免疫細胞の「老化時計」が老化プロセスを制御することが判明した ~ iAGE

「体内時計」という言葉は聞いたことがあると思いますが、免疫細胞の「老化時計」の事を、私は今朝もらった賢者のチャットの情報で初めて知りました。
 
AI人工知能プログラムを用いて、「炎症老化時計」(Inflammation Aging Clock)” iAge” をスタンフォード大学のデビッド・フルマン博士と米国バック研究所の研究チームが作成しました。

デビッド・フルマン博士は、1001人を対象にした免疫時計研究プロジェクトを主導しました。そしてiAgeのプログラムを使って研究チームは、細胞の老化速度を決めている分子機構を明らかにしたのです。
 
「免疫細胞の老化時計」の速度を減速することができれば、動脈硬化、心臓病、認知症、骨粗しょう症などの高齢期の病気の進展を遅くすることができるのではないかと考えました。私は、素晴らしい発見だと思いました。


 
フルマン博士が、「老化時計」を研究するきっかけは、
 
高齢期も若々しく100歳になっても若者のように活力に満ちた高齢者もいれば、本当は60歳代なのに80歳代にしか見えない「よれよれ」の高齢者もいて、老化時計の刻む速度には個人差がある点に注目しました。
私もそう思います。
 

 
研究チームは1001名の8歳~96歳の健常人を対象に免疫細胞から得られた遺伝情報や機能性情報、タンパク質発現などの生物学的データ、心電図などの臨床データを収集し、加齢に伴い変化する分子を探索し、人工知能プログラムを用いて、炎症老化時計(Inflammation Aging Clock)” iAge” というプログラムを作成したのです。



 
解析の結果、「CXCL9と呼ばれるケモカイン」がiAgeで重要な役割を果たしていることを発見しました。
 
ケモカインとは細胞遊走活性を主機能とするサイトカインの一群で、CXCL10やCXCL11などのケモカインと共にCXCR3と呼ばれるT細胞の受容体に結合し、メモリーT細胞の活性化と遊走に関与することが知られています。研究チームがCXCL9と加齢変化の関係を詳細に解析すると、CXCL9は細胞老化、血管加齢、心臓の有害リモデリングに関与することが分かりました。
 
興味深いことに、CXCL9の血中濃度は加齢とともに上昇することから、加齢に伴う慢性炎症 (chronic inflammation) に関与する主要分子である可能性をフルマン博士は指摘しています。私も、病気の原因は、「炎症」であるということは理解しています。
 

 
加齢に伴いアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患、脳卒中、心疾患を引き起こす動脈硬化症、がんの発症、リウマチなどの自己免疫疾患、肥満・糖尿病などの生活習慣病の発病リスクが増大しますが、その基盤に「慢性炎症」があることが指摘されています。
 
今回の研究で新たに免疫系の老化を刻んでいる老化時計の実態が明らかとされたことにより将来老化を制御できる道が開かれたと思います。
 
(IMK Booksの配信から部分引用しました)

いいなと思ったら応援しよう!