【歌詞考察】Aimer Run Riot 辿り損ねた愛と新しい夜
■はじめに
Aimerさんの歌、Run Riotについてどんな曲か考えていこうと思います。
※長いです。1万字位あります。
下記の動画の2分45秒あたりから少し聴く事ができます。
歌詞はこちらです。
つい先日(2021/09/11-12)あったライブ、Aimer 10th Anniversary Live in SAITAMA SUPER ARENA "night world”のセットリストにもあった曲です。
また、今話題の残響散歌と同じ「残響」という単語が使われる曲でもあります。
なので、今この曲について考えてみるのによいタイミングかと思います。
・言及の少ない曲
Run Riotについては、Aimerさんからの言及が極端に少ないです。
インタビューなどでも、同じCDのA面の曲「春はゆく」にスポットが当てられて、言及が少ない曲です。
Aimerさん「この曲は自分のダメな部分を抱えつつ、それでも誰かが待っていてくれるなら、そこに賭けていきたいっていう曲だから」
(「賭けていきたい」は「駆けていきたい」の誤字だと思う)
(B-PASS 2020年05月号 春はゆく/marie インタビュー)
ライブ night worldでも言及がありました。
Aimerさん「皆と一緒に前に進むために作った歌を歌います。」
一応ファンクラブBeNにはライナーノーツがあります。
BeNトップページから、Special→「春はゆく/marie」Release Special Site→セルフライナーノーツを読む
で、読めるので興味がある方は見てみてください。(それでも情報少ないです。)
ぐらいです。
2022年01月12日にいきなり新情報、ライナーノーツが投入される。
何があろうと、
如何なる事が起こったとしても、
それでも待ってくれている誰かのために、
出来る限りの力で走り出したいという
思いを込めました。
・新しい夜へ入ろうとする物語
先に私の考えを少し話します。
Run Riotの話は、Aimerさんの新しい夜に入ろうというタイミングの物語だと私は思います。
5thアルバム「Sun Dance」「Penny Rain」の製作を終えて、次のテーマをどうしようかと考えた時にでてきた葛藤の話だと私は思っています。
Aimerさんは、6thアルバムでは「Walpurgis」を作成し、新しい夜の世界を描いていきます。その新しい夜への最初の一歩目の話です。
新しい一歩を踏み出す際に、過去の夜の世界でのある「約束」を思いながら、自身から去りゆく人への想いと、新しい世界への衝動のはざまで葛藤しながら、出した答えが描かれているのだと思います。
同じく新しい夜へ旅立ちを描いた、STAND-ALONEとはほぼ同時系列の物語だと思っています。
STAND-ALONEは過去の自分への葛藤、Run Riotでは去りいく他者との葛藤と、別種の葛藤が描かれていると私は考えています。
Aimerさんの言及が少ないのもあって、私の推論ばっかりですので、話半分、妄想と思って読んで下さい。
では、歌詞の中身について話していきます。
■1番は、壊れた約束と絆の性質の話
・壊れた約束
呼吸を 分け合ううちに 眩暈を覚えた この世界で
約束した未来 壊れない そう信じられた 幸せの記憶
先に「約束した未来 壊れない そう信じられた 幸せの記憶」の説明をします。
ここでいう約束した未来とは、DAWNというアルバムのインタビューでの話ではないかと考えています。
Aimerさんは、1st~3rdまでのアルバムは夜をテーマにしてアルバムを作成していました。
そして、3rdのDAWNというアルバムで夜明けを迎え、夜の世界に一旦の終止符が打たれます。
その時のインタビューで以下のようにAimerさんは言っています。
Aimerさん「でもやっぱり『DAWN』は1つの物語の終焉でしかなくて。私はきっとまた新しい夜を歌うはずなんです。」
(下記“夜明け”の意味を変える「MOON RIVER」参照)
上記のように、Aimerさんは夜の終わりのアルバムで、また夜というテーマに戻って来る旨の発言をしています。
そして、4th、5thのアルバムでは夜のテーマを離れて、光の中を大きなテーマにしていました。(光の中の活動)
その光の中の活動中に、Aimerさんの作風の変化から、「変わっちゃった」と、Aimerさんから離れていったファンがいたそうです。
(下記 何も変わらないまま進んできたのに 参照)
その話を示唆するような歌詞は、別のBlind to youという曲にもでてきて、その考察を↓でやってるので興味があれば読んでみてください。
「呼吸を 分け合ううちに 眩暈を覚えた この世界で」は、
光の中の活動で味わった、ファンが離れていった事というショックを示唆するのではないかと思います。
「呼吸を分けあう」は、光の中の活動で、Aimerさんがファンとの距離を縮めていった事を表すのだと思います。
「眩暈」が、一部のファンが離れていった事のショックかと。
・絆の性質
離れそうになる度に 繋がるそれは命綱のように強くて
ただこの手をすり抜けて 舞い昇ってく風船みたいだ 空に溶けてく
ここはAimerさんとファンとの絆の性質の話をしているのではないかと思います。
Aimerさんとファンとの絆は、命綱のように強くて大事で、同時に風船のように手をすり抜けて消えてしまう。
そういうものだと述べているのだと思います。
・夜の再開の示唆
はらはらと 朽ちるまで 咲き乱れ
引き止める残響を 風よ連れ去って
孤独の香り 祝福してる そうさ迷わない
いま錆び付いた時を 解いて
「いま錆び付いた時を 解いて」は、
止まっていた夜の世界をもう一度はじめよう、夜の時を動かそう、という話ではないかと思います。
残響と孤独の香りの話はラスサビの時にします。
■2番は、不変という夢と変化への衝動、そして去りゆく人への想い
・不変を求めた夢と新しいもの求める衝動
築いた 帰る場所に 不変を求めた いつかの夢
失うものなど 無いだろう 次の何かを 得るための衝動
「築いた 帰る場所に 不変を求めた いつかの夢」も上述した初期の夜の話です。
その夜に帰るつもりでいたこと。また、夜の世界が不変のものと昔は思っていた事がうかがえます。
(初期の夜の時に一緒にいてくれた人が、また夜に戻ってきたときにも一緒にいてくれる、そんな夢でしょうかね)
「失うものなど 無いだろう 次の何かを 得るための衝動」は、
それとは反対に今は、次の何か(変化)を求める衝動がおきています。
不変を求める心と、変化を求める心がせめぎ合っています。
・去りゆく人への想い
手放せなかったはずの 鎖が千切れた結末 虚しくて
ただ去りゆく人の背を 見送らずに歩き出すんだ だけど刹那
「手放せなかったはずの 鎖が千切れた結末 虚しくて」は、
前述の光の中の活動で、かつてのファンとの絆が壊れてしまった事です。その虚しさ歌っています。
鎖もまた(前述の命綱や風船と同じく)、絆を意味します。
絆がAimerさんを縛るものでもあったという事がうかがえます。
「ただ去りゆく人の背を 見送らずに歩き出すんだ だけど刹那」
去っていく人を見送らずに、自分の道を歩みだそうとした、その瞬間何かがおきます。
ひらひらと 立ち込める 面影が
拭えない焦燥を 夜に断ち切って
野生の息吹 響く鳴き声
辿り損ねた愛をもう悔やまないで
駆け出して
なにか面影を思い出して、焦燥を断ち切っています。
一見去っていく人への想いを断ち切ったかのようにも見えます。
ちょっと意味とりにくいので後に回します。
■ラスサビの前で、愛しい誰かの声が聴こえる
・愛しい誰かの声
花びら 燦々と 包まれて 目を閉じた 夢から醒めますように
声が響いてる 愛しい 誰かの声が響いてる
おそらく、「愛しい誰かの声」はファンの声だと思います。
「夢から醒めますように」は、そのファンの声です。
夜(悲しみ)の中で、その悲しみの夜が明けるように、夢から覚めるように願うファンの声と私は解釈しました。
Aimerさんには愛しい誰かの悲しむ声が聴こえるのです。
・新しい夜はどんな夜か
さて、少し視点を変えます。この「愛しい誰か」の中に、先ほどの「去りゆく人」は含まれているでしょうか?
…
…
はい、含まれています。
Run Riotの歌詞にそのことが書かれているというよりは、Aimerさんの新しい夜への想いから逆算したものです。
その辺がこの曲わかりにくいと思ってます。
Aimerさん
「『変わっちゃった』とか言うのはきっと、置いてけぼりにされたって感じているわけじゃないですか。だから誰も置いていくつもりはないよと伝えたかった。」
「そして今も夜が好きで、ただもう1人じゃないから、光もちゃんと愛せるようになった。そういう今の自分ならきっと新しい夜が描けると思ったんですよね。」
(B-PASS 2019年9月号 Torcehsインタビュー)
新しい夜は、誰も置いていかない夜なのです。
こういった「置いていくつもりはない」という考えは、新しい夜の曲の歌詞の随所で見られます。
・Blind to you「You still stay in my heart」(あなたはまだ私の心の中にいる)
・SPARK-AGAIN「失くしてきたものなら数知れず 捨ててしまったものなど 何もない」
・Ash flame「a 9 days wonder 真夜中の不文律 ひとつも置いていかないよ いつまでも 抱いていよう」
「去りゆく人」もAimerさんにとって、今のファンと同様に愛しい存在なのです。
(多分「去りゆく人」に対しても、その人が好きだったAimerさんが帰って来るのを待ってくれている、ととらえているのだと)
Aimerさん「この曲は自分のダメな部分を抱えつつ、それでも誰かが待っていてくれるなら、そこに駆けていきたいっていう曲だから」
(B-PASS 2020年05月号 春はゆく/marie インタビュー)
そして、その愛しい誰かへの想いが、どんな焦燥にも勝る原動力になっているのです。
・立ち込める面影と焦燥の断ち切り
ここでさっき飛ばした歌詞を思い出します。
ひらひらと 立ち込める 面影が
拭えない焦燥を 夜に断ち切って
野生の息吹 響く鳴き声
辿り損ねた愛をもう悔やまないで
駆け出して
去っていくファンを見送らずに歩き出そうとした瞬間に思い出す面影が、おそらくこの愛しい誰かの面影なのです。
さっき言ったように去っていく人も愛しいのです。
想いを捨てようとした瞬間に、その去りゆく人含めた愛しい人の面影を思い出して、その人が悲しみにくれる声が聴こえて、その人を守りたいと思ってるのです。
そして、その人への想いがAimerさんを焦燥から吹っ切らせているのです。
では、断ち切った焦燥は何なのか。これも「誰も置いていかない夜」から逆算してみます。
焦燥は、去りゆく人への想いと、次の何かを得るための衝動の、板挟みだったのではないでしょうか。
2番の冒頭に出てきた、不変を求めたいつかの夢と、次の何かを得るための衝動の板挟みです。
その板挟みの焦燥を断ち切って、その時に得た答えが「誰も置いていかない夜」という事です。
去りゆく人も置いていく事なく、なおかつ自身の次の何かを求める衝動にも従った、新しい夜に進もうという考えに至ったのではないかと思われます。
・辿り損ねた愛
「辿り損ねた愛をもう悔やまないで 駆け出して」の、辿り損ねた愛(Aimer)は、ファンが去らなかったAimerさんです。つまり、過去の夜を続けていたAimerさんです。
それを悔やまないで駆け出すので、新しい場所(光の中の活動)に向かった事を悔やまないで、去りゆく人も戻ってくるような(置いていかない)、更に新しい夜に駆け出そうという決意が生まれたことがわかってくるのでした。
自分から去った人すら置いていかずに、新しい夜の世界観を求める、そんな困難な道を歩もうとするなんて、Aimerさんどうかしてますよね。
「どうかしてる」って言うけど どうにかしてあげるよ
どうなったらいいかさえ わからなくなるけど
夢がその隣で覚悟を決めたなら
疑うものなんて何もなくなるから
…
導火線がなくても 心に火 灯すよ
どこに行くのかさえ わからなくなっても
君のその隣で強く手を繋げば
恐れるものなんて何もなくなるから
(SPARK-AGAIN)
って言って走り出しちゃうんですよね。
他人の為に力がわいちゃうんですよね。
・脱線:SPARK-AGAINとnight worldのセットリスト
Run Riotは、別の走り出しちゃう系の夜の曲、SPARK-AGAINととても話がリンクしています。
それは、ライブ"night world”のセットリストからもうかがえます。
このライブの最終版のセットリストは以下です。
Run Riot→SPARK-AGAIN→AM04:00→星の消えた夜に rit ver.
でした。
Run Riotで駆け出した先は、新しい夜、と勿論とることができます。
それとは別に、SPARK-AGAINの「風を切って君の方へ」とあるように、「君」(ファン)のもとへ走っていったともとれるのです。
(誰も置いていかない夜、みんなと一緒の夜に向かって走っていったので、同じ意味でもあります。)
Run Riotで愛しい誰かの悲しむ声が聴こえて駆け出し、SPARK-AGAINで君の方へ走っていき「太陽みたいな愛で照らすから」と守りたいという想いを伝えるとい流れです。
そして、星の消えた夜に rit ver.で、「夢が覚めた夜でも隣にいるよ」と、隣にいてくれて一緒に朝を迎えるセットリストなのでした。
■ラスサビは新しい夜への旅立ち
・残響と孤独の香り
脱線が過ぎましたが、Run Riotの歌詞に戻ります。
はらはらと 朽ちるまで 咲き乱れ
引き留める残響を 風よ連れ去って
孤独の香り 祝福してる いいよ迷わない
胸が奮い立つように
「はらはらと 朽ちるまで 咲き乱れ」
Aimerさんは、よく歌うご自身を花に例えます。
季路「季節は巡る 辿って 迷って 何度も躓いては同じ花届けるために」
Torcehs「Like a little flower blooming in a home」(家の中で咲く小さな花のように)
「朽ちるまで 咲き乱れ」とは、おそらくライブのMCなどで言っている、
「これからもこの声が出る限り歌い続けます」と多分同じ意味です。
「引き留める残響」は、Aimerさんを引き留める考え全般です。(他者の考えも自分の中の葛藤も)
新しい夜に向かう決意をしたAimerさんにとっては↓は全て残響になるかと。
・初期の夜に戻ったほうがいい
・光の中に留まったほうがいい
・夜以外の世界に向かったほうがいい
その残響を風が連れ去っています。風と共に舞う花びら、桜吹雪の風景が見えます。
「孤独の香り 祝福してる」は、新しい夜の世界に出発することを意味します。
STAND-ALONEの「何もかも投げ出して 暗闇に浮かぶ星になりたい夜」も同様の意味です。
新しい夜の世界は、初期の夜でもなく、光の中の世界でもなく、まだ誰も足を踏み入れていない状態なので(これから自身が作り出す世界なので)、孤独の世界でもあるのです。
その孤独の香りがAimerさんを祝福してくれているのです。
・永遠の淵
ひらひらと 舞い踊れ 褪せるまで
拭えない焦燥を 夜に断ち切って
永遠の淵 覗いてみよう
辿り損ねた愛をもう悔やまないで 笑って
「ひらひらと 舞い踊れ 褪せるまで」は前述の「はらはらと 朽ちるまで 咲き乱れ」と同じ意味です。
「拭えない焦燥」と「辿り損ねた愛」の話も前述のとおりです。
「永遠の淵 覗いてみよう」はちょっと難しいです。
「永遠」に「終わらない夜」という言葉をあてはめてみます。
「終わらない夜の淵を覗いてみよう」と変換できます。
「永遠」に「終わらない夜」をあてはめるのは、過去にも例があるので根拠として紹介します。
それは、holLow wORlDの「Cause I got ready to break my endless days」という歌詞です。
「my endless days」に「終わらない夜」を当てはめた時、「Cause I got ready to break my endless days」は、「終わらない夜を明ける準備はできたのだから」ととることができます。
(Brave Shineの「You're breaking dawn」と繋がります)
holLow wORlDは、3rdアルバムのDAWN時期における、夜明け(DAWN)へ向かう重要な曲として解釈できるのです。
というわけで、「永遠の淵 覗いてみよう」は、「終わらない夜の淵を覗いてみよう」となります。
いつ終わるかもわからない、夜という大きなテーマにまた戻ることにしたAimerさん。
ですが、それに臆するのではなく、その夜への決意と好奇心がうかがえる言葉なのでした。
そうしてAimerさんは、「過去の夜を続けていたら」という後悔(辿り損ねた愛)から解き放たれて、去った人も置いていかない夜、新しいみんなの夜へと笑って旅立つのでした。
めでたしめでたし。
■全然関係ないけど残響散歌の話したい
↑と全然関係ないんですが。
残響散歌の暫定的な考察メモを残しておきたいのですが、新しく記事書くほど材料はそろってなくて、
ここまで新しい夜の説明して、ここに置くのがちょうどよかったので置かせてください。
※以下鬼滅の刃の無限列車編までのネタバレの話も言及しています。気を付けて下さい。
残響散歌は、2021/09/30現在、「鬼滅の刃」遊郭編のPVで少し聴く事ができます。
動画の4分17秒くらいから聴けます。
私が聴きとれる歌詞は以下です。
声を枯らして 燃える花のように
闇間を照らしたら
曖昧すぎる世界を ???
夜を数えて 朝を描くような 鮮やかな???
どんなに深い後悔も
どんなに高い限界も
かき消して 残響
考えられる範囲で考えてみます。
・燃える花は、強さと優しさの兼ね備え
最初に、燃える花⇒火花⇒SPARK-AGAINなので、以下で言う燃える花の説明は残響散歌だけでなく、SPARK-AGAINにも当てはまります。
「声を枯らして 燃える花のように 闇間を照らしたら」
Run Riotで話したように、歌を歌うAimerさんを花に例えるのはよくあることです。
Aimerさんの歌には、花と火がでてきてそれが何かを説明している歌があります。それがTorchesです。
It's just like a burning torch in a storm
Like a little flower blooming in a home
(それはまるで嵐の中で燃える松明のように)
(家の中で咲く小さな花のように)
強く確かな意思を掲げ
時に優しくあればいい
燃える松明のように強く、花のように優しく、という事です。
で、この強さと優しさはAimerさんのベストアルバムまでの大きなテーマでした。
ベストアルバムは、“blanc”“noir”(白と黒)という名前で、1st~4thアルバム時期の曲が収録されています。
その白が優しさを表しており、黒が強さを表していました。
最近までは強さと優しさは個別の歌に表現されていました。
ですが、新しい夜ぐらいからは、Torchesのような強さと優しさを兼ね備えたような曲が出てきています。
(LIVE TOUR 19/20 "rouge de bleu"(赤と青)で、Torchesの背景が赤と青だったのは強さと優しさを兼ね備えているから。赤と青は、白と黒の発展形)
燃える花に戻りますが、燃える花がその強さと優しさを兼ね備えているという事のシンボルになっているのではないかな~と思います。
(SPARK-AGAINも強くて優しい感じありますし)
なので、残響散歌も、強さと優しさを兼ね備えたような曲なのではないかな~と思ってます。
・炎は身を焦がすもの、声を枯らすもの
まだ燃える花の話続きますが、少し話を変えて、Aimerさんの歌詞にでてくる炎がAimerさんの声を枯らす存在でもあるという話をします。
Aimerさんの歌にでてくる炎にも色んなイメージがあって、松明のように夜を照らす明かりのイメージもあるのですが、夢とかもそのイメージあたります。
Ash flame「夢という怪物は 美しいんだよ 何度でも Ash flame 宿して刃向かおう」
そして、Aimerさんの夢はライブでよく言ってるように、
「私の夢はただひとつで、これからも音楽を作り続けて、歌い続けていく事。」
です。
でも、1つ問題があってそれがAimerさんの喉の繊細さです。
Aimerさんって15歳の時に声がでなくなって、沈黙療法によって回復するのですが、その時の結節が喉にまだ残っています。
Aimerさんの声は、独特な声ですが、その反面喉がデリケートです。
ライブ中に声がでなくなるという事もあって、私は2回はあった事を知ってます。(それ以上あるかは知らないです。)
Aimerさんにとって歌う事は、夢という情熱を燃やす行為でもあり、またその身を焦がす(声を枯らす)行為でもあるのです。
holLow wORlDの歌詞、
「Eternal flame just back in my hands Like a double-edged sword I don't care」
(永遠の炎が私の手に戻ってきた それは諸刃の剣のようだ でも構わない)
にあるように、Aimerさんの炎、夢、声は両刃の剣なのです。
「声を枯らして 燃える花のように 闇間を照らしたら」という歌詞は、身を焼きながらも、強さと優しさでもって人の夜(悲しみ)を照らしたいという気持ちが表れているのです。多分。
その姿は、自身を危険にさらしながら、鬼という闇を払う鬼殺隊の姿とリンクしそうです。
あと言及したいのは、燃える花という事で、紅蓮華とリンクしそうという事と、煉獄さんの「心を燃やせ」とリンクしないとも限らないですよね。
・曖昧過ぎる世界
「曖昧すぎる世界」は、夜の話をしてると思われます。
STAND-ALONEに、「探してきたはずの線を失くしてきたもので書いて 曖昧過ぎたのは始まりとルールのせい」
という歌詞があります。
STAND-ALONEは、新しい夜への旅立ちの曲なのですが、その葛藤が過去の自分の否定の方向に向かっています。最終的には過去の自分を認めるような歌詞になってます。(私の解釈では)
上記の歌詞が何を言っているかというと、初期の夜(星座)の世界が曖昧だといって、過去の自分を否定しています。(私の解釈では)
なので、それと同様に「曖昧すぎる世界」は夜の世界の話をしていると思われます。
新しい夜をどう描いていく話をするのか、初期の夜の世界を越えていくという話をするのかは、全部歌詞を見てからという事になりそうです。
・その他の歌詞
「どんなに深い後悔も」
Run Riotなどにも描かれている、かつてのファンとの絆を失った後悔の話しを指してる可能性もありますよね。
そして、それが煉獄さんを失った炭治郎の後悔とリンクして話が展開する事もありうるかと。
「残響」
Run Riotでの残響は、Aimerさんが新しい夜にいくのを引き留める声でした。(他者の声も自身の葛藤も含む)
残響散歌の残響は、似た意味なのか、違う意味なのか、いい意味なのか、悪い意味なのか、これも歌詞の全文を待たないとわかりませんね。
っていうのが、今できる残響散歌の考察でした。
ただ、これまでの後悔も、限界もかき消していくという、越えていく気概が既に歌詞から見られますよね。
Aimerさんの歌の歌詞には男前でかっこいいものもありますが、その男前な曲がまた増えそうです。
新しい夜の世界が、残響散歌によってどう描かれるのか、楽しみすぎます。
-おわり-
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