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英チャレンジャーバンクMonzo、事業継続に疑念


英国のチャレンジャー銀行は今週、年次報告書を提出した。同社が打ち出す見出しはその成長についてだったが、報告書にはそのリスクも書かれていた。

追記: 日経のこの記事も必見だ

「これらの障害により、取締役会は、当グループが継続企業として継続する能力に重大な疑念を抱かせる不確実性があることを認識しています。」

3月には390万人の顧客を抱えていると発表した英国のチャレンジャーバンクのMonzoの年次報告書には確かにそのように書かれている。

同社は現在3つの障害に直面している。

第一に、トップラインの成長が鈍化していることだ。コロナウイルスによるデジタル化の加速は、デジタル・バンクにとっては恩恵をもたらすはずだった。一方で昨年の多額の投資(米国への進出や現地での銀行免許申請を含む)が原因の一つとなって税引前損失は2倍に拡大した

第二に、信用損失が発生していることだ。とにかく銀行は信用力が低かった。2月末の時点で、債権の20%が不良債権化しているか、不良債権化するリスクが「高い」か「非常に高い」状態にあった。いわゆる「ステージ2」と「ステージ3」と呼ばれるローンは、国際財務報告基準に基づいて報告するすべての銀行全体で調整されており、貸出残高の25%を占めていた。これは、イギリスの大手の商業銀行のロイズ銀行の13%と比較しても高い水準といえる。

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第三に、金融犯罪をめぐる規制当局のレビューがリスクであると同社は報告書で指摘する。規制当局の監視の強化は、スタートアップのフィンテック企業が成長するにつれて、目に見えない天井の壁になり得る。ある程度の規模になると、規制当局の監視が強化されるのは当然で、避けようがないことでもある。

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