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「小さな一歩が人生を変える」って、一体どんなふうに? 前向きに生きるためのヒントが見つかるWATCHA配信中のオススメ映画はこちら!!
皆さんにとって自分が過ごしている「日常」は、最高に楽しい?まあまあ?それとも...別に!?
変化に乏しい日々を変化に富んだ日々にアップデートしたい願望、誰にでもありますよね。
そこで今日は、視野を広げて前向きな気持ちになれる映画の特集です。
今回ご紹介する3作品に共通しているテーマは「意思さえあれば、新たな一歩はいつでもすぐにでも踏み出せる」ということ。
それぞれ個性があって深く楽しめる作品なので、ぜひ参考にしてみてください。
『人生はビギナーズ』
何歳になっても人生は始められる!
父が75年目に明かした真実が、息子の人生を大きく変えた。
名優クリストファー・プラマーと演技派ユアン・マクレガーの顔合わせによる、自分に正直に生きようとする姿を繊細に紡ぐヒューマンドラマ。
マイク・ミルズ監督が実父からゲイをカミングアウトされた実体験をもとに、「愛」と「死」に爽やかに向き合い、人間への優しさがあちらこちらに感じられる作品です。
誰もが今の人生は初めての経験ですよね?
主人公オリヴァーのように小さな一歩をためらい、漠然とした不安や孤独を抱えている方々も多いのではないでしょうか。それに比べて父親の方は、自分の秘密を隠すことをやめた途端、青春を謳歌してとても幸せそう!
「一歩前へ踏み出す勇気」と「何歳になっても新たな人生を始めて良い」ということを、温かな目線で教えてくれる人生讃歌ストーリーになっています。
大袈裟な演出はなく、淡々と時が流れていくナチュラルな空気感。父と子の何気ない日常生活や相棒犬アーサーと交わす心の会話や、多様化していく愛の形、愛し愛される過程など、全てが自然なものとして映し出される映像が穏やかな美しさを放っていました。
幼少期から現在までのファミリーヒストリーとアメリカの世相を写真やイラストで紹介していく見せ方は、アルバムをめくるような懐かしい感覚。年代別ファッションやインテリア、そして音楽もオシャレな印象を受け、惹き込まれてしまう巧みな構成でした。
父親役を演じたクリストファー・プラマーは、本作で「アカデミー賞 助演男優賞」を史上最高齢の82歳で受賞したほか、約30もの助演男優賞を獲得。代表作『サウンド・オブ・ミュージック』の若かりし頃の彼はユアン・マクレガーを彷彿とさせる端正なお顔立ち。
その顔に刻まれた年輪は渋さを増し、まだまだ演技への情熱を抱いていたはずの2021年2月5日、自宅で転倒した際に頭部打撲により急逝されました(享年91)。
晩年のクリストファー・プラマーの代表作としても貴重な名演をご堪能ください。
作品情報
愛に不器用なオリヴァーは38歳の独身男。母亡きあと父が突然ゲイをカミングアウトし、新たな愛を謳歌し、幸せな最期を迎えた姿に感化され、自分も変化しようと前に踏み出していく。
監督 マイク・ミルズ
出演 ユアン・マクレガー、 クリストファー・プラマー、 メラ二ー・ロラン
1時間43分 | コメディ · ドラマ | 穏やか · 人生 | アメリカ | 2010年 | 日本語吹替あり
『ゼロの未来』
本当の幸せは、限りなくシンプル。
未来は待つものではなく、自分でつかみとるもの。
鬼才テリー・ギリアム監督が「人生の意味は何なのか?」という普遍のテーマに向き合い、情報化社会への警鐘が込められた異色作。
主人公は人嫌いで在宅ワークが大好きな中年男コーエン。企業組織の監視と管理にさらされている彼が唯一安らげる場は、VRスーツに身を通した仮想世界に浸っている時だけ。
テクノロジーの進化により人々の暮らしは向上したはずなのに、逆に、ネット社会に振り回され、生きづらくなった不条理な現実がストレートに突きつけられます。
「選択肢がありすぎるのに、時間が少なすぎる」という皮肉な状況には共感せずにはいられませんでした。
孤独なコーエンが自分のことを「私」ではなく「我々」と呼ぶのも、本当は誰かと「接続」していたい潜在意識の現れであり、ソーシャルメディアに翻弄される現代人がこのキャラクターに象徴されています。
そんな状況下でも「新しいことをやるのに年は関係ない」と語る友人の言葉に押された彼が、理想の自分であろうとする姿は圧巻!思わず目頭が熱くなりました。
秋葉原をイメージした街並みや、迷路のような住居、そして一度観ただけでは全てを理解できないといわれる奥深い作風はまさにテリー・ギリアムの真骨頂。
伝説のTVコメディ「モンティ・パイソン」を再現したような冒頭シーンとか、自身の監督作をセルフオマージュした『未来世紀ブラジル』とのシンクロ率も高く、音楽も耳に残り感動を得られます。
不思議だけれど現実味のある世界観。アナログとデジタル、レトロとフューチャーが混沌とした独創性にも終始驚嘆させられっぱなしでした。
作品情報
コンピューターに支配された世界で謎の数式「ゼロ」の解析にひとり取り組む天才プログラマー、コーエン。愛と友情を知った彼の人生に変化が訪れ、これまでの現実が揺らぎ始める。
監督 テリー・ギリアム
出演 クリストフ・ヴァルツ、 メラニー・ティエリー、 デヴィッド・シューリス
1時間46分 | コメディ · ドラマ | イギリス · ルーマニア | 2013年 | 日本語吹替あり
『ルーム』
誰も知らない「部屋」で、大きな「世界」から隔絶されている母と子。
二人は決めた、怖いけどチャレンジしなければ何も変わらない。
若いシングルマザーと愛らしい息子。狭い部屋で親子の日常が綴られます。けれども何かが不自然...。
実際に起きた事件をモデルにしているというだけでもかなりの衝撃が走りますが、社会を震撼させる重苦しい題材を、これまでにない切り口で描いた愛と勇気のファミリー・ストーリーです。
母は、7年前に見知らぬ男に拉致監禁された女性ジョイ。息子は、この部屋で生まれ、一度も外の世界を見たことのない5歳の少年ジャック。
犯人に服従するだけの絶望的な人生に、望んでいなかった子供が生まれたことで希望の光を見い出した母の姿は、女神のような愛と包容力が宿っているように感じられます。普通の家庭では当たり前のことを息子に教え、たまに親子ゲンカもするという微笑ましい出来事にほんの少し気持ちが和みます。
救いの天使である息子は、部屋のなかだけが世界の全て。現実を何も知らない純粋さが可愛らしくもあり痛々しくもあり、複雑な切なさが込み上げてしまいます。
「このままではいけない」と決意した母が息子のために勇気を奮い、犯人のもとから決死の脱出に動き出すサスペンス描写は、ハラハラドキドキが止まりませんでした。
何より、部屋から出たことも他人と関わったこともない5歳児には未知への挑戦。初めの一歩を踏み出すジャックは事態をうまく乗り切れる?外の世界はジャックの目にどんなふうに映るの?そんなところも大変気になる展開です。
実はこの映画が通常の脱出サスペンスと決定的に違うのは、「無事に生還できたらハッピーエンド!」などという単純なお話では終わらないところにあります。
なぜなら、これまでの脱出劇では描かれることのなかった〝一歩先をいくドラマ〟が待ち受けているから。
号泣必至の深みのある構成がとにかく秀逸すぎて、喜怒哀楽すべての感情が大きく揺さぶられてしまいます。
もう一つ注目してほしいのは、親子を演じた主演二人によるセリフに頼らない叙情的な名演技。
本作で「アカデミー賞」「ゴールデングローブ賞」など多くの主演女優賞に輝いたブリー・ラーソンは、鬼気迫る母性愛を全身に憑依させ、強くて弱い面を併せ持つ難しいキャラクターと完全に同化しています。
息子役のジェイコブ・トレンブレイは、大人顔負けの存在感!まなざしひとつで心の内まで伝えられる鋭い感性の持ち主です。映画に命を吹き込む重要なポジションを担い、子役というより演技派俳優として立派に役目を務め上げているところが凄かったですね。
果たして、数奇な運命に見舞われた母と子にとって、何が幸せの最終形といえるのでしょうか?
本当に大切なことを考えさせられる奥行きのある作品です。
作品情報
長年狭い部屋に閉じ込められて暮らしているママと息子ジャック。5歳の誕生日を迎えたジャックに、ママは真実を教えることを決意。外に広がる本当の世界を見せるため脱出を図った。
監督 レニー・エイブラハムソン
出演 ブリー・ラーソン、 ジェイコブ・トレンブレイ、 ジョアン・アレン
1時間57分 | ドラマ · サスペンス | カナダ · アイルランド | 2015年 | 日本語吹替あり
WATCHAライターmatildaが様々なテーマで映画の魅力をお届けする「WATCHAで観られる映画情報」いかがでしたか?
ご紹介した3作品のように私も視野を広げたいと思っているのですが、成長した自分を脳内でイメージするだけでアップデートした気になり、結局なにも成長していない記録更新中です...。
でも、皆さんに楽しんでいただける映画は毎日のように発掘しておりますので、次回もぜひお楽しみに!
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