卵子凍結(社会適応)体験談

はじめまして。今年39歳になる会社員です。
2024年5月、社会的卵子凍結(1回目)をしましたので、体験談を共有します。社会的卵子凍結を考えている方、現在頑張っている方の少しでも励みや参考になればと思い、書いてみました。

社会的卵子凍結(日本産科婦人科学会ホームページ)
https://www.jsog.or.jp/medical/865/

わたしは、二つのことがきっかけで凍結を決めました。
①    長年の恋人との別れ
②    4月から大学院への進学
仕事をしながら、社会人向け大学院で修士を取得することにしたのですが、長期履修のため3年で卒業予定です。仕事と学業で多忙のため、新しい出会いや恋愛は難しそうだなと考えました。いま出産は望まないが、後々自分が望んだ時のために、という理由です。

■スケジュール(凍結決定~採卵当日まで)
2024年1月頃
医療機関のリサーチ開始。神奈川県内の病院に決めました。そこに決めた理由は、また追記します。

3月
不実施。受診のタイミングが合わず断念。
月経初日を1日目として、3日以内に受診が必要なんです。多忙のため諦めました。

4月
不実施。採卵時期が5月連休と重なるため、病院から対応できないと言われ断念。

5月11日(土)~16日(木) 月経
5月14日(火)8:30採血、9:30受診、内服・ホルモン注射開始
5月20日(月)8:30採血、9:30受診
5月23日(木)9:30受診 
卵胞育ってきている。採卵は5/25(土)が望ましいが、授業のため断念。5/27(月)に決定。
下腹部が膨らんでいるのがわかり、空腹感や便意をあまり感じない期間でした。「卵巣過剰刺激症候群」の危険もあるため、卵巣の腫れを抑える薬も処方してもらいました。

5月25日(土) 20:30、21:00 自宅で点鼻薬 左右各1プッシュ


■採卵当日スケジュール
5月27日(月) 
ざっくりの流れ、採卵処置30分➡麻酔が切れるまで休憩3時間➡診察10分➡終了です。8時に来院し、13時過ぎには解放されました。午後は仕事もできそうな体調だったけど、あらかじめ休みを頂いていたので、ゆっくり過ごしました。

6時30分 起床(寝坊)
6時50分 家を出る(電車2つ乗継)
7時50分 駅から病院行バスに乗る
8時00分 救急外来で受付
8時03分 外来診察室前の機械で、自分で血圧測定
8時05分  看護師さんに呼ばれ、個室(回復室)へ案内していただきました。6畳くらいの個室で、ベッド、ロッカー、折り畳みテーブル(使用しませんでした)、ナースコールがありました。時計はなく、空調換気です。私のために1日予約してくれている部屋でした。

二日前の点鼻薬投与の確認、体調確認をされました。手袋と座薬(ボルタレンサポ50mg)を渡され、自分で挿肛するよう言われます。トイレは個室の近くにあります。術衣にも着替えました。その場で看護師さんにT字帯とナプキン夜用1枚をお渡ししました。

下腹部の膨張に気を取られ、3日間便秘だったことにトイレで気づきました。数日、便意があまり感じられなかった気がします。

8時30分
採卵室へ案内されました。
回復室の向かいで、歩いて移動します。病院スタッフは合計6人でした。
主治医、研修医?、看護師3人(おそらく記録、外回り、私への声掛けで役割分担)が担当してくださり、全員女性でした。

処置台で次の作業が同時に行われました。手際が良く、安心しました。
右側:看護師が右手首にネームバンド装着、血圧測定
左側:研修医?が左前腕に点滴挿入。
すぐにソルアセトF500ml(水分補給用の点滴)がつながれました。
真ん中:主治医がエコー、膣洗浄

その後、すぐに硫酸アトロピン1Aを左手から静脈投与。痛くありません。すぐに血圧測定。

主治医「眠るお薬入りますよ〜」
おそらくプロポフォール静脈投与。痛くありませんでした。そこから意識をなくしました。
後から聞くと、私はプロポ10ml投与されたそうです。マイ〇ル・ジャ〇ソンを思い出しました。

気づいたら、処置台からストレッチャーへ、スタッフさん達が「1、2、3!」で、わたしの体をスライドさせるところでした。

スタッフのどなたかが、「全然ダメでしたねー」とおっしゃっているのが、聞こえ、あぁ、ほとんど採卵できなかったのかなぁとぼんやり思いました。

気づけば回復室のベッドにいて、看護師が布団をかけてくれました。点滅がつながれたまま、ベッドで休ませてもらいます。ナースコールが手元に置かれます。ぼんやりした頭で質問しました。

私「全然ダメだったんでしょうか?」
看護師「ん〜見てみないと何とも言えないね」

おそらく9時くらいには処置は終わりました。処置時間は予定通り約30分。

9時35分 覚醒。足元が寒くて、ナースコール。足元用のバスタオル、追加布団をいただきました。

9時40分 
スマホいじり

10時10分
ナースコールし、トイレへ。T字帯を着脱が慣れません。帰室し再度入眠。

12時45分
看護師さんが起こしてくださいました。
トイレで腟内の止血ガーゼ1枚を取り外しました。

12時50分
診察。熟成卵の採取結果:合計2個。採卵は合計4個(右3個、左1個)、未成熟卵が二個だったそうです。ホルモン剤の反応には個人差があり、今回はとても少ない結果に終わりました。次は1か月空けて、7月以降であれば採卵できるそうです。

私の場合、仕事と学業の都合上、次回は8月を予定しています。次回は主治医の勧めで、別のホルモン剤を使用して再挑戦することにしました。

卵子凍結更新のため、1年後の同日、診察予約をしました。

13:10 診察終了
13:20 会計
まだなんとなくボーっとしたけど、しっかり歩けました。
帰りに景気づけにカツ定食を食べました。

【感想】
■前泊について
ほとんど緊張しなかったので、うっかり寝坊してしまいました。わたしの場合は移動時間が長いので、病院最寄駅で前泊してもよかったかな〜と思いました。この日のために、通院してたわけだし。…でも次回も前泊はしなさそう!

■採卵当日を迎えるまで
処置自体は短時間で済むし、当日は流れるように終わります。なんといっても採卵当日を迎えるまでの、通院・仕事の調整が大変でした。フレキシブルなお仕事が可能な方だとよいですが、リモートワークのない会社員さんなどは、私同様大変かと思います。

■ホルモン剤投与の手技について
自分は医療従事者のため、アンプル(薬の小瓶)を開封して、注射針で薬液を吸う、下腹部に注射、点鼻薬の吸入など、あまり抵抗がありませんでした。未経験の方は、その一つ一つの動作が不かもしれませんが、落ち着いてやれば難しくありません。

■痛みについて
この3つで鎮静・鎮痛コントロールしていました。特に苦痛はないです。
①    処置前の座薬(ボルタレン)
②    静脈麻酔(左手首の点滴からプロポフォール投与)
③    局所麻酔(プロポ投与後のため、わたしは意識なかった)
処置終了後、3時間くらい眠ると、一人で帰れるくらい体も頭も起きます。
終了後、なんとなく下腹部のチクチクした痛み、晴れてる感じはありますが、想定内。

■採卵結果
たった2個。費用、時間をかけた割に、残念な結果となりました。でも挑戦しなければ0だったわけですから、一歩踏み出し新しい経験ができたということで、前向きに考えます!

次は8月、もっと採れるといいなぁ~。2回で20個採卵して終了したかったけど、この分だと合計3回以上は必要そう。お金、気力、時間ともにかかりますが、頑張ります。

■採卵1回目を終えて
社会的卵子凍結した女性の大半が、結局凍結した卵子を使わないそうです。私もそうかもしれませんが、それでも悩みながら自分らしく人生を歩むための選択肢の一つだと思っています。

話は変わり、不妊治療をされている方々もいらっしゃるかと思います。ホルモン剤投与、急な通院、将来への不安という意味では、共通点もあります。周りにご苦労されているカップルの方々がいたら、自分も理解を示そうと思います。

お読みいただきありがとうございます。

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