キリがないので後ろ髪を引かれながらも先に進むことにした。
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1時間少しで濃ヶ池に到着。風がないので池の表面に鏡のように山々がくっきりと映り込み、圧倒的に美しい。こんな美しいところなのに他に誰もいない。私たちだけでこの美しい光景を独り占めだ。素晴らしかった。
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その後宝剣岳登り、千畳敷カールに戻り、無事登山が終了した。
今回の山旅は景色も素晴らしかったが、一番印象に残ったのはやっぱり雷鳥だ。
こんなに警戒心がなくて大丈夫なのか、と心配してしまうくらい無垢で可愛らしかった。
これからは人間の力を借りずに、普通鳥たちのように、自然の力で繁殖続けていってくれるのを願わずにはいられない。
またどこかの山で雷鳥に出会うのが楽しみだ。