ほのか(2)
「女性らしさ」「女性役割」
女性は多く、その場の盛り上げ役や空気を和ます役として「女性らしさ」を発揮することを求められたり、代わりの効く「女性役」「女性らしさの提供役」として扱われることがあります。
「女性らしさ」というのは、「素直、優しい、かわいい、受身、よく気がつく、感情的、人をたてる」などを指すことが多く、飲み会などの場では、笑顔で話を聞いたり、相手を褒めたりすることが望まれることが多いです。
仕事の場においても、職場の上司から「飲み会に華を添えに来て」と言われたり、「電話は女の子が出たほうが相手が喜ぶから」と言われたりと、「女性役」を求められる経験をしたことがある女性がいます。
ほかにも、「女性は能力だけじゃなくてやっぱりはにかんだみたいなかわいらしさがないとね」「あなたたち(女性2人)の色気があれば契約バンバン取れるね!」など、「女性は女性らしさを持つものである、女性らしさは仕事において武器である」という前提で話をされ、1人のビジネスパーソンとして見下されていると感じるたことがある女性もいます。
「女性らしさ」が女性に与える影響
女性は、小さいときから「女の子」として周囲の性役割期待に添うよう育てられ、社会が求める役割に適応するだけでなく自分でもそれに満足をするのが「正常」とされます。与えられた役割になじめなかったり満足できないものは「女らしさ」に欠けるとして、「未熟・変わり者・不適応」などのレッテルを貼られることがあります。例えば、「結婚しない」「結婚しても家事をしない」という女性は女として失格とみなされ社会的に制裁を受けてきました。
幼少期から「女らしさ」を求められることで、女性は自分らしく振る舞ったり、自身の能力を高めたりすることが難しい場合があります。
例えば、数学と科学の学力調査において男女で差はほとんどないにも関わらず、大学の理数系学部に進学する女性の割合がかなり少ないのは、「女性は理系の勉強が苦手」というレッテルが影響していると言えます。
ほかにも、生徒会に立候補したときに「女の子なんだから、そんなに人前にでなくてもいいんじゃないか」と言われたり、英語ディベート部に所属していると「そんなに意見バンバン言ってたら(恋人と)付き合えないよ」と言われたことがある女性などがいます。
女性は、自分らしくあることよりも、女性らしく、社会から求められた女性としての役割を発揮することをさまざまな場面で求められているといえます。