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直腸癌と診断されて ー直感のままにー
大腸内視鏡検査を受ける1週間前、生理周期を登録しているアプリを見てみると検査日がちょうど生理開始予定日だった。1日くらい予定がずれることはあるので検査と生理が重ならなようにと祈りながらそれから1週間を過ごした。
検査日当日、(といっても深夜3時)、下腹部が重い感じがして、生理が始まったことに気づいた。
はぁ~っとため息が出る。
このまま検査を受けようか、別日に予約し直そうか悩みながら朝を迎え、それほど出血もなかったので、8時になって下剤を飲む準備をした。そこで気づいたのが、前日夜に飲む下剤が処方されていたこと。もちろんその薬は飲んでいない。
指定された下剤を飲み忘れ、生理も始まった。
やっぱり別の日にした方がいいのかな?とも考えたけれど、私の方を向いている父と母の遺影が妙に気になったので、これはやっぱり今日受けておくべきなのかも、と思い直した。
9時になって病院へ電話をし、下剤を飲み忘れていること、生理が始まったことを伝えて、検査が可能かどうか相談した。相談した結果、検査していただけることになり、朝から飲む下剤はちゃんと全部飲んでクリニックに行った。
腸の動きを緩やかにする注射をお尻に刺され、検査が始まるまでしばらく待っている間、父のことを考えていた。父は肺癌だったけれど、部位は違うとはいえ、検査の前はドキドキしていたのだろうか。
いつも淡々と医師の説明を聞き、できる限りの治療を受けたいと言っていた父。
いつもふざけて、弱音を吐くことはなかった父。
肺癌だと診断された時も、覚悟していたかのように、「はい」と一言答え、治る可能性はあるのか、どんな治療を受けたらいいのか、自分の寿命はあとどれくらいなのかと医師に尋ねていた。父の質問に返す医師の回答を聞いて母の方が弱ったくらいだ。
父は覚悟していたんだ。
だからこそ、自分の病気から逃げずに、ちゃんと向き合って治療を続けたんだ。
改めて父がすごいと思った。
と同時に、私が今日検査を受けなければ、と直感で思ったのは、その父が今回の検査をどうしても私に検査を受けさせたかったのかもしれない。
そう思ってすぐ、私の検査が始まった。
・・・・・・・・・
誰でもちょっとした違和感を感じることってあると思います。
今回の私は、「今回は検査を受けないといけない気がする」程度のちょっとした感覚だったのですが、そのおかげで癌の発見をこれ以上遅らせることはありませんでした。
もちろん、ちょっとした感覚全てがそのとおりになるとは限りません。
ただ、その感覚に気づき、向かい合い、「面倒だな」と思うことがあっても先延ばしにしない、行動することは誰にでもできます。それは、特別なことではありません。その行動を起こすことで、1歩、前に進むことができます。
皆さんも、ちょっとした違和感(感覚)を大切にして毎日を過ごしてみませんか。