#長崎#自民党#北村誠吾さん面会ルポ「橋渡し役に努めることが重要」
面会日:2020年12月26日 11時~12時30分
担当:中島大樹・中村涼香・山口紗希・永田真緒
ルポ作成者:中島大樹
「オフライン面会プロジェクト」2人目となる、自民党・北村誠吾さん(衆院)と佐世保市内の事務所で面会しました。当初予定していた30分間を大幅に超過し、終了した頃には12時を過ぎておりました。
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北村誠吾さんの回答
① 核兵器の廃絶を目指すべきだとお考えですか
はい
②-1 核兵器禁止条約がまもなく発効しますが、あなたは核兵器禁止条約に賛同しますか
賛同しない
②-2 核兵器禁止条約に日本は署名・批准するべきだと思いますか
無条件に署名・批准できない
③ どのような条件のもとならば、日本は核兵器禁止条約を署名・批准することができますか。また、署名・批准に至らない障壁となっていることはなんですか
核保有国と非核保有国の間に溝があるため、そうした状況では参加できない
アメリカの「核の傘」について
◯「核の傘」では核兵器の使用を前提としている。核兵器には、誤使用等のリスクもある。そうした核兵器のもたらす危険性・リスクについてはどのようにお考えですか。
「包丁もうまく使うとおいしい料理ができるが、悪い人が持つと殺人を起こす」。量的にも質的にも十分な監視と査察ができるようにしなければならない。ただ、そのためにはどんな考えや策が必要なのか、そうした「データ」を集めるためにも外務省の「賢人会議」は重要である。
核兵器禁止条約に対する日本の姿勢
◯核兵器を法的に禁止する核兵器禁止条約に対する日本の姿勢についてはどうお考えですか。
積極的に働きかける必要はあるが、そうすると、核保有国と非核保有国の溝をさらに深める可能性がある。夫婦関係もそうだ。米国との信頼関係が損なわれ、離婚することになりうる。核兵器を法的に禁止することの議論の前に、両者の言い分を聞くような「場」が必要である。
締約国会議へのオブザーバー参加について
◯話し合いの「場」として来年に核兵器禁止条約の締約国会議がある。日本がオブザーバー参加することについては、どうお考えですか。
核保有国を置き去りにしないためにも、締約国の会議に入るよりも、一歩引いた位置で俯瞰することが重要だ。また、参加した場合、何らかの日本政府としての主張をせざるを得なくなるのではないか。
◯オブザーバー参加することで、非核保有国の考えも聞き、核保有国との間の「橋渡し役」を果たすべきではないでしょうか。
非核保有国の意見を聞き、それを核保有国に伝えるという前提において、仲立ちをすることが日本にとっては重要である。
◯つまり、締約国会議にオブザーバー参加することに関しては賛成ということですか?
はい。締約国会議に参加して、よく見て、よく聞いて、それらを核保有国側に伝えるという役割は日本だからこそ果たせる。いずれにせよ、日本政府に対して、締約国会議の参加・不参加については明確に立ち位置を示してほしいと思う。その方が賢人会議の土台にとっても役に立つ。
まとめ
⒈核保有国と非核保有国の溝がある。日本は核保有国と非核保有国の「橋渡し役」を務める上で現在の状況では、核兵器禁止条約に署名・批准することは厳しい
⒉日本政府は「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」をはじめとした「橋渡し役」に努めることが重要である
⒊「橋渡し役」を全うするために、日本政府は翌年の核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加について少なくとも考えを明確にすべき
感想
【中島大樹】
基本的には、衆議院議員の岸田文雄さんの著書『核兵器のない世界へ』を基に説明されました。したがって、どこまでが北村さんの考えかというのが分かりにくかったというのが率直な感想です。ただ、その中でも翌年の核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加については前向きな意見を聞けたというのは、日本の掲げる「橋渡し」を果たす上で重要であったと思います。終盤には、その点について岸田さんに直接電話で確認もされました。核兵器禁止条約への署名・批准も重要ではありますが、まずはそうした「橋渡し」としての役割について十分議論を深めていければと感じました。
【山口紗希】
面会を快く引き受けてくださり、私たちが事前に送った質問事項に対する答えも前もって準備してくださっていました。
しかし、長崎選出の国会議員としての北村さんご自身の考えを、もっとお聞きしたかったです。核抑止・安全保障・北朝鮮との国交問題など、今、それぞれ大きな変化の局面にありますが、そうした変化を踏まえられていない、と感じる内容もありました。党の意向の代弁ではなく、被爆地・長崎の代表者である北村さんご自身のお考えを率直に伺いたいです。
また「平和的な核利用には賛成だ。」ということを述べられていました。高校時代に、様々な核被害に触れてきた私にとっては、その言葉にも驚きを感じました。
私にとっては、今回が、2回目の面会でした。余裕が生まれ、初回よりも、自分たちが伝えたい事や聞きたい事を、話すことができたと思います。面会を進めていく中で、私たちにとって毎回が勉強であり、良い経験です。今後も私たちの活動に自信を持って面会を行っていきたいです。