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ゴルフ場の課題「キャディ不足」はなぜ起こる?泉ヶ丘カントリークラブの事例に学ぶ、問題の解決に必要な覚悟とは

わたしたちのグループのひとつ、㈱住地ゴルフは、「ゴルフライフスタイルをともに創る」というビジョンを掲げる、ゴルフ会員権の売買とゴルフライフを提案する会社です。

全国のゴルフ場やゴルフ関係者を対象に、ゴルフ業界の課題の一つと言われる「キャディ不足」をテーマに、課題解決に向けて実践した事例をもとに、これからのキャディ業務の在り方を考えるオンラインセミナーを開催しました。

今回は、全国からたくさんの方にご参加いただいたセミナーの内容を一部ご紹介します。

高評価を得る泉ヶ丘カントリークラブの事例を共有するセミナーに、104名のゴルフ場関係者らが参加

セミナーのテーマは『ゴルフ場の課題 キャディ不足について考える ~なぜ泉ヶ丘カントリークラブは高評価かつ90名ものキャディを維持できているのか?~』です。

泉ヶ丘カントリークラブ(以下、泉ヶ丘CC)は、男子プロトーナメントも開催可能な、関西屈指の会員制ゴルフ場。コースメンテナンスの良さ、高速グリーンで高い評価を得ています。年間来場者数は約6万人。従業員数は170名です。この内、キャディは90名となっており、キャディが活躍している会社として知られています。

そんな同社から講師として登壇されたのは、泉ヶ丘観光開発株式会社 代表取締役社長 奥野 将徳さんです。

セミナーには、全国のゴルフ場関係者および当社社員等含め104名が参加。参加の理由については、「キャディ不足に悩んでいる」「他のゴルフ場の取り組み事例や情報を知りたい」が多く、ほか「人材確保・育成に興味がある」との回答が集まりました。

「キャディ不足」という課題の背景にはどんな要因が?

セミナーでは、キャディ不足がなぜ起きているかについての解説が行われました。奥野さんは、全国のゴルフ場がなぜキャディ不足という問題を抱えているのか、いくつかの要因を挙げました。

例えば、「募集をかけても応募が来ない」という要因について奥野さんは「今のサービス業は社会全体で人手不足であり、その中でもキャディという職業は、ゴルフ場への交通の便の悪さや、どんな仕事なのかがわかりにくく、昔と比べ多様なキャリア選択肢が増加し、相対的に魅力が減少している」と話します。

こうしたゴルフ場に共通する要因もありつつ、個々のゴルフ場ごとに抱える問題は異なってきます。課題解決のためにまず実施すべきことは、ゴルフ場にとって何が問題か、現状を把握することだと奥野さんは話します。

「泉ヶ丘CCは市街地に近く、近隣に住んでいる人も多いため、キャディの応募がないわけではなく、他のゴルフ場とは地理的条件が異なる」と前置きした上で、泉ヶ丘CCのキャディ不足の解決に向けた考えを次のように語りました。

「これまではワーク・ライフ・バランスを考え、"はたらきやすさ”が重視されてきたが、最近の若い世代を見ていると、それ以上に“自身の成長を実感できるか”を重要視する人が多い。従業員満足度を高め、仕事への定着率を上げることがとても大切なことだと考えている」と話します。

セミナーでは、泉ヶ丘CCがどのようにこうした問題を把握し、従業員満足度を高めるという解決に向けたアクションを進めていったのかについて、プロセスを一つひとつ丁寧に説明していただきました。

キャディ不足という問題に対応していくためには、キャディの魅力を伝えていかなければなりません。「キャディの魅力を伝える活動は、今も個々のゴルフ場で取り組んでいるが、今後は業界全体で取り組んでいくべき」と奥野さんは強調しました。

奥野さんが考える戦略をもとに取り組みを続けた結果、泉ヶ丘CCでは従業員満足度の向上が実現したといいます。「従業員満足度が向上したことによりサービスが向上し、お客様からの評価も高まっていった。お客様からの評価が高まれば、リピーターが増え、キャディの仕事も増えていく。キャディ全員がやりがいを持って生き生きと働き、仕事に見合った対価として給与やボーナスに反映されるという好循環が生まれた」と奥野さんは話します。

とはいえ、この好循環は一朝一夕にできるものではなく、「従業員満足度を向上させるためには、経営資源の大量投入が必要であった」と伝え、セミナーの最後に奥野さんは、「そこまでしてキャディシステムを維持することが必要かどうかを判断するには、合理性と経営戦略を真剣に考える必要があり、経営者のビジョンと覚悟が問われている」と話しました。

今後もゴルフ場同士の情報や事例を共有する場をつくっていく

セミナーの後、参加者アンケートを通じて様々な感想をいただき、各ゴルフ場の皆様にとっての課題を考える際に役立つ内容であったと感じることができました。

「他コースの話を具体的に聞けて非常に参考になった」
「事例のプロセスが具体的であり大変参考になった」
「キャディの心情をきちんと聞いて反映させていく姿勢の重要性を確認できた」

住地ゴルフでは、ゴルファーの皆様のより豊かなゴルフライフを実現するため、会員権の取引だけにとどまらず、ゴルフ場の抱える課題をともに考え、解決の糸口を一緒に探っていきたいと考えています。このようなセミナーを開催することによって、参加して頂いたそれぞれのゴルフ場の皆様が、少しでも課題や現状に向き合い、問題を解決するための手立てやヒントにつながればという想いで企画しました。

今回のセミナーを企画した社員は次のように話します。

「イベント開催を告知してからたくさんの問い合わせをいただき、キャディ不足が多くのゴルフ場で喫緊の課題なのだと痛感しました。同時に、こうして全国のゴルフ場が情報を共有し合える場の重要さと、開催する意義の大きさを感じました。泉ヶ丘CCの貴重な情報を、丁寧に分かりやすく説明いただいた奥野社長には本当に感謝です。今回のセミナーが『ゴルフを進める』という住地ゴルフのミッションに少しでも繋がる場になっていれば嬉しいです。このような機会を設けることが住地ゴルフの使命であると思うので、微力ながら、今後もゴルフがより前に進んでいくための取り組みを皆様とともに続けていきたいと思います」

住地ゴルフでは、今回のようなセミナーのほか、会員権を持つお客様同士がつながるコミュニティ「住地倶楽部」の運営や、ゴルフをライフスタイルの中でより身近に楽しめるようなコンテンツの提案などを通じて、「ゴルフを進める」活動を行っています。

今後もわたしたちのグループが強みとして持つリソース(各ゴルフ場、お客様、取引先とのつながり、これまで培ってきた会員権販売のノウハウなど)を最大限に生かして、ゴルフ業界がかかえる課題の解決に向けてアプローチしていきたいと思います。

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