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クリスマスの空想。
【空想4】
♪クーリスマスがことしもやってくる~
さあ、やってまいりました。2024クリスマス。
クリスマス前に悪いことすると、よく父から「サンタに電話するぞ!」と脅されました。
クリスマスといえば空想のパラダイスですよね。
サンタはいる。
クラスの子たちはお父さんとお母さんがサンタなんだよと馬鹿にしてくる。
どうやら男子の1人が、サンタの格好をしたお父さんがプレゼントを置くのをみてしまったらしい。
でも違う、サンタはいる。
わたしは実際に会ってる。話したこともある。
毎年家にきて、きちんとプレゼントを渡してくれる。忙しいからすぐに帰っちゃうんだけど。
お父さんとお母さんとは絶対に違う。
この子には絶対わかんないよ、と教室の隅で誰かがこそこそ言っている。
聞こえてるからね。
クリスマスが今年もきた。
ほら、サンタもきた。ぽっこりしたお腹。長いひげ。甘い香水のにおい。
わたしのほしいものを持ってきて少し話して帰っていく。
幸せをいっぱい感じて眠る。明日からわたしは冬休み。
※
「今年もお疲れさまでした」
タオルをたくさんつめた服を脱ぎ、長い付けひげを取り、甘い匂いが消えるように消臭剤をふりかけるお父さんに、お母さんは声をかける。
「見えないんだからそこまでしなくてもいいんじゃないの?」
「いや、あの子はよく気づく。俺の体格も声も、匂いまで気づくからね」
※
クリスマスが今年もやってきた。
今年もお父さんがサンタになってやってきた。タオルがつまったお腹、少し引っ張ったらとれるひげ、甘い香水の匂い。
本当は全部知ってる。クラスの子の言うことは合っている。目が見えなくても気づいてる。
サンタが帰った後のお父さんから、サンタと同じ香水の匂いが少ししているから。頑張って変えている声がお父さんの声だから。手がお父さんの手と同じだから。サンタにどうしても会いたいと泣いたあの年からサンタが会いに来てくれるから。
今年も幸せをいっぱい感じて眠る。来年のクリスマスはわたしは中学生。
そろそろ教えてあげようかな。
サンタはいます。良いクリスマスを。
こんな風に空想からのシナリオ作成もいたします。