直腸癌と診断されて ー恐怖には知識をー
近くのクリニックで受診した2日後、職場でもある大学病院の外科を受診した。
癌と診断されて、怖くて全く癌の情報も検索できずその日を迎えた。ただただ怖くて、一緒に診察を聞いてくれた友人に涙を流して「怖い」としか言えなかった。
初めて見る30代後半風の男性医師は、淡々と私の状態と病態について説明してくださった。医師が手書きで書いた大腸の絵の一部を指差しながら、「ここに癌があります。」そう言いながら、手術の話になった。
腹腔鏡下直腸切除術
これが私が受ける手術。
全身麻酔をして、腹腔鏡(ふくくうきょう)と呼ばれるカメラ(電子スコープ)を使用しておなかの中の様子をモニター画面に映し出し、3㎜、5㎜、10㎜程の4つの小さな孔をおなかに開けて、そこから長い手術道具をおなかの外から操作して、癌がある直腸を切除する手技。
腹腔鏡下手術では、昔のような開腹手術と違い傷が小さいことから、術後の痛みも極めて少なく、術後の歩行や食事の開始も早いと言われている。実際、術後1日目から歩行するようにと言われた。
それからステージの話に移る。
詳しくは記憶にないが、肺まで転移した場合のステージ4以外は根治できると説明を受けた。
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癌が治る!
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それだけで、私は心が軽くなった。
それから、一通り、採血、造影剤を使ったCT撮影や、入院前の歯科受診を終え、再度外科の診察を受けた際に、どうやら他の臓器への転移は見られないようだが、リンパに気になる部分を指摘された。
ただそのリンパも手術で除去する部分にあるため、手術すればそれも無くなるらしい。
私はまだ生きていいんだ
そう思うと、それまでの恐怖はなんだったのか?と不思議に思うくらい希望で胸がいっぱいになった。
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私は癌と診断されて、大学病院を受診するまで、自分の命の短さを確認するようで、病気のことを怖くて調べることすらできませんでした。でも、結局私の場合はちゃんと知識を持っていれば、あれほどの死への恐怖を感じることなく、ただ自分の成すべきことをすればいいことだったのだと思います。
分からないことほど不安になるもの。
そして私がこれから身につけなければいけない知識は何か。
病気のこともそうだし、今回死を間近に感じた時の不安を一つひとつ整理して、その対策方法を探してみようと思いました。
前回の投稿にコメントをいただきました。
その方はご自身も病気と戦っていらっしゃるのに、「少し氣を大きく持って視野を広げてみましょ!」と言ってくださいました。
本当にそのとおりだと思います。
私も視野を広げて、悲しみや恐怖や絶望と戦う術を身につけていけたらと思います。
皆さんも、私のように不安や恐怖に押しつぶされず、しっかり自分の状態と向き合って、問題を解決するための糸口を掴んでいただけると、私も嬉しいです。