ミネラルウォーター探求者の水質分析は一味違う!
私がこのnote記事で示している分析項目は、主要溶存イオンと呼ばれる、
【陽イオン】
カルシウムイオン (Ca²⁺): 骨や歯の形成、筋肉の収縮、神経伝達など、生命活動に欠かせないミネラルです。
マグネシウムイオン (Mg²⁺): カルシウムと同様に骨や歯の形成に関わるほか、エネルギー代謝や酵素の活性化にも重要な役割を果たします。
ナトリウムイオン (Na⁺): 体内の水分バランスを調整し、神経伝達や筋肉の収縮にも関与します。
カリウムイオン (K⁺): ナトリウムと協調して体内の水分バランスを調整し、神経伝達や筋肉の収縮にも関与します。
【陰イオン】
炭酸水素イオン (HCO₃⁻): 体内のpHバランスを維持する役割を担っています。
硫酸イオン (SO₄²⁻): 腸内環境を整える働きがあるとされています。
塩化物イオン (Cl⁻): 体内の水分バランスを調整し、胃酸の成分としても重要です。
硝酸イオン (NO₃⁻): 自然界に広く存在するイオンですが、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
の主に8つのイオンです。
これらの「主要溶存イオン」はミネラルウォーターが自然界を流動する過程で、様々な成分組成に変化します。
人為的な影響(肥料・生活排水・家畜排泄物など)や自然的な影響(地質・火山活動・海水浸入など)を受けることで、水が流動する中で主要溶存イオンが様々な濃度に変化することで、地域特有の水質組成ができあがります。
また、主要溶存イオンはミネラルウォーターの硬度や味に影響を与えるだけでなく、私たちの健康にも深く関わっています。
主要溶存イオンの測定方法は?
実は、私はイオンクロマトグラフィー法を用いて測定しています。
イオンクロマトグラフィー法は極めて高精度でプロの研究者も使っている測定方法です。
もちろん、イオンクロマトグラフィー法以外にも、
パックテスト(Ca、Mg、NO3、SO4など)
イオンメーター(Na、K、NO3、Caなど)
などでも測定できます。
しかし、パックテストは測定可能範囲が0~10mg/Lと狭く、硬水のミネラルウォーターでは範囲外となります。
また、分析精度についても、目視による比色法のため保証できる値とは言えません。
イオンメーターは測定可能範囲が0~9,900 mg/Lと、パックテストに比べると海外の硬水でも問題なく測定できます。
しかし、測定精度は±20%と粗いです。例えば、イオンメーターで1,000mg/Lと測定された場合、測定精度を考慮すると800~1,200mg/Lのどこかの値ということまでしか言えません。
イオンクロマトグラフィーとは?
イオンクロマトグラフィー法(以下、IC法)は、他の測定方法と比べていくつかの優れた点があります。以下に、IC法の利点をまとめました。
1. 多成分同時分析が可能
IC法では、一度の分析で複数のイオンを同時に測定できます。例えば、陽イオン(Na+、K+、NH4+、Ca2+、Mg2+など)と陰イオン(F-、Cl-、NO2-、Br-、NO3-、SO42-、PO43-など)を同時に分析できます。これにより、同一のサンプルから一度に分析結果が出るため、信頼性が大幅アップします。
2. 高感度分析
IC法は、非常に低濃度のイオンも検出できるため、ppb(10億分の1)レベルの微量分析が可能です。環境水やミネラルウォーターなど、微量なイオンの測定が必要な水質分析に適しています。
3. 選択性の高さ
IC法は、特定のイオンに対して選択的に反応するカラムや溶離液を使用するため、他の成分の影響を受けにくい分析が可能です。ミネラル豊富な硬水などの共存物質が多い試料でも、目的のイオンを正確に測定できます。
4. 自動化による省力化
IC法は、試料注入からデータ解析まで自動化できるため、分析者の負担を軽減し、分析の再現性を向上させることができます。
5. 広い適用範囲
IC法は、環境水、排水、飲料水、工業用水など、さまざまな水質試料に適用できます。また、食品や医薬品など、水以外の試料にも応用可能です。
6. 環境負荷の低減
IC法は、他の分析方法と比べて使用する試薬や溶媒の量が少なく、環境負荷の低減に貢献できます。
これらの利点から、IC法は水質分析において主要溶存イオンを測定する強力なツールとして、幅広く利用されています。
1サンプルの分析にかかる費用は?
実は私のnote記事で紹介している分析結果を出すために、1サンプルあたり数万円がかかっています!汗
イオンクロマトグラフィーを保有するのは、プロの水研究者や水を専門とする分析機関などです。
そのため、一般人がイオンクロマトグラフィー法で高精度の分析結果を得るためには、分析業者に依頼して測定してもらうしかありません。例えば、Googleなどで検索すると、タナベ環境工学株式会社や株式会社エコアップ、地球科学研究所などが挙がってきます。
私はこうした分析業者にミネラルウォーターを送って、1サンプルあたり数万円の費用を払って測定しています。
費用は惜しまない!私が水質分析にこだわる理由
私がなぜ高額な費用をかけてでも水質分析にこだわるのか、その理由をお話ししたいと思います。
1. 真実の分析結果を知りたいから
水質分析って、冒頭部分で書いた通り、実はピンキリなんです。簡易的な検査から、専門機関による詳細な分析まで、その費用も結果の精度も様々です。
でも、私は「本当にこの水は安全なのか?」「どんな成分が含まれているのか?」を正確に知りたいと思っています。
なぜなら、ミネラルウォーターは私たちの健康に直接関わるものだから。適当な情報に振り回されたくないし、自分の体に入れるものは、きちんと自分で確かめたいんです。
2. 各ミネラルウォーターの特徴を深く理解したいから
水質分析の結果は、ただの数字の羅列ではありません。そこには、それぞれのミネラルウォーターが持つ個性、つまり「特徴」が隠されているんです。
例えば、硬度が高い水は、ミネラル豊富で骨を丈夫にする効果が期待できますが、一方で、お腹がゆるくなりやすいという側面も。
pH値が低い水は、胃酸の分泌を促し、消化を助ける効果がありますが、酸性の強い水は歯のエナメル質を溶かす可能性も。
このように、水質分析の結果を詳しく知ることで、それぞれのミネラルウォーターの特徴を正しく理解し、自分の体質や目的に合った水を選ぶことができるんです。
3. 怪しい情報に惑わされたくないから
最近、YouTubeなどで「このミネラルウォーターは体に良い!」「〇〇成分が豊富で健康になれる!」といった情報を発信している人がいますよね。
でも、その情報、本当に信頼できるんでしょうか?中には、科学的根拠のない情報や、特定の商品を宣伝するための誇大広告も混じっているかもしれません。
例えば、そうしたYoutuberの分析方法を見てください。例えば次の画像のように、絶対に自分の手をサンプルに入れてはいけないのに、思い切り手が水に浸かっています。この人の手に付着した成分で、水質は大きく変化します。
でも、こうした不適切な方法で測定した結果でも「この水は怪しい!」とか「日本の水質基準はダメ!」などと断言しています。
私はこれが本当に許せないんです。
(ちゃんとした測定方法で、かつ高精度の分析装置で出された結果なら納得できますが)
こうしたYoutubeを見た視聴者のコメントを見てください。
現代はタイパ重視と言われる中で、すぐに結果を知りたい気持ちは分かりますが、それが真実なのかを検証して判断・評価しているとは思えません。
私は、そんな怪しい情報に惑わされたくないんです。だからこそ、自分で高価な費用を出してでも正しく高精度なイオンクロマトグラフィー法による水質分析を行い、客観的なデータに基づいた情報を発信したいと思っています。
ミネラルウォーター探求者としての強い思い
水質分析は決して安いものではありません。でも、私は、真実の情報を得るため、そして、皆さんに本当に役立つ情報を提供するために、これからも費用を惜しまず、水質分析にこだわり続けていきます!
なかなか個人でイオンクロマトグラフィー分析をすることは難しいと思います。私はミネラルウォーターのことを本当の意味で知りたい方々のために、このnote記事で情報発信をしていきます。
もし興味のある水や分析してほしいミネラルウォーターがあれば、ぜひお知らせください。私があなたに代わって詳細な水質分析をしていきます!
水質分析第2弾は!?
ミネラルウォーター探求者である私のnote記事で紹介する水質分析の第2弾は、高知県の清流の源流域の地下から汲み上げられたミネラルウォーターの分析結果をご紹介します!
第1弾でご紹介した大分県のミネラルウォーターの分析結果を知りたい方は、ぜひ私のnote記事からご覧ください!